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異世界の闇軍師  作者: まさな
第九章 料理の魔術士

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第十一話 太古の森

2016/10/4 誤字修正。

 アレだ。うん、俺は何も聞かなかった。

 そういうことにしてしまおう。


 だって、西はスレイダーン領に近いもんね。

 我らが王国ミッドランドとは戦争をこの間やったばかりだし、下手に近づいて刺激しても良くないでしょ?


 大人の判断だ。


 決して、決して、不穏なモンスターの気配を第六感で感じ取ったからではないのだ。


「ソーデスカー。やー残念だな、国境付近はちょっとマズいので」


「そうかえ。ま、それはワシが決める事じゃないからねえ。ふぉえっふぉえっ」


 俺の臆病さを見抜いたか、ジーナ大ババ様がおかしそうに笑う。


「じゃ、お邪魔しました」


「ああ、いつでも相談においで。この老いぼれの知恵で良ければ、いくらでも貸すさね」


「はい」


 外に出る。


「ユーイチ様」


「む、何だ、ケイン」


「もし、ご許可頂けるなら、我々でその大木を伐採してきましょうか?」


「ええっ? い、いやいや、待て待て待て。国境付近だって言ったでしょ。それは軽々しく判断できる事では無いし、オホン、事は慎重を要するのだよ」


「もちろん、偵察も出して、慎重にやりますよ。何もスレイダーン側に攻め込もうというのでは無いんですから、平気でしょう」


 ううん、いや、しかしね、ケイン達が行くとなると、大木の運搬にゴーレム部隊も必要でしょ?

 魔術チーム以外はロドル(大トカゲ)くらいしか運搬手段が無いんだから。

 ロドルでは大木が運べるかどうかは微妙だ。彼らは力持ちだけどね。ゴーレムには及ばない。


 む、なら、俺以外の魔術チームの誰かが、付いていけばいいんじゃね?


