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第36話:2体のアンデッドと2体目の真名

兄弟の愛っていいですね。

自分は一人っ子で兄弟がいないから、少し羨ましいです

北郷 視点


役割を全うした幽霊騎士と烏天狗はメインルームに戻ってきていた


「お疲れ様。二人とも」


「タダイマモドリマシタ。ワガアルジ」


「・・・・ただいま」


「よく戻ってきた。大きな怪我はないか?」


「ワレハダイジョウブデゴザイマス」


「・・・少し斬られたけど酷い怪我ではないから大丈夫」


「よかった。幽霊騎士には無茶な頼みをしてしまったから、心配で心配で・・・」


「アリガトウゴザイマス。カズガオオカッタダケデハゴタエハナカッタデスナ」


「・・・私なんか、来たのは5人だけよ?退屈で死にそうだったわ」


「あははは!さすがは幽霊騎士と烏天狗だ。頼りになる」


「さすがだ。ふたりとも」


「アリガトウ。ヒトツキ」


「・・・・ありがと」


「いろいろ話したいこともあるけど、今は休息をとってほしいから、話は明日にするよ」


「ハイ。サスガニツカレマシタノデ、サキニヤスマセテモライマス」


「・・・・私も」


幽霊騎士と烏天狗は体を休めるためメインルームから離れようと動き出した


「あ、ごめん。解散の前に1つだけやりたいことがあるから、ちょっと待って」


「ナンデショウカ?」


「やっぱり、上に立つものとしては、しっかり褒賞を出さないといけないと思うんだ。だから、今回、もっとも頑張った幽霊騎士に褒美をあげようと思う」


「マサカ・・・」


「幽霊騎士、こっちへ」


「ハッ!」


幽霊騎士は俺の目の前まで近づき、片膝をつき忠誠の姿勢をとる


「幽霊騎士、今回は本当に助かった。俺は最高の騎士がいてくれて嬉しい。よってお前に名前を授ける。これからは『ランスロット』と名乗ってくれ」


「ランスロット。ワレノナハ、ランスロット!!!」


「今後も頼りにしているぞ?ランスロット」


「ハッ!!!」


「では解散!!」


ランスロット。

円卓の騎士で好きな騎士の名前だ。

彼なら、円卓のランスロットのように主を裏切ることはないだろう


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日の朝


俺と幹部眷属らは広いボス部屋に集まっていた。

そこには以前は170cm程の背丈だったが、今は180cm程と一回り大きくなったランスロットの姿もあった。

名前を与えたことにより進化したようだ。

そのため背丈もだが、鎧も黒さと光沢が濃くなったような気がする


『マスター、ランスロット様も進化したのでどのくらい強くなっかを確認してみてはいかがでしょうか?』


「そうだな。いいかランスロット?」


「オネガイイタシマス。アルジ」


俺はランスロットの方を見て、スキル『鑑定』を発動した


ランスロット

レベル25

種族:デュラハン亜種

攻撃力:3500

守備力:4550

魔力 :650

スキル:『切味向上』『魔力耐性 上級』『闇魔法強化』『魔王の眷属』

ユニークスキル:『不壊の盾』

魔法 :『闇魔法』『死霊魔法』


どうやらランスロットは幽霊騎士からデュラハンに進化したようたが、ランスロットも亜種になったようだ。

それに進化の影響かレベルが一定数上がったからなのか不明だが、ユニークスキルを会得していた


「イージス、スキルで確認してみたら『不壊の盾』というユニークスキルを所持していたぞ」


『ユニークスキル『不壊の盾』でございますね。では説明を致します。このスキルは、守るべき者が近くにいる場合のみ発動致します。数秒間の間、どんな攻撃も防ぐ鉄壁の盾となるスキルでございます。発動時間はレベルが上がるごとに長くなります』


