第18話:ライバル
バトルシーンって見るのも、読むのも、書くのも熱くなりますよね
「・ま・すた・・・たの・みが・・ある・」
唐突にリーダーが俺に話しかけてきたが、リーダーからの頼みごとは初めてだ
「どうしたリーダー?」
「おれ・の・・ぶき・を・・てつに・・かえ・て・ほしい。いまの・・だと・ほん・・きだ・・せない」
「今は棍棒を使ってたな?いいよ。重さや大きさは今のと一緒でいいのか?」
「もう・すこ・・し・おも・く。おお・きさ・・も・・おお・きいの・がいい」
確かに、今の棍棒だとリーダーが少しでも本気を出せば壊れてしまうだろう。
俺の鉄魔法はら、砂鉄を集めてリーダーの本気に耐えうる武器を創ることができるはずだ
「了解。《鉄魔法アームドクリエイト》!」
手を前に突き出すと小さい魔法陣が現れ、そこへ砂鉄が集まり、それが丸みがあり、刺々がついた金棒の形となった
「すまないな?魔法だとこれぐらいのものしか創れないんだ」
やはり魔法で創った武器と、職人が造った武器ではかなりの差がある。
やはり眷属には武器造りの専門家がほしい所だ
「だい・じょうぶ・・だ・・あり・が・・とう」
リーダーは金棒を軽々と手に取り振って見せる。
素振りを数回した後、リーダーは幽霊騎士へ話しかけた
「・・ゆう・れい・・きし・・・たのみ・・がある」
「・・ム?ナンダ?」
「・・・おれ・と・たた・・かって・ほしい・・・たの・む」
「・・ウム、ワレデヨイノカ?」
「あ・・あ・・・たの・む」
「ワレデイイナラ、ヨロコンデ、オアイテシヨウ」
「ありが・・とう・・・たす・・かる」
どうやらこの2人はバトルジャンキーのようでリーダーなんかもの凄い笑顔だ
「わかった。場所は広い方がいいだろうから、草原エリアに移動するか」
『よろしいのですかマスター?』
「ん?止める理由はないよ。それにライバルがいれば自ずと強くなるだろうから、こちらとしてもありがたい。それに、2人がどんな戦い方をするのか見てみたいのもあるな」
『かしこまりました。マスターが良いのでしたら、私も止めはしません』
「それにこれは殺し合いじゃないんだから過保護になる必要はないよ。わかったね?2人とも!殺し合いは無しだ!」
「・・だい・じょうぶ・・・だ・」
「ワカッテオリマス」
「まあ、いざという時は俺が止めるから安心しときな。さて、さっさと草原エリアに移動しようか」
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草原エリア
「2人とも準備は大丈夫か?」
「だい・・じょう・ぶ」
「ワレモ」
「よし!じゃあ、ルールは簡単。相手に負けを認めさせる。もしくは気絶させたほうが勝ちだ」
ホブゴブリン・リーダーと幽霊騎士は互いに頷き、距離をとり、武器を構えた。
ホブゴブリン・リーダーの武器は、腰ぐらいまである金棒
幽霊騎士は右手に生きているときからの愛用の剣と左手に腰ぐらいまである盾を持っていた
「それじゃあ、はじめ!!」
開始の合図が出たと同時にリーダーは突進していき、幽霊騎士へと向かい飛んだ。
リーダーは金棒を振り下ろすが、幽霊騎士は盾で防ぐ。
そしてリーダーが着地する前に幽霊騎士が右に一閃するが、ギリギリの所でリーダーは着地し後方へ飛び退き剣を避けた
「ツギハコチラカラダ!」
「・・・こい」
幽霊騎士はリーダーに向かって盾を構えた状態で走り出す、いわゆるシールドチャージと言われる技だ。
リーダーはそれを避けることはせず、真正面から盾へと体当たりをした
「ッ!?」
体当たりを受けた幽霊騎士は後方へ吹き飛んだ。
追い打ちをかけるようにリーダーは幽霊騎士を追いかけ、吹き飛ばされ天を仰ぐ幽霊騎士へ金棒を力を込め振り下す。
幽霊騎士は盾や剣で防ぐことはできず、体を捻り横へ避けたが、それを読んでいたリーダーは金棒が地に着く前に体を回転させ、金棒を左へ振り直した。
幽霊騎士はどうにか直撃を避けることはできたが、盾で防ぐも衝撃を流すことができず、またもや吹き飛んでしまった。
次はかなりの衝撃だったためか、地面をえぐりながら転がっていく
『2人とも凄いですね』
「そうですね。リーダーはあのパワー、幽霊騎士はリーダーの攻撃を受け流しています」
『それは幽霊騎士が有利ということでしょうか?』
「いえ、どちらが勝つかはまだわかりません。マスターはどのようにお考えですか?」
「そうだな、どちらが勝つかはまだわからんが、リーダーを見てくれ。あいつ、幽霊騎士相手に右手しか使っていないぞ?」
「!?」
『!?』
「あれはあえてなのか。それとも左手が使えない状態なのか、どうなるかな?」
俺、イージス、クレイは2人の戦いを観戦していると、リーダーが賭けに出たのか、最初のように幽霊騎士に向かって飛び掛かり、金棒を両手で握りしめ、幽霊騎士へ打ち下ろそうとしていた
「・・!?あれはヤバい!幽霊騎士!受けるなっ避けろ!!」
俺は何となくだが、これはヤバいと思いすぐさま幽霊騎士へ叫んだ。
幽霊騎士は最初、盾で防ごうとしていたが、何かを感じとったのか後方に飛び退いた
ドゴンッ!!!
金棒を振り下ろされ、地面に直撃すると、まるで隕石が落ちたかのようなクレーターを作り出した。
幽霊騎士は避けてはいたが、衝撃波を間近で受け動けずにいた
「そこまで!!」
これは終わりだなと思い、終了の合図を出した。
「すま・・な・い!やり・すぎ・・た!」
「・・・・フフ・フハハハハハ!!」
「!?」
「イヤ、スマナイ!アマリノショウゲキニワラッテシマッタ!!スゴイデハナイカ!!コレホドノイリョクダトハオモハナカッタゾ?」
「・・す・まない」
「セメテルノデハナイ!ホメテイルノダ!!コンナキョウシャニデアエルトハ、シンダカイガアッタ!!」
「あり・・が・とう」
「リーダーヨ、ワレハモットツヨクナル。トキドキデイイカラアイテヲシテクレ!」
「おれ・で・いいなら・・よろこ・・・んで」
2人は熱い握手を交わしていた。
これがライバルかいいものを見れた。
なんだかんだで、2人の戦いを見て俺もテンションが上がってしまった
「お疲れ様。休憩したら、次は俺とだな?2人同時でいいぞ?」
『マ、マスターいったい何を!!』
「さきの戦いでテンション上がってしまってな。二人ともダメか?」
「・・・ぜひ」
「ゼヒトモ」
「じゃあ、1時間後この草原エリアでやるか。それまで休憩な!!」
『マスター!!!』
俺はイージスの静止を振り切り、1時間後まで草原エリアを離れた
眷属
ホブゴブリン・リーダー:1体
幽霊騎士:1体
クレイゴーレム:1体
ゴブリン雄:50匹
ゴブリン雌:11匹
スライム : 3匹
闇カラス :10羽
ゾンビ :20体
スケルトン:10体