 いや、でもなあ。なーんか、嫌な予感がするのよ。


 だって、この世界の街は、モンスターのいないところへ設置されるのが普通だからね。

 だから、街から離れた怪しい場所、特に巨木が生えてるような原生林って、もう俺のおっかないよレーダーがビンビン反応してるのよ。


 父さん、恐怖です! みたいな。


「それでは、ティーナお嬢様にお話ししてみてはどうでしょう」


「あー、ダメダメ! あんなのに話してみろ、速攻で伐採部隊を組織しちゃうじゃないか」


「ええ? 私には国境に近づくのがそれほど危険だとは思えないのですが」


 ああ、ケインと俺にはちょっと齟齬があるね。いや、俺が変にごまかそうとしたのが良くなかったんだけども。


「ケイン、大木を切ると良くないことが起きるとか、そんな鬱蒼とした森にはモンスターが出るとか、聞いたことない?」


「え? ああ、森にはそれは、モンスターはいるでしょうね。でも、大ババ様が危険だと仰らないのでしたら、やはりこの近く、大したモンスターはいないのでは?」


「ふむ…ううん?」


 あれ? じゃあ、なんで俺、こんなにビクビクしてたんだろう。


「分かった。ティーナに相談してみよう。それでダメなら、ケイン、キッパリ諦めてくれよ?」


「ええ、それは分かってますよ。自分も、無双しようとか思ってないですし、はは」


 俺がティーナに、事ある毎に無双だ無双だと言って無鉄砲さを咎めていたので、その言葉が出たらしい。


 その日の夕食後に相談すると…


「分かったわ。伐採しに行きましょう」


 即断だった。


「ティーナ、それはスレイダーンとの関係を考えた上で、領主としての発言なんだろうな?」


 確認を取る。


「む。少数の部隊なら、向こうも文句は言わないはずよ」


「ユーイチはどうせ、モンスターが怖いだけでしょ。時々、冒険に出ていないと、腕や勘が鈍るわ」


 などと、リサが大きく賛成に傾かせてくれるし。


「もちろんだとも。んん? 腕が鈍るって、レベルダウンもあるの?」


 そこが気になった。


「ん、総合レベルはエナジードレイン以外では下がらないはず。ただし、総合能力値の方は使ってないと下がる」


 ミオが聞き捨てならないことを言い出す。


「ええ? マジか…それ、二度と戻らないのか?」


「そんな事は無い。使えば、前にレベルを上げたときよりずっと早く戻る」


 しかし、そうなると、戦闘も時々やっておかないと、いざと言うとき、困りそうだな…。

 この世界、街にもモンスターの大軍が攻めてきたりと、完全に安全な場所って、無さそうな感じだし。


「むう……」


 俺が沈黙したのを見てティーナが明るく言う。


「じゃ、決定ね!」





 翌朝、俺の知らぬ間に段取りが取られたようで、騎士団とミオのゴーレム軍団、そして各々の村の男衆と木こりも集められていた。もちろん大工のヴァネッサもいる。鍛冶屋のミミやその飼いドラゴンのアクア、クーボのマリアンヌが付いて来てるのが気になるが、まあいいか。


「ティーナ様、揃いました」


「よし、出発!」


 有無を言わさず出発である。


「クロ、人間は大自然の驚異には無力なんだ。決して踏み入れてはいけない領域があるんだよ?」


 そんな利いた風な話をしたくなる。


「はあ、今から行く太古の森のことでは無いですよね?」


「んー、それは誰にも分からない」


「ちょっと、そこ! 隊の士気にも関わるんだから、おかしなこと言わない」


 リサが耳聡く俺の妨害工作を察知してるし。


「だいたい、アンタの村の長老がその森に木が有るって言ったんでしょ?」


「そうだが…」


「なら、問題は無いわ。問題があれば、その時に注意するでしょうし」


「そうだな」


 ならば、人為的な脅威を感じ取れば良い。


「ティーナ、スレイダーンの偵察はしっかりやってるんだろうな?」


「もちろんよ。その辺はリックスに任せてあるし、彼なら大丈夫」


 侯爵の腹心みたいな騎士だもんな。まともそうな感じだし、ティーナが全幅の信頼を置くのも理解できるが。


「左前方、ゴブリン一匹!」


 ミネアの声が聞こえ、モンスターがいたようだ。

 ここは余計な事を考えずに、周囲に気を配っておいた方が良いだろう。肝心のモンスターの方は、騎士団の兵士達があっという間に片付けてしまって、俺達の出番は無かった。


「ふむ、これなら安全だな」


 言う。


「でも、腕が鈍りそう。次! 見つけたら、私がやるから手を出さないで!」


 ティーナが言うが、周りも止める奴がいないし。


「おやめ下され、お館様、万が一があってはどうするのですじゃ」


「ユーイチ、そういう時だけ家臣のフリするの止めてね? 本物の家臣なら、体を張ってでもお館様を守るものよね?」


「お、おう。ティーナは強いからな。俺より強いから全然平気だ」


「ユーイチはいつも言ってることが無茶苦茶ニャー」


 くっ、お前に言われたくは無いぞ、リム。


 しばらく森を進んでいると、明らかにこちら側と違う原生林が素顔を見せた。

 直径三メートルはあろうかという、やたら大きな木々が、俺達を無言で見下ろしている。樹齢千年くらいだろうか? こんなの切っていいのかね? たくさんあるけどさ。

 その間隔は広くなっており、枝の生えている部分も高くなっているため、なんだかこちらは小人になった気分だ。

 日の差し込みが少ないため、辺りはやや薄暗い。鬱蒼と言うよりは幽静か。


 太古の森だ。


「おお…」


 一同も思わず声を漏らす。


「ここからは気を引き締めていきましょう」


 ティーナが言い、俺も杖を握る手に力が入る。

 そんなに強いモンスターはいないという話だったが、なんと言うかね、雰囲気がね。


「むっ! 何か来る!」


 リサがそう鋭い声で報せた直後、前方にいた騎士が空中を吹っ飛ばされるのが見えた。


 え?


