第61話:「虫」VS「魔」Ⅰ
ゴキブリってどうしてこうも気持ちが悪いのだろうか
名前の響きからして嫌
ダンジョンに戻ってから早2時間
『お待たせいたしました。只今より序列101位、「虫」を司るダンジョンマスターであるマンティア様と、先日90位になられたばかりの「魔」を司るダンジョンマスターである北郷京様とのダンジョンバトルを開始させて頂きます』
どこからともなく狼星殿の声が響いた
何気に序列が上がっていたことに驚いた
『なお、今回審判をさせていただきますのは「力」を司るダンジョンマスターであるレオニダス様の眷属狼星が努めさせて頂きます。そして、ルールですが、至って簡単。どちらかのマスターの死亡もしくはダンジョンの核の破壊でございます』
相手を殺すか、ダンジョンの核の破壊か
本当にシンプルでわかりやすい
『それではそろそろ始めさせていただきます』
ダンジョンバトルが始まる
『それでは開始!!』
始まった
・
・・
・・・
「頼むぞお前たち」
俺はダンジョン入り口で待っている前線メンバーに告げた
『・・・・まかせて』
東風から返事が返ってきた
『カナラズヤショウリモタラセマス』
ランスロットからも返答が返ってきた
・
・・
・・・
視点はランスロット率いる前線メンバーに代わる
場所はダンジョン入り口の外、ジャングルが広がっている
どうやら『虫』のダンジョンはジャングルのようだ
「・・・・・」
サンスネルは初のダンジョンバトルで緊張しているのか表情が硬い
「・・・・・安心しなさい。私とランスロットがいるから」
「そう・・・ですね」
「ソウダゾ、サンスネルヨ。ワレラガイル。アンシンシロ」
緊張しているサンスネルをランスロットと東風が励ましている
「どうでもいいんですが、何か黒い波?が来ましたわよ?」
後ろで3人のやり取りを見ていたバンピール・ナイトが迫りくる黒い波に気が付いた
「・・・・・何?」
そこにいる全員が前を向いた
黒い波の正体それは
「嘘でしょ?あれ全部ゴキブリじゃない!」
大地を埋め尽くすほどのゴキブリだった
「ど、どうしましょう!」
サンスネルはあまりの光景と緊張でパニックになっていた
「・・・・・落ち着きなさい。サンスネル、炎魔法をあいつらに放ちなさい」
「ですが!」
「・・・・・私を信用しなさい」
「わ、わかりました。《炎魔法 ファイアーボール》!!」
サンスネルの手から巨大な炎の玉が放たれた
それを見た東風がすぐさま
「・・・・《風魔法 暴風竜の咆哮》」
東風の周りに竜の形をした竜巻があらわれ、火球目掛けて、巨大な竜巻を放った
火球を飲み込んだ竜巻はみるみるうちに火を纏った竜巻へと変化した
「これは!?」
サンスネルが驚いた
「・・・・私の風魔法とあなたの炎魔法は相性がいいのよ。相性がいいと、こうやって合体させることもできるってこと覚えておきなさい」
「す、すごい・・・」
炎の竜巻と化した暴風竜の咆哮は押し寄せて来るゴキブリはもちろん生え茂っている木々まで飲み込んだ
竜巻が治まり、鬱蒼と生え茂っていた木々は面影がないほどに燃え、辺り一面炭と化していた
「・・・・・さあ行きましょう?」
東風は何もなかったかのように進み始めた
他のメンバーも続いて歩き始めた
・
・・
・・・
視点は『虫』を司るダンジョンマスター マンティアへと移り変わる
「フザケルナ!!ナンダアレハ!?」
前線の近況を遠くから見ていたマンティアは怒声を上げていた
「・・・・・」
マンティアの前に頭を下げている3体の魔物らはそれを黙々と聞いていた
眷属
一鬼
ランスロット
東風
クラウン
クレイゴーレム
スケルトンナイトリーダー
バンピールナイト
犬神
鬼・セイバー
鬼・ランサー
鬼・アーチャー
鬼・アサシン
鬼・キャスター
ゴブリン雄:980体(+700)
ゴブリン雌:280体(+140)
スライム : 3匹
闇カラス : 10羽
ゾンビ : 10体
スケルトン: 10体
住民
クラリス
クララ
サンスネル
スローン
スインス