第86話:メアとニア
中世ヨーロッパで貧困層が食べていたパンがどんなものだったのか名前までは調べることはできたのに、固さや味、食感がわからない・・・・
「さて次は、メアとニア。よろしく」
俺はエルフ族の姉妹をみた
姉のメアと妹のニア
二人はエルフのイメージ通りの姿をしていた
どちらも胸はそれほど大きいわけではないが、小さいわけでもない
脚はすらっと長く、まるでモデルのようだ
違いを言うとすれば、奴隷商のピッキーが言っていた通り、彼女らの髪と肌の色だろうか
妹のニアはエルフの想像通り、長い金髪で白人女性のような白い肌である
それに対して姉のメアは、長い銀髪で黒人女性を想像させる黒い肌をしている
「はい。わたくしはメアと申します」
「わたくしはニアと申します」
「「この度はわたくしたち姉妹を買って頂き、誠にありがとうございます」」
彼女らは姿勢よくお辞儀をした
驚いたのは、二人同じタイミングでお礼を言い、同じタイミングで頭を下げたのだ
俺が驚いていると、二人は頭を上げ、姉のメアが自己紹介の続きを始めた
「わたくしたち姉妹はエルフ族でございます」
姉のメアが言い終わると、次は妹のニアが話し始めた
「弓と魔法が得意でございます」
次はメアが口を開いた
どうやら交互に自己紹介をしてくれるようだ
「姉であるわたくしは『土魔法』と『樹木魔法』、『炎魔法』を得意とし」
次はニアが
「妹であるわたくしは『草魔法』と『水魔法』、『風魔法』を得意としております」
二人の得意な魔法を聞いたうえで、俺は彼女らに質問した
「俺も魔法は得意だが、わからないことがあるんだが聞いてもいいか?」
「「なんなりと」」
二人は同じタイミングで同じ言葉を言った
「ありがとう。聞きたいのは『樹木魔法』と『草魔法』の違いだ。この二つの魔法はなにが違う?」
俺の質問に対し、姉のメアが答えた
「『樹木魔法』は樹木を生み出し操作する、または樹木に関係しているものを生み出し操作する魔法でございます」
次に妹のニアが答えた
「『草魔法』は樹木のような太く、大きな植物以外のものを生み出し、操作する魔法でございます」
二人の答えで納得いった
俺がよく使う『樹木魔法 眠りの花粉』がどうして『樹木魔法』なのか
それは、この魔法で生みだす花は樹木にしか咲かないタイプの花であることだ
「なるほど納得だ。じゃあ質問を続けるね?二人の苦手なことは?」
「わたくしは肉や魚が苦手でございますが、食べることはできます」
とメアが
「わたくしも肉や魚が苦手でございますが、同じく食べることはできます」
とニアも答えた
「ベジタリアンだね?了解した。ちなみに、動物の脂や乳もダメかな?」
「「はい」」
二人同時に答えた
それを聞いた俺は現状、どんなものが作れるか考え始めた
確か野菜をたくさん買ってきたって行ってたから、あとで確認してみるか
「も、申し訳ございません!!私たち姉妹は奴隷です。食べ物を分け与えてもらえるだけで嬉しいです!!」
「申し訳ございません!!」
俺は考えていると、何かを勘違いしたのかメアとニアが慌てて膝を付き謝った
「い、いきなりどうした!?」
「奴隷の分際で差し出がましいことを言ってしまいました!罰はわたくしがお受けいたしますので、どうか妹だけは・・・・」
「メア姉!」
二人は罰を受けると思い込み、少し震えていた
「おちつけ!俺は二人を罰する気は毛頭ないぞ!」
「「え?」」
「俺はどんな料理が作れるか考えていただけだよ」
「本当でございますか?」
とメアが
「殴らない?蹴らない?」
とニアが
「何で二人を殴ったり、蹴ったりしないといけないんだ?俺は二人をそういう扱いをするつもりは一切ないから安心してくれ」
「「はい」」
二人は返事はしたものの、まだ半信半疑な目で俺を見つめていた
それほどまでに、ピッキーの所では酷い扱いをさせられていたのかと思うと不愉快な思いに駆られる
「よし!」
俺は途端に大きな声を出してしまった
「どうしたの!いきなり大声なんて出して!」
メアとニア、ローズが驚き、ローズが代表して質問してきた
「ごめんごめん!結局、何を買ってきたのかわからないから、クラリスに聞いてみようと思ってさ」
