第93話:歓迎会へ
「肝心な話は今からだ」
オクロック殿が言った
「要点は簡単。もしデウスに何かされたら僕らに言って欲しいんだ。彼の相手は僕らが一番妥当だからね」
オクロック殿に続いてレオニダス殿が言った
「お二人が相手するほどの者なのですね?」
「ああ。奴は好かんが、実力は我らと同等だ。なら、奴の相手は我らが引き受けるが・・・」
「君には『装』を相手してもらう予定だよ」
「確か剣のダンジョンマスターだった・・」
「そうだ。『装』は奴と仲がよい。奴が動けば『装』も動く。我らは奴の相手でいっぱいとなるであろうから、『装』はお主に相手してもらう」
「わかりました。どうせいつか通る道、『装』は自分に任せて頂きます」
「ふっ、お主にクラウンを託してよかった」
「さて、僕らはもう行くよ。用は済んだしね」
「もう行かれるのですか?今からこの二人の歓迎会なんですがご一緒にどうですか?」
「嬉しいお誘いだが今回は遠慮させて頂くよ」
「私も今回は遠慮しておく」
「そうですか。ではまたいつでもいらしてください」
「あ、言っておく事があったの忘れてた!」
「なんです?レオニダス殿?」
俺はレオニダス殿に尋ねると、レオニダス殿が真剣な表情になった
「『淫』が動き出したよ」
「!?ちょっと!かなり大事な事じゃないですか!そんな大事な事、忘れないでくださいよ!!」
「いやぁ、ごめんごめん。そんな訳で頑張ってね。彼からその内連絡が来ると思うから」
「その内ですか?」
「うん!あ、『淫』と闘うときは女性眷属は連れて行かない方がいいよ」
「まあ、それに関しては考えておりますので、大丈夫ですよ。ただアドバイスありがとうございます」
「君にはここで負けてもらっては困るからね。まあ、君なら大丈夫だろう」
「ありがとうございます」
「じゃあ、僕は行くよ。またね!」
レオニダス殿は話を終わらせて一瞬の内に消えた
「・・・」
「・・まあ、レオニダスもだが、私もお主には期待しているからな、こんな場所で消えるでないぞ」
「まあ気張らずに頑張りますよ」
「ふっ、では私も帰るとするか。お主達」
オクロック殿は急に俺の背後にいる剣とユキへ目線を移した
「この男は信用できる。安心して暮らすのだな」
「そんなことわかっている」
「では失礼するよ」
そういうとオクロック殿は音も出さずにその場から消えた
「一時はどうなるかと思いました」
オクロック殿が消えるや否や、サンスネルらが声を発した
「そうだな。死ぬかと思ったわ」
「京殿も無理をなされる。あのお二方にあのような態度をとるんですもの冷や汗をかきましたよ」
サンスネルは冷や汗を腕で拭った
「そうだが、サンスネル。少しは慣れておけよ?いつあのレベルの敵と戦うかわからんのだから、いざとなって動けませんでしたじゃあ駄目だぞ?」
「!そ、そうですね・・・申し訳ありません」
「剣に最高の魔剣を貰ったんだ、強くなれよ?運が良いことにこのダンジョンには練習台が何人もいるんだからな」
俺は一鬼やランスロットを思い浮かべた
「はい!」
「ちなみにお前たちがいなかった間、住民が増えてな、その中に元S級冒険者がいるんだ。そいつにも稽古つけてもらいな」
「S級冒険者ですか!?それは会うのが楽しみです!」
「あと、クララと同年代ぐらいの女の子もいる。奴隷だった子たちだから護るべき存在が増えたぞ」
「そう・・ですか。それではもっと強くならないといけませんね」
「ああ、強くなれよサンスネル」
「はい」
「さて、歓迎会に行くか。主役が遅れては駄目だからな」
「それはいいが、どうやって行くんだ?」
「簡単だよ。着いてきて」
そう言って俺は滝へと歩き出した
その後ろを剣らがついてくる
「この裏だよ」
俺は滝の裏へと入っていく
そこには洞窟ほど深くはないが、少し広い空間が広がっていた
「この場所に魔法陣を置いているから、この魔法陣に乗れば別な階層に行けるよ」
「わかった」
俺は全員が魔法陣に乗ったのを確認した
「移動するときは、魔法陣に乗る。そのあと選択肢が出るから、そこから好きな場所を選んで行く」
「選択肢?」
「ああ。移動用魔法陣ならどの階層にも飛べるようにしているんだ」
「便利だな」
「ダンジョン内に街を創ろうって考えているんだから、これぐらいはするよ」
「ダンジョン内に街を?」
「面白そうだろ」
「もの好きだな」
「そうか?さて、おしゃべりもしていたいが、そろそろ行かないとな。準備はいいか?」
「大丈夫だ」
剣の返答を聞き、草原エリアを選んだ
そして魔法陣は光り、俺らを包んだ
ーーーーーーーーーー
光りが収まると、先程までいた森の中とは打って変わり、見渡す限りの草原である
草原には数は少ないが家がいくつかあり、俺らはそこへ歩き出した
「着いたぞ。ここが街を創る予定の場所だよ。今は人も建物も少ないから村みたいなもんだがな」
「中々良い場所だ」
「そうですね、剣様。風が気持ちいいです」
「・・・」
「どうした?」
「・・・いや、ユキがまったく口を開かないから、てっきり」
「そうだな、ユキは無口でな。あまり喋らないんだ」
「無口ですが何か?」
「い、いや・・・すまん。そ、それよりみんな!おまたせ連れてきたよ!!」
そういうと村の中からクレイが出迎えてくれた
「お待ちしておりました」
「悪いなクレイ、待たせた」
俺が謝ると
「いえ、イージス様から事の顛末は伺っておりますので、皆にも伝えております」
「そうか。イージスありがとう」
『いえ、当たり前の事をしただけでございますので』
「よし。剣、ユキ、みんなに紹介するから行くぞ!」
そう言って村へと入っていった
眷族
一鬼
ランスロット
東風
クラウン
紅
クレイゴーレム
スケルトンナイトリーダー
バンピールナイト
犬神
鬼・ランサー
鬼・アーチャー
鬼・アサシン
鬼・キャスター
コーカサスオオカブト
魂喰い
剣
ユキ
ゴブリン雄:1180体(+200)
ゴブリン雌:360体(+80)
スライム : 3匹
闇カラス : 10羽
スケルトン: 10体
化け猫 : 10体
妖狐 : 10体
魔狼 : 2体
ハニービー: 10体
住民
クラリス
クララ
サンスネル
スローン
スインス
アリソン
イヴァンナ
メア
ニア
シルフィー
ローズ
所有金額
9913万4千700シュール
所有貨幣
石貨 :0枚
銅貨 :500枚
銀貨 :47枚
大銀貨: 5枚
金貨 :83枚
大金貨: 3枚
白銀貨: 8枚
白金貨: 9枚