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後半

「え?手紙?」


手紙なんてあったっけ?


「手紙なんて机の中にあったのか?」


「いや、ないはず・・・」


手紙なんて入っていた記憶はないと思うけど・・・


「下駄箱の中に入れたのよ」


「下駄箱?入ってなかったよ?」


何も入っていないはず、手紙なんてないと思うけど・・・なんか不安だ


「別の下駄箱に入れたんじゃないか?それに何を目的に浅野に聞いているんだよ」


「貴方には関係ないでしょ」


「この俺を前にそんなことを言うのか?浅野の友人枠である俺に喧嘩なんて売るのか・・・まあ、俺が負けるだろうな」


「自己評価低くない?」


悲しいことを自分から言うことなの?


「いや、女性に暴力はな・・・」


「言葉と行動が成り立っていないわよ」


うん、倉橋くんらしい


「っで、浅野に用事でもあったと2回目に言ったわけだが、なんかあるのか?」


「貴方には関係ないわよ。少しいいかしら?」


「うっうん・・・」


何かあったかな?僕何かしたっけ?


連れてこられて僕は下駄箱を開ける。靴を出して中を探すと手紙があった。奥にあったから気づかなかった


「本当にあった・・・」


「奥に入れるから分からなかったんじゃねえか。靴の上に置いた方が分かりやすいぞ」


「はっ恥ずかしかっただけよ・・・」


「恥ずかしいからって・・・だからこんなことになっているんだろ」


グサッと何か音がした


「あっうるさいわね・・・いいじゃない・・・」


「結果オーライってやつでいいか」


「えっと何々・・・」


手紙の内容を見ると


『放課後に校舎の近くにいてください』


と書かれていた。なるほど・・・


「分からん」


「なんで!?」


「うん、分かんねえわ」


「なんで!?」


驚くことなのかな?この内容からして校舎裏に来いって話なんだろうけど・・・


「僕をパシリにするために呼んだの?」


「なんでそうなるの!?」


「隠キャの宿命(さだめ)ってやつなんだよ・・・」


「いや、全然違うけど。そんなことをするわけがないじゃない」


「噂ではお前はかなりの人をパシリにしている不良って話だぜ?大塚智。お前の噂は怖いものばっかりなんだからな」


「ぱしりにしたことないのだけど・・・そらに私、大塚智じゃないわよ」


「アレ?」


別の人のことなんだ・・・あと、名前違うんかい


「んじゃ、暴走族の真崎春?」


「その人、貴方と同じクラスの人?」


「違うんか。あっあの人俺達の部活の先輩だったわ」


「真崎さん暴走族だったの?普通に学校に通って部活来ているのに?」


初めて聞いた噂だ・・・聞いたことがないよ暴走族とかなんて・・・


「あの人からそんな噂が聞いたことがないがそうらしいぜ?ちなみにこの話を聞かせてくれたのは校長だ」


「いや、生徒に何を話しているの!?」


「校長先生が?どんな仲なのよ貴方・・・親戚?」


「なわけねえだろ。そんな都合のいい展開あるわけないだろ。漫画じゃあるまいし・・・ネトゲ友達だよ」


「校長先生がネトゲしているなんて驚愕するんだけど・・・え?」


「あったね。今やっているゲームパーティに校長先生がいるんだよ」


ネトゲで知り合った友人が校長先生だったの忘れていた・・・結構ゲームやっている方なのはあんまり知らないのかな?


「ゲームをやっているなんて初耳・・・いや、集会とかの話で妙にゲームでの出来事を参考しているような話をしているような感じだけど・・・まさかね・・・」


「ちなみにだが俺達の冒険者ギルドはこの学校の生徒それなりにいるんだぜ。校長先生だけじゃなくて原田先生とかバスケ部のイケメンの風間光一とかな」


「うわっ・・・それ本当?」


「引くんじゃねえよ!ゲームは陽キャ隠キャ関係ないんだよ!」


「それはそれでなんかアレなような・・・暴露していい話なの?」


なんかどんどん別の話をしているような気がする。一向も話が進まないけどいいのかな?



「んじゃ、ってなわけでまたな」


「また明日」


「ええ、家に帰ったらギルドに入るーって待ちなさい!話を変えて逃げようとしないで!」


「ダニ!?俺の作戦失敗だと・・・全部事実だから問題ないと思ったのに・・・」


「それはいいわよ。参加するし・・・」


作戦考えていたんだ・・・あのノリで?


「あっさりと暴露したね」


「作戦失敗なのは事実だからな。どうせ、告白なんだろ?」


『え?』


爆弾発言する倉橋くん。え?告白?まさか・・・


「パシリになれと!?」


「いや、どんな告白よ!?私パシリする人じゃないって言ったじゃない!貴方のことが好きだから告白しようとしたの!!」


「え?」


今なんて・・・


「神社行く前に叶ってしまったな。今から神社に行って神様ありがとうございますと言ってくるからじゃあな」


えっちょっと待て!あっ・・・言っちゃった・・・どうしよつ・・・ん?顔が赤くて湯気が出ている?


