2人目の従者
「どこから話そうか……じゃあ最初は、君たちがどの刑に処されるかって話からかな」
「どの刑に処される可能性が高いんですか?」
「死刑一択だ。それ以外に何かあると思ってたのか?」
平然と告げられたその言葉に、僕は衝撃を隠せなかった。
なぜなら僕の周囲の子供たちは、何をしでかしても裁判では不問にされるのが常だったからだ。
「やっぱり根はボンボンなんだなお前。どうせ“裁判で不問になって終わり”くらいに軽く考えてたんだろ?」
この男は僕の心を見透かせるのだろうか。
あまりにも正確で、恐ろしいほど鋭い。思わず畏怖を覚えるほどだ。
「でしたら宣教活動なんて夢のまた夢ではないでしょうか? 僕とガロスはここで死ぬことになるのでしょう?」
「おいおい、マジかよ。君はこんなくっせぇ場所で最後を迎えるつもりなのか?」
「僕だってこんな所で死ぬのは嫌ですよ! まだネブラ様に誓った約束を果たすどころか、実行すらできていないのに!」
するとデリックは、信じられないものを見る目を向けながら僕に問いかけてきた。
「セドリック君さ……“脱獄”って言葉、知ってるか?」
――脱獄。その言葉には覚えがある。
経典にはこう記されていたはずだ。
『脱獄とは、悪魔に憑かれ罪を認められなくなった者がするもの』。
「お前は……僕をコケにしているのか?」
自分でも信じられないほど低い声が出た。
僕に悪魔を憑けようとした目の前の男――ネブラ様をコケにした目の前の男に、抑えきれない殺意が込み上げる。
「待て待て待て待て! なんでそんなに怒ってるのか分かんないよセドリック君! 頼むから話し合おうぜ? もし俺が悪いこと言ったなら謝るから、な!?」
軽薄なその言葉を聞いて、僕はガロスの方を見た。
彼は「出番ですか?」とでも言いたげな顔をしている。
この男の重要性は理解している。
だが、僕に悪魔を憑けようとした男だ。生かしておけば、いずれネブラ様を害する存在となるだろう。
――殺すか。
「ちょっと待て、セド。その男を殺すな」
ガロスにGOサインを出そうとしたその瞬間、背後から声が聞こえた。
おそらく、僕の従者だった者の声だ。
その声を聞いて、僕は少し冷静さを取り戻す。デリックの処遇は保留だ。今は、彼との再会を優先するべきだろう。
「久しぶりだな、セド。元気にしてたか?」
「こんな場所じゃ元気もクソもないさ。……久しぶり、ルシアン」
僕は従者――ルシアン・ラルフルと再会した。




