第115話:東風vs1万の軍勢
ホウゾウイン視点
赤き扉をくぐった先は『魔』を司るダンジョンの入り口である。
しかし、約1千の軍勢が拠点を作るには木々が邪魔だ
「皆のもの！まずは拠点を作る！刀持ちの者は邪魔な木を伐採せよ！！それ以外の者は、入口からの攻撃に注意しつつ待機！！」
我の号令と共に、刀を持つ兵達は木々を伐採し始めた。
普通、木の伐採は斧でやるものだが、生憎我らの中に斧を持つ者はいない。
ならば、切れ味のよい業物の刀を持つ兵達に伐採させるのが得策だ
ひゅー
「この音は何だ？」
どこかから風を切るような音が響き渡る
「まさか！」
我は急いでダンジョン入り口へと視線を向けた
「弓兵！！ダンジョン内から何か来るぞ！構えろ！！！」
弓兵に指示を出すが、弓兵が構える前に、入口から何かが凄い速さで飛び出し上空へと舞い上がった
「あの女は・・・」
飛び出してきた者は、黒い翼を持つ能面を頭の左側面に付けていた女。
そして、『魔』のダンジョンマスターの側に立っていた女だ
「・・・・《風魔法 暴虐の嵐》」
女は手を前に出すと、地面に緑色の魔法陣が現れ、そこから雲に届く程の竜巻が発生した
「皆のもの！何かに掴まれ！風は強いが、掴まれっていれば何ともない！！」
我の号令と共に、兵らは木や切り株にしがみつく。
我はというと、名槍「鎌十字」を地面に突き刺し、飛ばされないようにする
「・・・この魔法は時間経過でどんどん大きく、暴風になるわよ？」
竜巻を観察すると、女の言う通り徐々に竜巻が大きくなっており、さらに風も強くなっている。
弓兵らはパニックになっているのか、指示を出していないのに、女に対して矢を放った
「馬鹿者！矢を放つな！！！」
女へと放った矢は、徐々に大きくなる竜巻に吸い込まれてしまった
「ホウゾウイン様！どうすれば！！」
「少し待て！」
我は少し考え、名槍「鎌十字」を構え、木へと突いた。
我が得意とする連続突き
瞬く間に木は音を立て折れた。
我は空気抵抗を無くすため、枝を根こそぎ叩き折った。
そして、丸太のようになった木を持ち上げ、あの女へと投げた。
重量がある物なら、あの竜巻には飲まれまい
「・・・・そんな物が当たると思っているの？それとも、それしかやる選択肢がないからなのかしら？」
「ぐ・・・」
図星だ
我らは魔法攻撃に弱い。
これならタメトモを連れてくればよかったと今更だが後悔している
「ホウゾウイン様！！！」
「少し黙っていろ！！！！！」
「・・・・まさか誰も魔法を使えないの？」
「・・・・」
「・・・・・どうでもいいけど、早く何とかしないと全滅するわよ？」
女の言う通りだ
早くあの竜巻を何とかしなければ全滅してしまう。
最初は細い竜巻だったはずが、今ではかなり太くなってしまった。
現に、木や切り株にしがみついている者で、身体が浮き始めている者もいる
「・・・ほら、またお仲間が竜巻に飲まれたわよ？」
「くっ、一か八かだ！」
我は竜巻に飲まれないよう、さらに女に見られないよう巨大化した竜巻に身を隠しつつ、素早くダンジョンがある岩山へ走り、その斜面を駆け上がる。
幸い、あの女は斜面に近い位置にいる。
運が良ければ不意をつけれる
「・・・・あら？あの坊主はどこに行ったのかしら？まさか竜巻に飲まれちゃった？」
良し
あの女は我を見失っている。
そのおかげで、我は斜面駆け上がり、あの女の横に気づかれずに移動できた。
「隙あり！」
我は強く斜面を蹴り、我が槍で突き刺すため女の元へ近づく
「・・・・ないわよ隙なんて」
「っ！！！？」
まさか動きが読まれていた！？
「・・・・《風魔法 風神の羽ばたき》」
いつのまにか女はこちらを向いていた。
そして力強く黒い翼を羽ばたかせた。
その直後、物凄い衝撃が我へ襲いかかった
「がっ！！！？」
気がついたら壁にめり込んでいた。
身体中が痛く動かない、多分だが身体中の骨が折れているのだろう。
臓腑も傷ついているのか、口から血が大量に出ている。
1万の軍勢も、なす術なく周りの木々と共に竜巻に飲まれたか。
「・・・・これまでか」
ムラマサ様、先に逝くことお許しください
「あとは頼んだぞ、タメトモ」
眷族
一鬼
ランスロット
東風
クラウン
紅
クレイゴーレム
スケルトンナイトリーダー
バンピールナイト
犬神
鬼・ランサー
鬼・アーチャー
鬼・アサシン
鬼・キャスター
コーカサスオオカブト
魂喰い
剣
ユキ
ゴブリン雄：２２２０体（＋４００）
ゴブリン雌：５２０体（＋６０）
スライム ： ３匹
闇カラス ： １０羽
スケルトン： １０体
化け猫 ： １０体
妖狐 ： １０体
魔狼 ： ２体
ハニービー： １０体
住民
クラリス
クララ
サンスネル
スローン
スインス
アリソン
イヴァンナ
メア
ニア
シルフィー
ローズ
所有金額
９９０８万４千７００シュール
所有貨幣
石貨 ：０枚
銅貨 ：５００枚
銀貨 ：４７枚
大銀貨： ５枚
金貨 ：７８枚
大金貨： ３枚
白銀貨： ８枚
白金貨： ９枚