どんな攻撃からも守るスキルか。

一鬼とランスロットのスキルはまるで矛と盾だ


「アルジ?」


「ああ、ごめん。考え事してた」


自分のプロフィールはスキル『鑑定』を持っている者しか確認することができない。

唯一わかるのは自分がどんなスキルを会得したのかがなんとなくわかる程度らしい。

そのため、俺はランスロットに何に進化したのか、レベルやスキル、ユニークスキルについて全て教えた。

一鬼に置いて行かれたことによるショックを受けていたランスロットにとっては、ユニークスキルを会得できたことに対して凄く喜んでいた


『よかったですね。ランスロット様』


「おめでとうございます」


「アリガトウゴザイマス。イージスサマ、クレイ」


「おめでとう。それでこそおれのライバルだ」


「ヤットオイツイタゾ」


「・・・・おめでと。じゃあ、どのくらい強いか確かめさせて」


「む!ぬけがけは許さんぞ!今回はおれとだ!」


一鬼と烏天狗は、どちらがランスロットと戦うかで揉め初めてしまった


「ストップストップ!ランスロットがどのくらい強くなったか確かめたいのも、腕試ししたいのもわかるが後でだ。今から先延ばしせていた、新しい眷属を召喚する」


「わすれていたが、新しいなかま!ランスロットとも戦いたいが、そいつらとも戦いたいものだ」


「・・・・ちょっと!2体いるのだから、1体は私にやらせなさい!」


「む、しかたがないな」


「ハナシハソレグライデ。アタラシイナカマヲ、ショウカンスルトイウコトハ、キノウノヘイシノシタイヲツカウノデスカ?」


「ああ。昨日、後片付けとしてこのダンジョン内にいるすべての兵士の死体に死霊魔法をかけ、アンデッドにしておいた。ゾンビ250体、スケルトン250体。まったく王国様様だ」


『それでは今回手に入った素材をすべて使うのですか?』


「いや、全部は使わないよ。両方とも10体は残しておきたいからね」


「・・・・話はいいから、さっそく召喚しましょ」


「そうだね。さっそく召喚してみるか」


俺はボス部屋にゾンビとスケルトンを510体呼び寄せた。

広いボス部屋とは言え、500体も居ればかなり窮屈である。


「さすがにゾンビは臭うな。さっさと2体同時に召喚してしまうか。スキル『眷属融合』!!」


この部屋にいるスケルトンとゾンビの足元に巨大な魔法陣が現れ光を放ち始める


「・・・・・眩しい」


魔法陣の光が治ると、510体もいたアンデッドらが消滅しており、代わりに2体の魔物が立っていた。

そこに立っているのは、自身と同じくらいの長さのロングソードを持つ銀の鎧を身に纏ったスケルトンと、2本の細い剣を両手に持つ黒いワンピースを着た黒髪の長い綺麗な女性だった


