第21話:クララ
村の名前がまったく思い付かなかった・・・
『マスター、闇カラスから報告です。マスターを探している少女が森の中を彷徨っているとのことです。いかがなさいましょうか?』
「俺を探している?」
『闇カラスによれば、少女は西の村の方から歩いてきたそうです』
西の村といえば、狩場を教えてくれた親切な村長がいた村である
「わかった。とりあえず話を聞きに行くか。悪いが闇カラス、少女の場所に案内してくれ。あと、イージスも念のため着いてきてくれないか?」
『もちろんでございます!』
「リーダーと幽霊騎士、クレイは何かあった時のためにここに残ってくれ」
「かしこまりました」
「・・・わかっ・・た」
「リョウカイシタ」
3人にはここの守備を頼み、俺は闇カラスの後を追い俺を探している少女の元へと向かった。
ダンジョンから外へ出ると、もう少しで太陽が沈みそうな時間帯だった。
ほぼ暗くなった森の中で、小学生ぐらいの少女が泣いていた
「グスッ、魔法使い様どこ・・・」
バサバサ
少女の近くの木の枝に闇カラスは止まった
「ひっ!ま、魔物!?」
「俺を探しているのは君かな?」
闇カラスを怯えた様子で観察する少女へ声を掛けた
「へ?あ、魔法使い様!?あっ、魔物!魔物がいます!」
少女は闇カラスへと指を指す
「大丈夫だよ。あいつは俺の仲間だから何もしない。だから安心してくれ」
「そうなの?ですか?」
「普通に喋って大丈夫だよ?話し辛いでしょ?」
「・・・・いいの?」
「うん。話を戻すけど、俺を探しているのは君であってる?」
「はい!わたしクララといいます!」
「クララか。いい名前だね」
「えへへ、ありがとうございます!!」
「俺は京。魔法使い様って柄でもないから名前で呼んで?」
「はい!京さん!」
「う~ん、京お兄ちゃんって呼んでほしいかな」
「わかりました京お兄ちゃん!!」
「ありがとうクララ。本当にありがとう」
俺は妹からは豚、キモオタとしか呼ばれたことがないから、あまりの感動で涙が出てしまった
『・・・・マスター?』
「わっ!?誰?声がした!」
『驚かせてしまい申し訳ごさいませんクララ。私はイージス。マスターを支えている者です』
「イージスは声だけの存在なんだ。恐がらなくていいよ?イージス、クララを恐がらせちゃ駄目だろ?」
『・・・・驚かせてしまったのは申し訳ございませんが、なんか釈然としません』
「え~と、よろしくお願いします!」
『ふふっ、よろしくお願いしますねクララ』
自己紹介をある程度終え、本題へと入った
「じゃあ、本題に入るね。クララは何で俺を探していたの?」
「京お兄ちゃんは凄い魔法使いなんだよね?」
『そうです!マスターは凄い方なのです!!』
「まあ、凄いかどうかあれだけど・・・」
「お母さんを助けてください!!」
クララは涙を流しながらことの説明を始めた
「お母さん、1ヶ月前の山火事で体の左半分火傷しちゃったの!!わたしにはもう痛くない。大丈夫よって言ってるけど、夜な夜なずっと苦しんでいるのわたし知ってるもん!!だから、凄い魔法使い様が村に来たって聞いて、いてもたってもいられずに・・・」
「だから、森の中で俺を探してたのか」
こんなに幼い子が魔獣がいるこの森であてもなく探し回るなんて、いったいどれほど怖かっただろうか
「京お兄ちゃん!何でも言うこと聞くからお願いします!お母さんを助けてください!!」
『・・・・・どうしますかマスター?』
「そんなの決まってるだろ?もう一度あの村に行こう」
「じゃあ!」
「俺の魔法で治せるかわからないけど、見てみよう」
「ありがとうございます京お兄ちゃん!!」
「いいかい?イージス?」
『もちろんです』
「そういえば、あの村って名前か何かあるのか?」
「はい!アルソン村です!」
「そうか。じゃあ、改めてアルソン村に行こう!」
『行くのは良いのてすが、どうやって行くのです?ここからですと、少し距離があるかと』
「それは簡単だよ。《土魔法アースクリエイト》!!」
毎度お馴染みの土魔法。
地面に魔法陣が展開されると、土が音を立てながら盛り上がり始め、馬車の形へと形成された
「すっご~い!!土からお馬さんができた!」
「気に入ってもらえてよかったよ」
『さすがはマスターです。ひとつひとつ模様など綺麗に創られております』
「ありがとうイージス。さあクララ、馬車に乗りな?」
「う、うん!わっ、すごい!!」
「椅子は硬いけど少し我慢してね?」
「うん!!」
そして俺、イージス、クララは土の馬車へ乗り、アルソン村へと向かった
眷属
ホブゴブリン・リーダー
幽霊騎士
クレイゴーレム
ゴブリン雄:50匹
ゴブリン雌:11匹
スライム : 3匹
闇カラス :10羽
ゾンビ :20体
スケルトン:10体