第24話:『時空』と『風』
やっとダンジョンマスターが物語に出てくるようになりましたが、ダンジョンマスターの名前は、それぞれが司るダンジョンに由来した名前にしました!
『時空』を司るダンジョンマスターとこの仮面の子供は言った。
この仮面の子供の能力からして、テレポート系か時間停止系の魔法を得意とするダンジョンマスターだろう
「もう少しで、僕のマスターが迎いにくるみたいだから、ここで待っていよう?」
「わかった」
「それはそうと、僕の手は繋いでみてどうだったかな?」
「中々、ドキドキした」
「あははっ!!やっぱり変わってるね君!変わってるって言われるでしょ?」
「まあ、よく言われるかな」
「でも、僕も初めて手を繋いだから、少しドキドキしちゃったかな!!」
背が低く、声はまるで少女、手も柔らかく、握り心地が良い手をしていたが、顔は見えないが、こんな事を言われると少し照れてしまい顔が熱い。
なんだかんだ、最初の不安や緊張は無くなり、仮面の子供と仲良く喋っていると、城門がギイと音を立てながら開き、中からモノクルを右目に着けた中年の男が歩いてくる
「我が城へようこそ、109人目のダンジョンマスター君。我が名はオクロック。『時空』を司るダンジョンマスターだ」
「ご丁寧な挨拶痛み入る。私の名は北郷京。異世界から来たダンジョンマスターです」
「ふむ、やはり異世界からの来訪者であったか」
「えぇ、まだこの世界に来て三日、右も左もわからない若輩者です」
「ダンジョンマスターにしては中々の礼節をお持ちのようだ」
「いえいえ、目上の方にはこれが普通ですよ」
「そのような方を外に立たせてしまい申し訳ない。我が城の中へどうぞ」
『時空』を司るダンジョンマスターのオクロック。見た目とは裏腹に今までにない気配を感じ、冷や汗が首を流れ落ちる。
そして、仮面の子供はいつの間にかいなくなっており少しがっかりしたのは内緒だ。
城に入り数分、とても長い廊下を歩いていると、一際大きい扉へと辿り着いた。
扉がひとりでに開くと、沢山の料理が用意された大広間となっており、そこにはオクロック殿の眷属であろう魔物と一人の少女が待ち構えていた
「ちょっと!客人を待たせるなんてどういうことかしら?『時空』のダンジョンマスター?」
「これはこれは申し訳ない。『風』のダンジョンマスター殿」
エメラルドグリーンの髪をした少女は、どうやら『風』を司るダンジョンマスターらしいが、それにしても馬鹿なのか礼節を知らないのか目上の者への礼儀がなっていない
「で?こいつが例の109番目のダンジョンマスター?オークみたいな気持ち悪い顔ね。せっかくの料理が不味くなるわ」
ありがちな台詞だ。
生まれてこの方、色んな人に言われ過ぎて何も感じない
「お初にお目にかかります。私は北郷京。異世界から来たダンジョンマスターです」
「うわっ、オークが礼儀を知っているとか世も末ね。で、こいつを殺せばいいのよね?『時空』のダンジョンマスター」
「それはどういう意味でしょう?」
「これは申し訳ない。説明不足でしたな。今回のパーティーは、君の力試しの為に用意した場。その力試しの相手が此方の序列108位、『風』のダンジョンマスターであるウェンディ。この世界に109番目のダンジョンマスターはいらないと議会で決まったのでね。新人通しで戦ってもらうことにしたのだよ」
「新人?」
「ふむ、君はダンジョンマスターについて、どの程度知っているかな?」
「ダンジョンマスターは108人いて、私で109人目ということぐらいしか」
「そうか、君はこの世界に来て、まだ数日と言っていたな。ダンジョンマスターはこの世界に現在109人いるが、元々は私を含め10人しかいなかっかのだ」
「10人?」
