第一話 「トラックかわいそう」
「よ~し!! みんな、今回はあのダンジョンを攻略するぞ!!」
僕の名前はシュウ。ある日僕はたまたま散歩してたらトラックに轢かれたんだ。次に目を覚ましたら自称神様が魔王を倒して世界を救ってほしいって語り掛けてきてはこの異世界に飛ばされたんだ。最初はどこなのか
分からなくて不安だったけど周りが優しい人ばかりで楽しい毎日を過ごしてるよ!絶対に魔王をたおすぞ~!!
「またのご利用をお待ちしております」
僕は連泊してた宿を後に目的地へ向かう…絶対に魔王を倒して皆を笑顔に‥
―――ゴホンッ
おいそこのお前…こいつを読んでる読者のお前に言ってるんだ。これが映像作品ならこっちだカメラ向けろ。
実はこの作品の主人公は俺…
「またのご利用をお待ちしております」
そうこのセリフを吐いた俺よ。まさか宿のモブ主人かと思ったか?残念だったな!!俺だよ。大体な、そんなありきたりな設定なんざいくらでもいるだろ。ほら他の宿泊客何て…
―――
俺の名はレン。この世界にいる魔王を倒して世界を救う使命を背負っている冒険者だ。実はこの世界の住人じゃないんだ。色々と省くけど、別の世界でしがないサラリーマンをしていたんだがある日トラックに轢かれてこの世界にやってきたんだ。
―――
てな感じでこいつ同様似たような奴がゴロゴロと利用する宿を経営してるんだよ。あっ?俺か?俺もこの世界の住人じゃないのよ。まぁ元の世界では惨めな人生送ってたんだが、ある日トラックがピンポイントでアパートの二階にある俺の部屋に突っ込んできて、たまたまぐっすりすやすやお昼寝している俺をそのままGOTOHEVENしてしまったわけよ。二階だぞ?何でトラックが突っ込むんだよ。
そのあとよくわからん美少年に多次元宇宙に点在する世界で宿を経営しろってさ。一方的に押し付けられては今ここって事よ。マージで意味わかんねぇし、二階にトラックが突っ込むわけないだろうが、てかよくよく考えたらこいつもあいつも俺もトラックに轢かれ過ぎじゃね?トラックに何かうらみでもあるの?
そんなことを思いながら今日も宿を経営している俺であった。あっちなみに俺の名前は美少年に剥奪されてこの小説に載せられないし映像作品ならピー音でかき消されるわけ。
「ご苦労様○○君!!今日も稼いでるかい?」
ほらでてきたよ、こいつだよこいつこの美少年が俺をこの世界に閉じ込めやがった張本人よ。こいつだけは絶対に許さん。俺が〇女子だったら中年のおっさんから酷い目に合う同人誌書いてたわ。
「オーナーさんども~ぼちぼち稼いでおりますわ~」
「フフッ…君自身は相変わらず冴えないね」
やかましいんだよタコ。
「あはは、冴えない宿の主人ですが御覧の通りお客様は満足しております」
まぁこんな感じで俺はこのわけのわからんオーナー様の元へ働いてこのわけのわからん宿を経営してるってわけ。
今回はこの辺で店じまいだ。またのお越しをお待ちしておりますわ。