「そうだったのねん。でもいきなり大声を出したらびっくりしちゃうから、気をつけてねん?」
「そうですね、申し訳ないです。以後気をつけます。さて、早速クラリスに聞いてみるかな」
俺は謝り、おもむろに右手を耳に当てた
「あ~、クラリス聞こえる?」
俺は空にクラリスの名を呼ぶとすぐ返答が返ってきた
『京様?聞こえます!どうしましたか?』
「今回の買い物で何を買ってきたのか知りたくてな」
『そうでしたか。ではお伝えしますね?』
「お願いします」
そういうと、今回買った物のリストを教えてもらった
買った物は下記にの通り
ジャーガ芋:100個以上
葉玉:50玉
キャロン(人参):100本以上
泣き根玉(玉葱):100個以上
パン(※マスリン):10個
※マスリン:中世ヨーロッパ、多くの人々に食べられていた円形のパン
魔猪:5頭
デビルズコッコ:20羽
ブラッドサーモン:10尾
麦:10袋(1袋=25キロ)
油菜の油:4壺(1壺=50リットル)
塩:1樽
である
ブラッドサーモンは王都イシュタリア付近の川で釣れたものらしいが、残念ながら近辺に海がないイシュール王国の市場には海の幸はないようだ
ちなみに、こんなに買って腐らないのかと疑問に思うが、ダンジョンにある食料庫なら問題はない
ダンジョンの食料庫には『中に収納した物の時を止める』という力があるらしい
イージスからそれを教えてもらい初めてそれを知った
であるため、買えるだけ買って食料庫に入れておけばいつまでも腐ることはない
「ありがとうクラリス。助かったよ」
『どういたしまして。それより急にどうしたのですか?』
「エルフの姉妹が野菜しか食べられないみたいだから、なにができるかなって」
『そうでしたか。二人の食事も私が作ってよろしいのですか?』
「いや、二人のは俺が作るから、クラリスは他の調理に専念してくれ」
『かしこまりました。では調理に戻りますね』
「ありがとう。またあとで」
そうしてクラリスとの通話は終わった
俺の様子をメアとニアはじっと見ていたようだが、それに一切気が付かず、俺は何を作るか考えていた
「何を作ろうかな。パンがあるなら削ってパン粉にできるし、油も大量にある。じゃがいもに近いのもあるってことだから・・・・うん、コロッケでも作るか」
俺は独り言のようにぶつぶつと考えを言っていた
「作る料理も決まったから、二人とも安心して夕食まで待っててくれるか?」
「は、はい・・・」
メアは少し不安そうにこちらを見ていた
「京ちゃん、あなた料理ができるの?」
ローズが驚いたようにこちらの顔を見た
「もちろん!故郷では色んなものを作ってたよ」
向こうの世界では、とりあえずモテるために料理もひたすら勉強していた
その結果、和食に中華、フレンチ、イタリアン、トルコ料理、精進料理などジャンルは問わず、幅広く作れるようになった
まあ、作れるようになったからと言ってモテることはなかったが、ここで役立つから、学んでおいて正解だった
「さあ、二人も夕食まで時間はあるから、鬼キャスの元に行って、体を癒してくれ」
「わかりました」
メアとニアはまだ疑っている目をしていたが、気にせずにイヴァンナらと一緒にいる鬼キャスの所へ行くよう指示した
眷族
一鬼
ランスロット
東風
クラウン→→→ドワーフの村へ
紅
クレイゴーレム→→→ドワーフの村へ
スケルトンナイトリーダー
バンピールナイト
犬神
鬼・ランサー
鬼・アーチャー
鬼・アサシン
鬼・キャスター
コーカサスオオカブト
魂喰い
ゴブリン雄:1180体(+200)
ゴブリン雌:360体(+80)
スライム : 3匹
闇カラス : 10羽
スケルトン: 10体
化け猫 : 10体
妖狐 : 10体
魔狼 : 2体
ハニービー: 10体
住民
クラリス
クララ
サンスネル→→→ドワーフの村へ
スローン→→→ドワーフの村へ
スインス→→→ドワーフの村へ
所有金額
9913万4千700シュール
所有貨幣
石貨 :0枚
銅貨 :500枚
銀貨 :47枚
大銀貨: 5枚
金貨 :83枚
大金貨: 3枚
白銀貨: 8枚
白金貨: 9枚




