第14話:美味しいレッドボア
本当は食事のシーンも書いてみたかったのですが、自分は料理をまったくしない人間なんで、今回は食事はスキップしました。
食事シーンもかけるようになりたいものです
北郷 視点
村から出発して早数時間
俺とゾンビ剣士はやっとの思いで、村長から教えてもらった滝や川がある狩場へと辿り着いた
「・・・・・やっと滝がある狩り場まで来れた」
ゾンビ剣士の歩幅に合わせていたら夕方になっていた。
それに村長から友好の印として頂いたアイテムバッグを貰ったことにより、道中にあった果物や食用キノコ、薬草など採集していたのも、時間が掛かった要因である。
でもまさか、薬草などを入れる籠を貰おうと村長に頼んだらアイテムバッグを貰えるとは思わない
「にしても、中々綺麗な場所だな?水が透き通っていて魚もたくさん泳いでいる。清々しい気分だ。マイナスイオンがたくさん出ている証拠かな」
ゴォゴォとかなりの水量の水が滝壺へと落ち込んでいた。
予想ではもっと小さくチョロチョロぐらいかと思っていたが、日本だと三大瀑布の袋田の滝に似ているレベルの水量だ
「今日はここで野宿だな。さすがに夜の森は危ない」
野宿なんて久しぶりだ。
昔、何もかも嫌になって、一人で山に行ったことがある。
その時に会った人に火の起こし方など山での野宿の知識をたくさん教えてもらった為、すぐに火を起こすことが出来た
「・・・まったく少しは休ませて欲しいかな」
森からガサガサと音を立てている存在に気がつき立ち上がると、音がする方向から高さ約3mぐらいの巨大な赤い猪が現れた
「これは中々の上物、食べ応えがありそうだ。あいつらもきっと喜ぶはず。それに今日はたくさん歩いたから腹が減ったしナイスタイミングだ!!」
俺の中には、恐怖心は一切なく、食欲のみがあった。
こっちの世界に来て、まだ果物しか食べていない、肉が大好きな俺には魅惑の生き物だった
「さあ、どこからでもかかって来な!この豚野郎」
レッドボアが挑発に乗ったかはわからんが突進してくる。
3mの巨大の突進は中々な迫力がある。
俺は土魔法か樹木魔法で防ごうとした瞬間、ゾンビ剣士が俺を守ろうと、俺を突き飛ばした
「ゾンビ剣士!?」
俺を庇ったゾンビ剣士は、代わりにレッドボアの突進を受けて、後方の木々を薙ぎ倒しながら、吹っ飛んだ。
レッドボアは俺に狙いを定めているのか、一度停止しゆっくりと方向転換して、再び俺に突進してくる
「豚野郎が、よくもゾンビ剣士をやったな。これでもくらいな!」
俺は土に手をあてながら
「《土魔法アースクリエイト》!!」
レッドボアの足元に黄色の魔法陣が現れ、そこに大きな穴を創り出した。
そしてレッドボアはそのままその大穴へと落ちていった。
その大穴を覗くと、レッドボアの巨体を土で創られた大きな杭は口から尻までしっかりと貫通していた
「よし、しっかり死んでいるな。《土魔法アースクリエイト》」
再度同じ魔法を使い、今度は逆に隆起させることでレッドボアを目の前へと運んだ
「この魔法は応用がしやすいな。ほぼ動かずに殺せたぞ。それはそうと、さっさと解体して夕食にでもするかな」
腹ペコで死にそうだ。
早くこの豚を食べたいのだが、重要なことを忘れていた
「・・・ナイフ無いわ。どうやって解体しよう」
悩んでいると、レッドボアに突進され吹き飛んでいたゾンビ剣士が戻ってきていた
「あ、ゾンビ剣士無事だったか?ちょうどいいから、その剣貸してくれ。ナイフが無くて困ってたんだ」
ナイフとは少し勝手は違うが、無いよりはマシだ。
借りた剣を焚き火の火で滅菌してからレッドボアを解体する
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約1時間後
「ごちそうさまでした!中々美味い猪肉だった」
今までジビエ料理はたくさん食べてきたが、こんな美味いジビエ肉は初めてだ。
噛む度に肉から大量の肉汁が滴り落ち、ジビエ特有の臭みもない、かなり食べやすく美味い肉だった。
この肉ならダンジョンで待っているあいつらも喜ぶに違いない。
余ったレッドボアの肉を村長から頂いたアイテムバッグへと入れる
「明日はお前の村に行って死体を回収しないとな・・」
ゾンビ剣士へと伝えるがあまり反応はない。
まあ、反応しようがなかろうが、眷属を増やすためこいつの村の村人全員アンデッドにするのは決定事項だ。
そうと決まれば、明日に備えてさっさと寝てしまおう。
今回は雑魚寝ではなく《土魔法アースクリエイト》を使用し簡易な豆腐ハウスとベッドを創ってから眠った
眷属
ゴブリン雄 :40匹
ゴブリン雌 :10匹
スライム : 3匹
闇カラス :10羽
クレイゴーレム: 1体
ゾンビ剣士 : 1人