「おお!!貴方様がわたくしめのマスターですかな??」


予想外に凄い明るいスケルトンだ


「はじめまして。俺は北郷京。君たちのマスターだよ」


「京様ですな!わたくしめはスケルトンナイトリーダー。京様のお好きなようにお呼びください!」


「じゃあ、とりあえずナイトリーダーと呼ぶよ。今日からよろしく」


「よろしくお願いいたします!!」


「さて、君は?」


俺はナイトリーダーと一緒に召喚された髪の長い女性に話しかけた。

すると、その女性はスカートの端をつまみ上げ、お辞儀してきた


「わたくしはバンピールナイト。夜の女王となるべく生まれた吸血の姫ですわ」


・・・中々個性溢れる眷属を召喚してしまったな


「あら?どうしたのかしら?」


「ああ、ごめん。あまりにもあれだったから、呆気にとられてしまったよ」


「わたくしの美しさに魅了されてしまったのね?それなら仕方が無いわね!」


「・・・・マスター。こいつ何かムカつく」


「何かしら貴女?自分が醜いからといって、嫉妬されても困るわ」


その途端、空気が一気に冷たくなった


「・・・・マスター、こいつに礼儀を教えたいから、こいつ借りてもいい?」


「うんいいよ。今の発言はちょっと良くないからね。少しお灸をすえてやってくれ」


「あらマスター。いいのかしら?この醜い女が死んでしまうわよ?」


「無理だね。今の君じゃあ、傷をつけることもできやしない。精々、死なないように頑張ってくれ」


「・・・・大丈夫。死なないように手加減はするつもり」


「・・・・わかったわ。そんなに死にたいなら、殺してあげる!!」


声を上げたバンピールナイトが烏天狗へ斬りかかろうと飛び出した瞬間、バンピールナイトの頭に骨の拳が落ちた


「いたっ!!?」


「京様や先輩方に何という口の利き方ですか!!わきまえなさい!!!」


「だ、だって!」


「だってもなにもありません!!謝りなさい!!」


「・・・・いやっ、わたくし悪くないもん」


そう言って、バンピールナイトは膝を抱えて、俯いてしまった


「わたくしめの妹が大変失礼致しました」


スケルトンナイトリーダーはバンピールナイトの代わりに頭を地面に擦り付け謝罪してくる


「京様。彼女をどうかお許しください。その代わりにどうかわたくしめを罰してください!」


「お兄ちゃん!!?」


「妹は少々、我儘で強情ではございますが、決して悪い子ではないのです。だからどうか・・・」


すると、バンピールナイトがスケルトンナイトリーダーの横に並び、涙を流し、震えながら頭を下げてきた


「ごめんなさい!!わたしが悪かったからどうかお兄ちゃんを傷つけないでください!!わたしからお兄ちゃんを奪わないで!!!」


俺と眷属たちは互いに顔を見合わせた


「顔をあげてくれ」


二人はゆっくりと顔を上げた。

バンピールナイトなんか綺麗な顔立ちをしているのに、涙と鼻水で顔が大変なことになっている


「俺はちゃんと反省してくれればそれでいいから。もう泣かないでくれ。美人が勿体ない」


「で、でも・・・」


バンピールナイトは烏天狗の方を恐る恐る向いた


「・・・・ハア。あんたの顔を見たら、怒りがどっかいったから、今回は許してあげるわ」


「あっ・・・・」


「・・・今回だけだからね?今度、マスターに舐めたことを言ったらタダじゃおかないから」


「・・・うん。ごめんなさい」


「・・・・まったく」


烏天狗はブツブツと文句は言っているが、許してあげたようだ


「ありがとうございます!!」


スケルトンナイトリーダーはもう一度深く頭を下げた


「あ、ありがとうございます!」


慌ててバンピールナイトも頭を下げた


「もう大丈夫だから。服が汚れちゃうからもう立ちな?」


俺は二人に立つよう促した。

立ち上がったバンピールナイトは顔だけでなく、髪もボサボサになって、服も皺だらけになっていた


「・・・・まったく何て格好よ。姫だか女王だか聞いて呆れるわ」


俺が近づくより早く烏天狗がバンピールナイトへ近寄り、手を上げた


「あっ・・・!」


叩かれるのではないかと思い、バンピールナイトは身が強張った


「・・・・女の子なんだから、身だしなみには気をつけなさい?」


「え?」


烏天狗は上げた手で彼女の頬についている涙や砂を優しく払ってあげていた


「・・・・外見は凄く良いんだから、泣かないの」


烏天狗は顔についている汚れを払い終わり、バンピールナイトの頭を撫で始めた。

すると、バンピールナイトは徐々に涙を流し始め、とうとう声を出して泣きだしてしまった


「・・・・まったく。よしよし」


烏天狗は彼女を抱きしめて頭を何度も撫でていた。

バンピールナイトは泣き疲れたのか、少ししてから眠ってしまった


「申し訳ございません」


スケルトンナイトリーダーが烏天狗へ謝った


「・・・・別にいいわよ」


「とりあえず彼女が起きないと話は進まないけど、今は寝かせてやろう。起きるまで各自自由にしてくれ」


それにしてもバンピールナイトのあの様子、どうやら外見と内面の年齢が合っていないようだ。

見た目は20歳ぐらいのレディだが、精神年齢はかなり子供だ
















眷属

一鬼

ランスロット

烏天狗

クレイゴーレム

スケルトンナイトリーダー

バンピールナイト


ゴブリン雄:220体

ゴブリン雌: 70体

スライム :  3匹

闇カラス : 10羽

ゾンビ  : 10体

スケルトン: 10体


住民

クラリス

クララ

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