第６７話：「虫」VS「魔」Ⅶ
「虫」とのダンジョンバトル編
これにて終了
「ギィィィィィィィ！！！！？」
マンティアは予想外の出来事に驚き、あまりの痛さに悲鳴を上げた
「ナンデダ！？ナンデキサマノヨウナゴミノコウゲギガキク！」
マンティアは斬られた箇所を抑えつつ、激怒しながらランスロットへ聞いた
「オシエテヤロウ。コノマホウハキルノデハナイ。フレタカショヲショウメツサセルノダ。ソレユエ、コノマホウノマエニボウギョハムイミダ」
そう
勘違いしている者も多いだろうが、闇魔法は消滅魔法である
闇魔法に触れた箇所は腐るのでもなく、崩れるのでもなく、ただただ消滅する
それが闇魔法
「クソガッ！！モウアヤマッテモシラネエ！コロス！！・・・・フンッ！」
マンティアは切り落とされた左腕に力を込めた
すると、左腕の断面から、肉がみるみる内に盛り上がり左腕が再生された
まるでトカゲの尻尾のように再生した
「ギギギ！！モウユダンハシナイ！！」
マンティアは生えた左腕を見せびらかすように両腕を上げた時だった
「《闇魔法 闇月》」
ランスロットはマンティアが上げた両腕へ闇の魔力を放った
そして、両腕に直撃したマンティアの体から当然の如く両腕が落ちた
「ギィィィィィィィ！！！！」
マンティアは悲鳴を上げた
「セントウチュウニナニヲヨソミシテイル」
「ギサマァァァァ！！！コロス！コロス！！コロス！！！」
「シャベッテイルヒマハアタエナイ。《闇魔法 闇月》」
ランスロットはマンティアに再生させる暇を与えずに《闇魔法 闇月》を連続で放った
三日月型の闇の魔力はマンティアにすべて直撃した
そう見えた
しかし実際はすべての斬撃を高速で避けられていた
「ホウ」
「ギッギッギッ・・オレサマハ、ハネヲヒロゲレバスバヤクウゴケルンダヨ！！ソンナノロイコウゲキナンテアタルカ！！」
どうやらマンティアは背中にある薄い羽を広げ、飛んで避けたようだ
高笑いしているマンティアへランスロットは剣を振り上げ、マンティアの頭上へ振り下ろした
しかし、マンティアは再び羽を広げ、素早く避けた
「ギッギッギ！アタラネエッテイッテルダロ！」
「フム・・・ドウヤラワレノスピードデハアタラヌカ」
ランスロットは剣と盾を構えた状態で少し考えた
「ナラバ、コレデドウダ？《闇魔法 黒渦》」
マンティアの周りに４つの黒い渦が浮かび現れ、吸収し始めた
「ギギ！ナンダコレハ！ウゴケネエ！！！」
マンティアは黒い渦で四方から引っ張られる形で動きが止まった
「イマダナ。《闇魔法 闇月》」
動けないでいるマンティアの胴体へランスロットは魔法を放った
「ナメルナァァァァァ！」
迫りくる魔法
マンティアは吠えると、奴の身体からまるで蜘蛛のような長い足が生えた
長い足のおかげでマンティアの胴体は体一つ分高い位置へ移動した
そのため、胴体を狙った斬撃は奴の胴体のしたを素通りする形となった
「ナニ！」
「ギッギッギッ！！イマサラアヤマッテモオソイゾ」
マンティアはそういうと、唸り始め、身体が変わり始めた
「コレガオレサマノホンライノスガタダ」
マンティアの姿はというと
顔、胴体、手2本はカマキリ
足は蜘蛛
尻尾はサソリ
甲羅はカブトムシ
といった複数の虫の特徴を併せ持った姿へと変わっていた
そしてマンティアは見せつけるかのように尻尾を揺らすと、尻尾の先から紫色の液体が垂れた
垂れた場所にあった草も石もすべて溶けてしまった
「ギギギ！キヲツケナ、オレサマノシッポノドクハ、テツモトカスゾ」
「コレハ・・・・」
「ギッギッギッ！コワイカ？」
「コレハ・・・ジツニタノシミダ」
「ア？」
「コレホドノキョウシャトタタカエルコトワレハウレシクオモウゾ」
「ナンダコイツハ？イカレタカ？」
