表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宗狂の教え  作者: 真水
1章 牢獄編
14/20

最後の従者を迎える時

僕とルシアンとガロスは時間差でこの牢に入れられた。

おそらく、ラグもそろそろ来るだろう。


捕まった経緯を互いに話し合いながら、ラグがどの程度で牢に現れるかを推測していたとき、ルシアンが口を開いた。


「そのラグってやつが、捕まらないくらい優秀って可能性はないのかい?」


「それはありません。ラグが捕まらない確率より、天変地異が起こる確率の方が高いです」


「身内にずいぶん厳しいね、セドリック君」


「身内だからこそ、よく分かるんですよ」


そう説明しようとしたところで、デリックが唐突に言った。


「じゃあラグを迎えに行ってやろう」


「迎えに行くってどういうことだ?」ルシアンが問い返す。


「決まってるだろ。牢の出入り口で一斉に待機だ」


その言葉を聞いた瞬間、僕はピンときた。――初めてここに来たとき、こいつに泣かされかけたことを。


「あれ、すっごく怖かったんですからね、デリックさん」


僕がぼそりと呟くと、デリックは「悪かったって」と頭を掻きながら返してくる。


確かにもう過ぎたことだし、僕は器の小さい人間じゃない。

けれど、あの恐怖を味あわせておきながらお咎めなしというのも癪に障る。後ほど、何かしらで仕返ししてやろうと心に決める。


「まさかセドが“怖い”なんて言葉を知ってるとは思わなかった。私は少し興味があるな、それ」


ルシアンが愉快そうに笑う。

それをきっかけに、僕らはラグを迎える準備を整えることにした。適当に囚人を引き連れ、牢の出入り口に向かう。


途中のトンネルで、デリックを転ばしてやろうと企んだが、逆に転ばされ、膝の痛みがじわじわと脳に届くころ――二人分の足音が響いてきた。


おそらくラグだろう。僕たちはデリックの合図を待つ。

パンッ、と静寂を破る音が響いた瞬間、全員が一斉に音の方を見た。


そこには、不気味な笑みを浮かべたラグが立っていた。

だがすぐにその顔は豹変し、生まれたての子犬のように目を輝かせ、僕のもとへ駆け寄ってくる。


「セドリックさ〜ん!!! お久しぶりです!!!」


「久しぶりだな、ラグ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