第123話:ランスロットvsリリス
「ナンダ、コノカンショクハ?」
首を切り落とした、リリスの体は霞へとなり霧散した
「野蛮な殿方は嫌われるわよ?」
声は聞こえるが、リリス本人が見当たらない
「マホウカ」
「そうよ?貴方たちがこの部屋に入る前に発動しておいたの。私の霧魔法は誰にも見破れないわ」
「キリマホウ・・」
我は魔剣を構えつつ、リリスを探す
「ランスロットさん!霧魔法は霞を色んな形に作って惑わす、幻影を得意とする魔法だよ!本当に霧みたいになってるわけじゃないからね!」
「マボロシカ。ナラバ、コレハドウダ?《闇魔法 闇月》」
我は魔剣に魔力を流し、辺り一面に黒い三日月型の魔力を放つ
「うふふ、どこを狙っているのかしら?」
我は声がする右方向へと魔法を放つ
「うふふ、そっちじゃないわよ?」
声がする方向が左へと変わり、再度、魔法を放つ
「こっちよ?」
次は後方
すぐさま後方を向き直した
「違うわ、こっちよ」
またも右方向から声が響く
「そっちじゃないわよ?」
左方向から声が響く
いや、全方向からリリスの声が響く
「コレハ・・・」
「あらあら、どうしたの?私はこっちよ?」
「!!?」
我の背後から声が聞こえ、急ぎ体を回し、剣を薙ぎ払うが、そこにもリリスはいない
「うふふ、魔法放ってこないの?私を斬るには魔法を使わないと無理よ?」
「・・・・」
「隙ありよ!《淫魔法ハートショット》!!」
我が動けずにいると、魔法を放つためリリスが姿を表した
「ソコカ」
我はすぐさまリリスが現れた真上へ視線を向け、リリスへ斬りかかるため大きくジャンプし、リリスを突き刺した
「・・・うふふ、はずれ」
魔剣が刺さっているリリスはケラケラ笑いながら、霞へと変わった
「こっちが本命よ。《淫魔法メロメロビーム》」
真下を見ると、姿を現したリリスは、両手でハートの型を作り、そこからピンク色の光線が我へと放たれる
「クッ!」
我はすぐさま体勢を変え、魔剣『トリックスター』を前に構え、光線を防ぎながら落下する。
何分光線が続いたかわからないが、リリスは疲れたのか光線を放つのを止めた
「ハアハア・・・ちょっと、なんなのよその剣」
どうやらリリスは、我に魔法を放つのは無意味だと気がついたようだ
「キガツイタカ」
「気がつくわよ!その剣で、魔法を防ぐたびにどんどん魔力が上がっているじゃない!!」
「コノケンノナハ、マケン『トリックスター』」
「魔剣・・・」
「ソノノウリョクハ、マホウヲマリョクニカエル、トイウモノダ」
「な、なによそれ・・・」
「オマエノオカゲデ、マリョクガタマッタ」
「くっ!《霧魔法 幻霧》!」
またもや、リリスは姿を消す
しかし
「モウオソイ!」
我は魔剣『トリックスター』を地面に突き刺した
「《闇魔法 漆黒の沼》」
地面に刺した剣から床一面に闇が広がる
「何をしても無駄よ!」
姿は見えないがリリスの声が聞こえる。
その声からは焦りが感じられる
「《闇魔法 漆黒の狂刃》!!」
床一面に広がる闇の中から無数の黒き刀剣の刃が生えた
「反則・・じゃ・ない」
リリスの声がする方向へ視線を向けると、何もない場所からリリスが姿を現す。
その姿は、体のあちこちを無惨にも狂刃に貫かれ、血まみれになっていた。
「オワリダ」
言葉と共に狂刃が消えると、リリスは地面へと倒れ、塵となり消滅した