マンティアは知らない
ランスロットは騎士ではあるが戦闘狂の騎士であることを。
「コレカラワレモホンキデユク。カンタンニシンデクレルナヨ」
ランスロットはそう言うと、右手に剣を、左手に大盾を持ちながらマンティアへ走って突撃した
「ギギギ・・・シネェェェェェ！！」
マンティアは右手の鎌をランスロットへ振った
ランスロットは左手の大盾でそれを防ぎ、マンティアの懐へ潜った
それと同時にランスロットは右手の剣に魔力を纏わせた
「《闇魔法 闇月》」
魔力を纏わせた剣をマンティアの胴体へ放った
だがマンティアは背中の羽を広げて、空へ逃れた
「ノガサン！」
空へ逃げたマンティアを追うようにランスロットは飛んだ
そして、ランスロットは持っている大盾で飛んでいるマンティアを思いっきり殴りつけた
大盾で殴られたマンティアは地面に勢いよく落ちた
「グゥ・・」
地面に墜落したマンティアは唸った
その隙を逃さないようにランスロットは重力に任せて、マンティアのいる場所へ大盾を構えた状態で落ちていく
マンティアはそれを避けることができずに背中に直撃した
ランスロットの重力に任せた突撃はランスロットと大盾の重量も関係しているため、かなりの攻撃力となった
「グアァァァァァ！！！」
マンティアの胴体に生えた蜘蛛の細い脚ではランスロットの重量に耐え切れず、押しつぶされてしまった
追い打ちをかけるように、ランスロットはサソリの尻尾に視点を向けた
そして
「《闇魔法 闇月》」
闇の魔力を尻尾に向けて放った
闇の魔力が尻尾に直撃し、切り落とされた
「アアァァァァァ！！！」
尻尾を切り落とされたマンティアは悲鳴を上げた
マンティアは体を再生できるはずだが、なかなか再生しない
それだけではなく、先まで怒鳴っていたのが嘘かのように声を発さなくなっていた
「ソロソロオワリカ・・・・」
ランスロットはマンティアの背中から降り、剣と大盾をしまった
マンティアは息をするのもやっとのようだ
「クルシメルシュミハナイ。ラクニシテヤロウ」
ランスロットは臥せっているマンティアの目の前に歩いて近づいた
マンティアは傷ついた体を動かそうと藻掻いてはいるが、動かないようだ
「ナカナカタノシメタ」
「ギ・・・・ギ・・ヤメ・・・ロ・・」
「サラバダ・・《闇魔法 闇玉》」
ランスロットは体中に闇の魔力を纏い始め、それを右手に集めた
集まった魔力は小さな黒い太陽のようだ
ランスロットは臥せっているマンティアへそれを投げ放った
放たれた魔力はゆっくりとだがマンティアへと近づいていき、奴の鼻先に触れた
その途端、小さな太陽は勢いよく弾け、中から黒いオーラが溢れた
オーラは半径２０メートルぐらいの円のように広がった
当然のごとくマンティアはそのオーラに飲み込まれた
数十秒ほど経ち、黒いオーラは消えた
オーラが消えた場所を見ると、地面が綺麗な円状に消滅していた
オーラに飲み込まれたマンティアを探してみたが、どこにも姿も気配も感じられなかった
どうやら地面同様消滅してしまったようだ
マンティアを探していると、どこからともなく声が響いた
『「虫」を司るダンジョンマスターのマンティア様の消滅を確認。これにより「魔」を司るダンジョンマスターの北郷京の勝利が確定いたしました！』
眷属
一鬼
ランスロット
東風
クラウン
クレイゴーレム
スケルトンナイトリーダー
バンピールナイト
犬神
鬼・セイバー
鬼・ランサー
鬼・アーチャー
鬼・アサシン
鬼・キャスター
ゴブリン雄：９８０体（＋７００）
ゴブリン雌：２８０体（＋１４０）
スライム ： ３匹
闇カラス ： １０羽
ゾンビ ： １０体
スケルトン： １０体
住民
クラリス
クララ
サンスネル
スローン
スインス
