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水の道  博士ちゃんJCが迷い込んだ大江戸で水を持ってくる物語  作者: Kくぼ


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第四十一話 橋の先

 舞湖は工事は鈴木達に任せて、玉井と共に橋ができるであろう渡った先を視察しています。


「舞湖様、ここからはどうするのですか?」


「それを考えているんでしょ!少しは玉井殿も案を出してください。指示待ち人間ではダメですよ!」


 ちょっと強い口調で言うと玉井はなぜか嬉しそうです。はあ、イケメンなのになんでこんなに残念な人なんだろう。


「指示待ち人間という言葉は初めて聞きました。私は舞湖様のご指示で働かせていただいているのですがダメなのでしょうか?」


 そういえばそうね。でもなんというか相談相手がいないのよね。鈴木さんの方が頼りになるけど私の部下じゃないし、川久保様は帰ってこないし若様は…………………論外だし。


「ダメではないわね。ただたまには私が感心するような意見というか提案をしてくれてもいいのですよ。是非お願いしますね」


「はい!」


 玉井はまた嬉しそうだ。いいから結果出さんかい。


 恐らく江戸時代は何度も失敗してその経験から川向こうの道筋を決めたはずだ。舞湖の記憶では大名屋敷を何軒か通って町民の方へ木で作った水道管を通して水を供給していた。とはいえ自分で作るとなるとその程度の知識では難しい。一応若様に無茶振りでここから先は若様が担当ですと無茶振りをしたが、それで失敗しても困るのです。



「掛樋をここに作るとここからはまた暗渠よね。て事は小石川の医療所から神田川までの暗渠ができる頃にはこっちもできていないと水がお家に流せない」


 舞湖は玉井に聞こえるように言ってみた。なんかまともな答えが聞けると思って。


「そうなんですね。どういうふうにされるのですか?」


 ちっとは考えてよ!こういうキャラなんだろうな。だいぶ慣れたけどイライラするのよねえ。




 舞湖は城へ戻った。自分の部屋に戻る前に無理だとは思ったが念の為に若様にお目通りできるかを聞いてみたらすぐに会えるという。暇なのだろうか?いろいろと頼み事をしているのにすぐ会えるなんて、偉いんだから私の案件以外にも色々あるんじゃないの?とブツブツ言いながら城の階段を登っていく。


 もう一回城の中には来ているので勝手はわかるが、階段がしんどい。なんでこんなに上に住むのだろうか。そういえばマンションとかも上の部屋の方が高くて人気があると聞いた事がある。お父さんに聞いたら、


「高いところに住むと優越感が得られるらしい。ほら、東京タワーから下を見ると人がアリンコみたいだったろう。偉くなったと勘違いするんじゃないかな?」


 と言ってたけど、そうなのかもしれない。権力の象徴が高さなのだろう。しかし長い。エスカレーターを作るのは無理だろうし困ったもんだ。クラスに電気博士はいなかったしなあ、水博士では電気は作れない電気だけあっても無理だし。


 なんとか階段を登りきるとそこに若様こと徳川秀光が待っていた。


「おう、お前から会いにくるとは珍しいな。なんだ、玉井も一緒か」


 玉井の顔を見て不機嫌になる若様だったが、舞湖はそんな事は気にしない。


「若様。もう少し低いところに住んではいかがですか?もう二度とこの階段は登りたくありません」


「そうはいかん。登りたくないのなら余が会いに行くぞ」


 なんか嬉しそうに言うがそういう意味ではない。


「この間お話しした神田川からこちら側の水路ですがどうなっていますか?」


「やっぱりその話であったか。土の中に木で作ったお前の言う水道管なる物を埋めるのに地図を作っている。今持って来させているから少し待て」


 ほう、なかなかやるわね。まさかとは思うけど一応聞いてみるか。


「若様。水道管の試作品はできましたか?」


「まだだ」


「………、はあ」


「実はな、作ったのだが水が漏るのだ。鍛冶に詳しい者にやらせているのだがうまくいっていない」


 そういうことか。基本的な考え方がなってない。


「若様。船大工さんには聞いたのですか?」


「聞いてはおらん。なんで水道管を作るのに、あっそうか。舞湖、手柄じゃ」


 手柄じゃないっしょ。船は木でできている。いくら浮くとはいえ隙間から水が入ってきたら大騒ぎだ。船大工は水が入って来ないように、つまり水道管なら水が漏らないようにする工夫を知っているはずなのです。確か檜かなんかの木屑を繊維化して間に詰めたんじゃなかったかな?若様は部下を大声で呼んで船大工に話をきいて水漏れ対策をするよう大声で指示をしています。舞湖に聞こえるように。きっと仕事をしているように見せたいのでしょう。仕事ができる男のように。


 そうしているうちに地図が届きました。どれどれ。橋の先は、と。ありゃりゃ。一本道じゃんか。


「若様。一本の道では大江戸の隅々まで水を届けられません。この地図では一部の場所にしか水が通らないではないですか」


大江戸の広いエリアに水を届けるには網目にように、が理想だが物理的に難しい。


「やはりそう思うか。いくつか問題があってな。水は上から下へ流れる、上の方が有利なので大名間で喧嘩になりそうでな。上にいる方が水に困らないからな。それと地下で水を分岐する方法がわからん」


「若様。それに関係するのですが、大名屋敷の配置換えをお願いします。特に」


「特に?」


「小石川の医療所跡には最も信頼できる親族を置いてください」


 水の取り合い。文句が出ないようにするにはやっぱペナルティでしょ!



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