「そう。この世界は10人のダンジョンマスターが支配していた。ある日、序列1位のダンジョンマスターがあまりにも退屈だったため、ダンジョンマスターを98人創ってしまったのだ。それ以降、ダンジョンマスター同士は戦い、世界は戦乱の時代となってしまったのだ。そして厄介な事に、死んだダンジョンマスターを100年に一度、記憶を無くした状態で復活させるといったこともしているのだ。今回も死んだダンジョンマスターを復活させた矢先に、君が異世界からやって来て、ダンジョンマスターとなってしまった。1位は几帳面で、109人いるのは気に入らない。だから君と序列108位のウェンディとの殺し合いをしてもらうことになったのだ」
「わかりやすい説明をありがとうございます。お陰で、ダンジョンマスターが何なのか少しは理解しました。それに散々な態度をとっている、こちらのお嬢ちゃんは序列108位の最弱ダンジョンマスターってこともわかりました」
「は?なにあんた?喧嘩うってんの?」
「あまり喋らない方がいいですよ?学がないってわかってしまう」
「そう。そんなに死にたいの。なら良いわ、殺す!!」
簡単なダンジョンマスターだこと。
少し煽っただけで、苛ついてくれた
「オクロック殿。早速、彼女と戦いたいのですが、どうすれば?」
「うむ。一度、君らはダンジョンへ戻ってもらう。戦いは、ダンジョンを異空間へ転移させ、互いのダンジョンを攻略し合うダンジョン戦。開始は1時間後、それまでに戦いの準備をしておくように」
「わかりました。作戦も考えたいので、一足先にダンジョンに戻らせて頂きます。それに、彼女の馬鹿面を見ていると、こちらまで馬鹿になってしまいそうだ」
オクロック殿に一度別れを告げ、自分のダンジョンへ転移させてもらう間際、『風』のダンジョンマスターのウェンディはまるで般若のような顔で俺を睨んでいた
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ダンジョン メインルーム
『マスター!!ご無事ですか!!!』
オクロック殿の城から戻ってくると、頭の中に今にも泣きそうなイージスの声が響いた
「ただいまイージス。何とか無事に帰ってきたよ」
『いったい何があったのですか?』
「説明するけど時間がない。主要メンバーをここに呼んでくれないか」
『かしこまりました。只今お呼び致します』
イージスが皆を呼んですぐ、ホブゴブリン・リーダー、幽霊騎士、クレイゴーレムはメインルームへ駆けつけた。
そしてオクロック殿の城に行った後の出来事、1時間に『風』を司るダンジョンマスターとの戦いが始まることを告げ、それに向けての作戦会議を始めた
「今回、相手は頭が悪い。それなら、今まで通りのダンジョン階層で良いと思う。それに、新しく罠無しのゾンビとスケルトンが徘徊している階層を1つほど創ってみた。これでいけると思う」
『仮にも相手はダンジョンマスター。油断してはいけません!』
「大丈夫。油断も隙も見せないよ。それに今回、メインはリーダー、お前だ」
「・お・・れ?」
「ああ、ダンジョンマスターの眷属が相手だ。リーダーがやれば、かなりの経験値が貰えるだろう。そしたら、多分だが進化するはず」
「・・しん・か!」
「そうだ。5階層に、迷宮を突破してきた『風』の魔物を倒せるよう広めの空間を用意したから、リーダーにはそこで迷宮を突破してきた魔物を倒してほしいんだ」
「わかっ・・た!!」
「よし。なら先に5階層に行って準備運動をしといてくれ」
リーダー強く頷き、新しく出来た5階層へ走って向かった。
ちなみに現在のダンジョン階層は以下の通り
1階層:普通の迷宮(罠なし・魔物なし)
2階層:低致死率の罠迷宮
3階層:高致死率の罠迷宮
4階層:アンデットの迷宮(罠なし)
5階層:ボス部屋
メインルーム
番外
訓練所
繁殖所
草原
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1時間後
オクロック殿の声がダンジョンに響きわたり、ダンジョンマスター同士の戦いが始まった
眷属
ホブゴブリン・リーダー
幽霊騎士
クレイゴーレム
ゴブリン雄:75匹
ゴブリン雌:20匹
スライム : 3匹
闇カラス :10羽
ゾンビ :20体
スケルトン:10体