「えっと・・・大丈夫?」


「・・・・・・」


「返事がない。屍のようだ・・・」


「私生きているけど!?」


あっ復活した


「えっと・・・告白?だよね?」


「・・・はい・・・」


・・・本当に・・・


「ぼっ僕でっで・・・いいの?」


僕のような存在が彼女に告白されるのか分からない。彼女の名前は深山桜。学校では有名人ってほどの有名じゃないけど密かに噂がされるほどの有名な人だったりする。彼女と僕は同じクラスではない。だから、僕が彼女と話す機会はほとんどないどころかない


そんな関係だったけど・・・


「そんなことを言わないでください!昔・・・貴方に助けられたことがあるんです。あの時、ナンパしてきた二人組の男から助けてくれたことがあって・・・」


昔・・・ナンパ・・・女性・・・助けた?まさか!


「あの時の!?」


確か中学生の時のことだった気がする





2年前


「よし!アーフェイス獲得!20連して獲得したぜ!」


「僕も獲得したよ。50連」


「ふっ私は100連だよ。どうやら、私が早いようだ」


「お前が1番回しているんじゃねえか」


「あはは・・・」


とある帰り道

当時、中学生だった僕達はいつものように帰り道を歩いていた


「私ほどに才能がある人物はいない!」


銀髪の女性が高笑いする


「お前、この前のテスト平均30点代じゃん」


「駄目駄目だね」


一気に現実に起きたことに顔を顰める


「私勉強嫌いなのよ・・・でも、多分大丈夫!」


「不安定すぎるだろ」


「酒井さんはいつもと変わらないね」


「ふっそれが私だからね!でも、平均は39よ!」


「低いわ。俺でも48だぞ」


「自慢するようなことじゃないじゃない」


「お前よりマシだろ・・・9も違ううんだぞ?1とか2とかよりまだ高いだろ」


2人が言い合いになっている。いつもと変わらないけど2人も勉強しないとまずいんじゃないかな


「浅野は平均幾つ?この前の中間テストの平均」


「僕?僕は平均62くらいだったよ。英語42点だったけど他の教科でカバーできたよ」


「うわ〜高い!いいな〜」


「まだ1学期の中間テストだから簡単だっただけだよ」


「それじゃ私達は簡単なテストですらできなかったってこと?嘘でしょ・・・」


「自覚してねえのかよ・・・お前、次の期末テストやばいだろ。20点台になるんじゃねえか?」


「貴方には言われたくない!」


「平均50近いんだよ俺。勉強しないといけねえレベルだがな」


「あはは・・・勉強しないとね」


僕達はいつものように言っていると


「やっやめてください!警察呼びますよ!」


「いいじゃねえかお嬢さん・・・」


「お兄さん達について来てくれよ」


何やら、不穏な会話が聞こえる


「なんだアレ?ナンパ?」


「警察呼ぶわね」


「判断早すぎぃ!!」


電話をかけて警察を呼ぶ。いや、早くない?


「・・・はい、そうです・・・はい」


「どうする?浅野」


「う〜ん、どうすると言っても・・・僕ができることないよ」


「俺ならできるみたいなことを言わないでくれ!?僕達だろ!俺に任せるな!」


僕も無理だよ


「僕も無理かな」


「ふ〜ん、お前なら問題ないと思うぞ?」


「僕何を期待しているのさ。僕は平均男子中学生だよ」


「俺より身長高いやつが言うな」


「変わらないでしょ」


僕の身長は164㎝、倉橋くんは163㎝、ほぼ変わらないのに身長を理由に期待するのはおかしいと思う。体格大きいならまだしも僕のような平均身長くらいの男子中学生にはできないこと。期待しても期待通りの結果にはならない


「んじゃ、こうしようか」


「え?」


僕の眼鏡を倉橋さんは外した




誰か助けて・・・怖い・・・


「おい、てめえら女の子に何をしてんだ?」


「あ?なんだテメェ」


「なんだお前?」


「え?」


現れたのは私と歳の変わらない男子。見たことがない人だけど助けてくれたの?


「銀髪の女の子から離れろ。嫌がってんのに無理矢理なんぞ意味ねえよ」


「うるせえな!お前みたいなクソガキに従う必要はねえだろ!」


あっ!


