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宗狂の教え  作者: 真水
1章 牢獄編
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最後の従者

くっそ、くそ、くそがぁぁ……!

なんで捕まったんだよ、セドリックさん。ずっと俺を楽しませてくれるって言ったのに……。


俺はセドリックさんと共に暴れた日々を思い出す。

村を焼いた夜、スラムで無双した昼――あの愉快な時間を思い返し、思わず口元が緩んだ。


だが、すぐに現実を思い出す。

セドリックさんは捕まってしまった。その事実が胸を締め付け、悲しみが押し寄せる。


ふと隣を見ると、幸せそうに笑い合いながら歩く男女の姿。

俺は幸せじゃないのに……なんでこいつらだけ幸せそうな顔をしていやがる?


気づけば俺の手は勝手に動いていた。

ナイフが閃き、二人の首を貫く。

「あ……」しまった。二人とも殺してしまった。

どちらか一人を生かしておけば、片方は悲しみに沈んだ顔を見せてくれただろうに。


――ピピィ。

笛の音が耳をつんざく。


「チッ……」

どいつもこいつも俺の神経を逆撫でする。ムカつく、イラつく……全員ぶっ殺してやる!


音の方を見ると、自警団らしき若い男が三人。真ん中の大柄な男めがけて、俺はナイフを投げつけると同時に路地裏へ駆け込んだ。


壁の突起を掴み、そのまま軽やかに登って屋根上へ。

自警団の様子を見下ろすと、ナイフを受けた大男は脳髄を地面に垂らしながら立っている。だが、残りの二人の姿が見当たらない。


「……?」

次の瞬間、耳元で風を切る音。

瓦に突き刺さる矢――クロスボウか!


死んだ男の直線上からの射撃……。

射線を切るために反対側へ移動した瞬間、俺は絶句した。

音もなく動いていやがる……この地域の自警団、優秀すぎだろ……!


結局、俺はあっけなく逮捕され、そのまま牢へと搬送された。

「どうせ死ぬなら、最後にもっと暴れておけばよかったな……」


そんな後悔を抱えながら留置所の廊下を歩いていると、鉄格子の向こうにソフトモヒカンの黒人を見つけた。

そいつが手を叩いた瞬間、囚人たちが一斉にこちらを振り返る。


「……へへっ。まだ面白そうなのがいそうじゃねぇか」

口角が自然と吊り上がる。


だが次の瞬間、俺は凍りついた。

囚人の中に――金髪を首まで伸ばし、イかれた目をした背丈160ほどの少年を見つけたのだ。


「……!」

俺はこの世の全てに感謝した。


「セドリックさ〜ん!! お久しぶりです!!!」

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