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第35話:迷宮奥で待つ能面女子

最近暑いし、夜勤で眠くて全然進まない・・・

烏天狗 視点

数十分前


マスターからこの4階層にあるボス部屋を任されたため、まだ誰もいないボス部屋で一人待機していた


「・・・・外がよかったわ」


ボス部屋で兵士が来るのを待っていた私は一人宙を舞いながら文句を言っていた


「・・・・・今度、何かあったら私がメインにしてもらえるようマスターに頼んでみようかしら」


ギィー バタン


このボス部屋の扉は凄く巨大にできており、侵入者が扉の前に辿り着くと、自動で開くようになっている


「・・・・やっと来たわね」


入ってきたのはマスターと同じくらいの年齢の若い兵士、たった一人であった


「ここは・・・?」


若い兵士は私に宙を飛んでいる私に気がついていないようである


「・・・・いらっしゃい、そしてサヨナラ。《風魔法 風弾鉄砲》」


私は兵士に人差し指を向けると、指先に風を圧縮した小さな弾が生まれた


「・・・・・バンッ」


指先にあった小さな風の弾が目にも止まらぬ早さで、兵士の眉間を貫通した


「・・・・呆気ないわね」


兵士がこの部屋に入ってきてから倒れるまで約10秒ほどである


「・・・・次はもう少し強いやつが来てほしいわ」


ギィー バタン


空を舞いながらまた一人寂しく待っていると、三人の兵士が部屋へ足を踏み入れる。

一人は白髪が少し目立つ初老の兵士で、若い二人の兵士とは違う威圧感を放っている


「何だここは?やけに広いな」


「そうですね隊長。ここなら、少しは休息がとれるかもしれません」


「もう疲れましたよ~」


どうやらここまでの道中で疲弊しきっているようだ


「・・・・・別にここで休んでもいいけど、私は攻撃するわよ?」


「「「!?」」」


「何者だ!?どこにいる!?」


「・・・・・上よ」


「空を飛んでいるということは魔鳥か?だがそれにしても変な仮面を着けている」


バン


「なんでしょう今の音?」


若い兵士が隊長と言われる男の方を見ると、隊長らしき男は眉間を撃たれており、既に絶命していた


「「た、隊長!!?」」


「・・・・・次、変な仮面と言ったら許さないわ」


「よくも、よくも隊長を!!」


バン


ギャンギャン喚く五月蝿い兵士の眉間を撃ち抜いた


「・・・・うるさいわよ」


「ひっ!!!」


最後に残された若い兵士は無惨な死体となった仲間を見て、尻餅をついて震えてしまっている


「・・・・静かにしてなさい」


若い兵士は自分の手で声が出ないよう塞ぐが、あまりの恐怖に失禁してしまっていた


「・・・・汚いわね」


私は若い兵士に指先を向けた


「ひっ!!やめっ!!?」


バン


残った若い兵士も眉間を撃たれ絶命した


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1時間後


最後に兵士が来てから、いくら待っていても次の兵士がやってくる気配はない。

暇すぎて飛ぶのも止めてしまっていた


「・・・・・・・・暇」


ギィー バタン


「ここは?」


この部屋に足を踏み入れた者は、中々雰囲気のある髭を蓄えた筋肉のある兵士一人だった


「・・・中々来なくて、危うく眠るところだったわ」


「貴殿は魔物か?それにこの死体は貴殿がやったのか?」


「・・・・そうよ?何か文句でもあるわけ?」


「文句だと?この者らは我が隊の兵、つまり我が家族と同様。貴様、楽に死ねるとは思わぬことだ」


男の威圧感が増す


「・・・へえ、中々強そうね。やっと当たりが来たみたい」


「我はイシュール王国第一騎士団副団長イギン!いざ参る!!」


イギンという男は、腰に差してある剣を抜き放ち突撃してくる


「・・・・・怖い怖い」


私は近寄られる前に空中に逃げようと跳んだ瞬間、イギンは高くジャンプし、私の頭目掛けて剣を振り下ろす


「・・・っ!!」


ぎりぎりの所で後方に避けたが、危なく脳天から斬られる所であった


「ふん!貴様、まだ経験があまりないようだな?あまりにも集中できていない」


「・・・・」


「こんな魔物に殺されるとはまったく情けない」


「・・・・殺す」


「なら、やって見せるがよい」


「・・・・《風魔法 風弾鉄砲》!」


私の人差し指の先に圧縮した風の弾丸を創り、それをイギン目掛け撃ち放った


