ことのはじまり
「不合格、ですか」
「うん」
しょーもない理由で死んで、ダメ元で受けた天使採用試験。
得を積んでない自覚はあったので、そう言われたときもさほど驚きはなかった。いや、残念ではあったけれど。
「そしたら、えっと、転生、ですか?」
「あ、ちょっと待って」
ここでこの自我ともおさらばか、と思ったとき、天使採用試験管理室のお姉さんが、わたしを留める。
「実は、補欠合格なんだよね」
「んんん?」
落ちるより意外なことを言われて、目をまたたく。
「補欠、て?」
「いや、天使になってそんな経たずに、思ってたのと違ったってギブアップする奴が多くて。で、そう言うときの補欠要因として、何人か指定されるときがあるんだよ。で、きみもそのひとりに選ばれた、ってわけ」
「それは、どう言う……」
意味がわからなくて訊ねれば、お姉さんはへらりと笑って教えてくれた。
「要は新しい試験が間に合わないような急な脱落者が出れば天使になれるってこと。記憶を消さないまま転生して、もし欠員が出たら即死んで貰うことになる」
「そのときの生がどんなに良いものでも?」
「そうだね。ぶっちゃけ生きもの一体で出来ることなんかタカが知れてるからさ、天使の業務が回らないことの方が問題になる」
なかなか、無慈悲な答えだった。
「もちろん、あくまで権利をあげるだけだから現時点なら辞退も良いよ。でも、いざ転生してからやっぱり嫌は駄目」
「まあ、そうでしょうね」
「あーあと、転生先が動物とは限らないよ?」
「植物もあり得る、と?それ、下手すると気が狂うんじゃ……」
「んー、そうはなりにくい子が選ばれてはいるけどね。まあ、辞退する子が多いよ。リスクを取ってまで、自我を保ちたいかどうかだよね」
自我を保つ、ねぇ。
巧く転生出来れば、いわゆる転生チートものみたいにはなりそうだけど。
「そうですね、じゃあ、補欠にして下さい」
なんとなく、良いかと思って、わたしは補欠を受け入れた。
その結果が、
『動物とは限らないとは聞いてたけど、これはないわ!!』
無機物(?)だとは、思ってなかったけれど。
拙いお話をお読み頂きありがとうございます
続きもお読み頂けると嬉しいです
なお、天使や採用試験については
気にせずさらっと流して下さい
どうしても気になる場合は採用試験に関してのみ
同作者の
『こちら、天界総務部人事課天使採用試験管理室です』
と言う作品の0話でざくっと雑に説明されております(ダイマ)