「人に殴るのがお前の礼儀か。暴力で解決するほど甘くねえよ」


「えーーー!」


殴ろうとした赤服の人が倒れる。何をしたらそんなことを・・・


「おい、お前!何をしてくれてんじゃぁ!」


「お前も黙れ。」


「お前がだよ!」


殴ろうとした緑色の服を着た人も倒れる


「暴力は身内を滅ぼす最悪な行動だ。外道がなんだろうとお前らがしたことは世間は許さない」


何が起きたのか分からず固まる。顔が整っているイケメンが私を救ってくれた・・・まるで王子様のように


「さて、警察はそろそろ来るだろうな。後のことは俺達がやるからお前は帰れ」


「え・・・えっ・・・でも・・・」


「・・・ここにいるのか。」


「うん!」


「・・・好きにしろ」


こうして私にナンパして来た男達は警察に連れて行かれた。私を助けてくれた人と一緒にいた2人は帰ってしまった。私は帰る前に


「あっあの!」


「ん?」


「助けてくれてありがとうございます!!お名前は・・・」


「・・・名乗るような者ではねえよ」


「でっでも・・・名前だけは・・・」


なんとかしてお名前を聞かないと


「・・・倉橋愛」


「倉橋愛・・・」


あら、なんか可愛い名前ね


「いや、それ俺の名前!!」


え?違うの?偽名だとしても・・・え?


「まあ、倉橋くんが言っていることは正しい。それと俺は名前を名乗るほどの者じゃねえ。いつか会う時に聞けばいいんじゃねえか。この地域の人ならまた会えるぜ」


また・・・そうだよね・・・


「うん!また会ったら告白していい?」


『え?』


「あっ・・・」


変なことを言ってしまった・・・ううっ・・・恥ずかしいよ・・・


「・・・・・・こんな展開は初めてだが・・・次に会う時には返事を考える」


「!」


「また会おう」


こうして私は彼等と別れた




「ってことがあったの」


「・・・そうなんだ・・・」


そういえばあったね。次会ったら告白するって・・・何をしているの?僕


「最初見た時は全然分からなかったよ。印象も・・・雰囲気が全然違ったから」


「あはは・・・僕は三重人格だからね・・・」


「三重人格!?二重人格じゃなくて!?」


やっぱり驚くよね。僕は三重人格・・・多重人格って言った方がいいかな?


「分かりやすく言うと多重人格なんだ。僕は・・・今の僕が表人格で眼鏡を外すともう1人の僕が現れるんだ。もう1人の僕が君を助けた記憶はあるから安心して」


「うっうん・・・でも、覚えているんだ・・・忘れているようで怖かった」


「うっ・・・それは言わないでほしいな・・・」


忘れていたのは僕のせいだね。2年前の時だから高校2年生の頃かな?


「それで・・・返事は・・・」


「・・・・・・」


僕が彼女の彼氏になるなんて思っていなかった。別の僕が許可したからだけど・・・でも、僕のために2年間も思い続けてくれたんだ。ひよっこの僕に・・・彼女の思いを無駄にしない。僕の答えはたった一つ


「はい・・・僕でよろしければ」


返事をする。僕と言う人間を受け入れてくれる人に


「・・・今日からよろしくね」


「はい・・・よろしくお願いします」


こうして僕、多重人格第一号に彼女ができた






その頃、ラーメン屋では


「え!?浅野に彼女ができる!?」


銀髪の女性と黒髪の男性が話していた


「ああ、ほら、2年前に浅野が助けた女の子いただろ?あの子だよ・・・ようやく見つけたようで」


「ふふっ・・・あの子か・・・私より背が低いのに・・・」


「お前が高いだけだろ。180超えの女性なんてそうそう見ないわ」


「失礼ね。192よ」


「え?190もあんの?高校生で?」


驚愕すると


「病院で測ったのよ。定期的な検査ってやつ」


「大きいな・・・俺なんて176だぞ。16も離れているんかよ。お前身長伸びるくせに成績は悪いよな〜」


「あら、喧嘩でも売っているのかしら?愛ちゃん」


「その呼び名は辞めてくれ・・・鳥肌が立つ」


「可愛い名前なのにね」


「可愛いって・・・俺苦労しているんだぜ?」


愛という名前。彼の名前は倉橋愛。一見名前を聞いたら女の子だと思い浮かぶだろう


しかし、彼は男だ。正真正銘の男性だ


「多重人格とは知っているとは思わないわよ?あの子」


「多重人格って言っても3つ人格あるけどな!2つ人格を知っているけど最後の人格知っているのかと言ったら知らないだろ。学校で多重人格なんて噂になってねえんだし」


そう、彼の最後の人格は


「なっていないわね。それに最後の女性の人格ね。大丈夫かしら?」


「大丈夫だろ。受け入れるような器の大きい女だと思うぜ。帰りどうする?俺は神社に行くけど」


「そうね・・・・・・なんで神社?」


って話があったとかなかったとか



〜完〜



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