「甘い!《炎魔法フレイムウォール》!!」


イギンに風の弾丸が当たる寸前、彼の目と鼻の先に炎の壁が生まれ、私が放った風の弾丸を防ぐ。

防がれたのを察知した私はすぐさま炎の壁を越え、イギンの頭上に移動し、魔法を放とうとするがそこにイギンはいなかった


「・・・・・いない?」


一瞬、イギンがいないという事実に固まってしまった。

その瞬間、背後から物音がしたのを聞き取り、その場から急ぎ離れた。

それが功を奏し、私がいた場所に剣を振り下ろしていたイギンが立っていた


「だから言ったであろう?甘いと」


避けきったと思ったが、どうやら避けきれていなかったようで、背中から少し血が流れているのが感じ取れる


「次はその首、貰い受ける!」


その瞬間だった

彼の右手が握っている剣諸共、吹き飛んだ


「ぐあぁぁぁぁぁぁっ!!?」


イギンは血が噴き出ている右手を握りしめ、痛みに耐えているようだ


「・・・・・・・これでおあいこよ?」


私はイギンに手を向けていた


「いったい何をされた・・・」


イギンは残った左手で炎魔法を発動し、吹き飛んだ右手の断面を焼いて止血する


「・・・・さっさと止血しなさい。待っててやるから」


「・・・後悔することになるぞ」


止血を終えたイギンは地面に落ちていた剣を左手で拾い上げ、それを構える


「どうやら俺も油断していたようだが、もう油断はしない。《炎魔法 炎纏剣》」


イギンの握る剣が炎に包まれた


「行くぞ!!」


炎に包まれた剣を構え、イギンは私に近づくため走り出す


「・・・・終わりよ。《風魔法 暴風の大鷲》《風魔法 暴風砲弾》」


私の頭上に、圧縮した風で創られた大鷲がイギンへ襲い掛かり、さらに複数の魔法陣が現れ、その魔法陣の中心から圧縮された風の砲弾の雨がイギンを襲う


「ぐ、うおぉぉぉぉぉ!!!」


イギンは無数の風の砲弾をギリギリで避けるが、風の大鷲は避けること叶わず、イギンに直撃しさらに風の砲弾もまた彼に直撃してしまった。

二つの風魔法の影響でイギンの周りは砂埃が舞ってしまい、姿が見えなくなってしまった


「・・・これで生きてたら褒めてあげるわ」


砂埃が徐々に治ると、ボロボロの姿になったイギンが倒れていたが、驚いたことに彼はまだ息をしていた


「・・・・・あら、まだ生きていたの?凄いわね、まるで害虫並みの生命力」


「き・・さま・・のよう・・な・・・魔物・に・・・まけ・・ると・・は」


イギンは息を吸うのも苦しいだろうが、余程、烏天狗に敗北したのが悔しいようだ


「・・・・あんたは強かった。けど、私の方が強かった。それだけよ」


「・・・ふっ・・敵に・・・褒めら・・れ・るのも・・・悪くない」


「・・・苦しいでしょ?今、楽にしてあげるわ」


「・・・・・す・・・まぬ」


「・・・・《風魔法 風弾鉄砲》」


バンッ


広い部屋に乾いた音が響いた


『烏天狗様、今よろしいでしょうか?』


「・・・イージス様?大丈夫よ」


『まずはダンジョン内の侵入者撃退の役目お疲れ様でございます。ダンジョン内にいる兵士は、今、烏天狗様が倒した兵士で最後でございます』


「・・・・そうなの?250人はいたはずだけど?」


『はい。250人の兵士はほぼ罠によって命を落としました』


「・・・・そうなの。幽霊騎士の方はどうなったの?」


『あちらは250人ほぼ全員倒し切りました』


「・・・ほぼ?何人か逃げられたの?」


『そうですね。ただ、逃げられたというより逃がしたと言った方がよろしいですね』


「・・・・・逃がした?」


『マスターのご命令でございましたので』


「・・・・なるほど。詳しい話は後で聞くとして、私はどうすればいいかしら?戻ってもいいのかしら?」


『少々お待ちください、確認してみます。・・・・・・・お待たせしました。もう戻ってきて大丈夫とのことです』


「・・・・・わかったわ。もう少しここまで到達すると思ってたのに拍子抜けね。逆に暇すぎて疲れたわ」


『心中、お察しいたします』


私は役目から解放されたとわかるとメインルームへ飛んで戻る












眷属

一鬼

幽霊騎士

烏天狗

クレイゴーレム


ゴブリン雄:220体

ゴブリン雌: 70体

スライム :  3匹

闇カラス : 10羽

ゾンビ  : 24体

スケルトン: 10体


住民

クラリス

クララ

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