「ビッグボアよ!」


 あれ? おっかしいな、強いモンスターはいないって…。

 だが、考えている暇は無い。すぐさま戦闘態勢に入る。

 俺の位置からではまだモンスターが見えない。分析(アナライズ)したいんだがな。


 持続時間が長いステータス呪文は出発前に唱えてあるので、バリアとコンセントレーターを唱え、防御力と命中率を上げておく。


「ブギィイイ!」


「止めろ!」


「うおあっ!」


「くっ、力が有るぞ! 油断するな、うわあっ!」


 ちょっとちょっと。兵士さん達、吹っ飛びすぎでしょ。


「ティーナ、レベルの低い兵士は下がらせろ!」


 言う。


「そうね、私達に任せて、兵は下がりなさい!」


「しかし、お館様にこんなモンスターを、うおわっ!」


「だから…命令よ! 兵士は下がれ!」


 ティーナが毅然と叫ぶ。ようやく前にいた兵士達が下がり始めた。


「ブギーィイイ!」


 ようやく魔物(モンスター)の姿が見えたが………。

 高さ三メートル、幅二メートルはあろうかという黒いイノシシだった。

 通常よりデカいし、威圧感も半端ない。

 一メートル近い大きな牙が下から上に反り返っており、アレに刺されたらタダじゃ済まない感じだ。

 ビッグモンスターシリーズも、こういう元がヤバいモンスターだとしゃれにならんな。


「ほう…デカいな。これは楽しめそうだ」


 などとレーネが余裕ぶってるが、レーネに怖い物は無いのかね?


「ニャニャ、アレは止めるの、難しそうニャー」


 前衛の一番大事なお仕事は、敵の足止め(ブロック)だぞと、いつも口を酸っぱくして言っていたので、リムが止める気でいるようだ。


「リム、アレは無理だ。避けて行け」


「了解ニャ!」

  

 ミオがフラッシュの呪文を唱えたが、効いたかどうかは不明。

 エリカとクロが電撃の呪文を唱えて命中させたが、怯んだ様子が無い。


 ビッグボアはそのままの速度で直進してこちらに向かって来ている。


 今にも逃げ出したい気分になるが、まだ少し距離がある。

 なので俺は、ここで分析(アナライズ)を無詠唱で使う。



 ビッグボア Lv 46 HP 14171/14193


【弱点】 窒息、即死

【耐性】 特になし

【状態】 興奮

【解説】 大きなイノシシ。

     通常の獣のそれと違い、性格は凶暴。

     アクティブで人間のみを襲う。

     大きな体躯に似合わず機敏で力も有る。

     突進からの牙による突き上げは脅威。

     鼻が犬並に利く。



 んー、微妙。

 確かに強い。強いが、今の俺達とこの人数なら、行けるんじゃね?

 いやしかし…。



「よし、大丈夫そうね」


 ティーナが言う。

 しまった、共有ウインドウで可視状態にしてあったわ。

 迂闊(うかつ)


「か、回避重視で! 突進には気を付けろ!」


 仕方ないのでそれだけは言っておく。


「了解!」


 それと、もう一つ懸念が…。


「我を恐れよ。命脈を絶ち、闇に沈め。血よ凍れ、息を止めよ、デス!」


 ううん。やはりと言おうか、弱点に即死があるのを見つけて、エリカが死の呪文を唱え始めるし。

 まあ、普通に失敗。


「エリカ! 相手はボス級、即死呪文は無効化されてるかもしれないぞ」


 言う。


「でも、それならちゃんと即死が耐性に出るでしょ」


「いや、ううん…」


 この世界の仕様は俺も大体は解ってきているのだが、完璧に把握しているわけでも無い。

 俺のアナライザーさんがどこまで信用できるか。

 多分大丈夫とは思うのだが、自分の分からない物に命を預けるのは間違いだ。


 仕方ない。エリカを戦闘中に説得するのは諦めて、戦力からは外しておこう。


 それよりも、すでに十数メートルまで迫ってきたので、俺もエリカも逃げないと。

 エリカがまだ死の呪文を唱えているので、手を引っ張る。


「ちょ、ちょっと、触らないでよ」


「そんなコト言ってる場合か!」


「任せて! ほら、こっちよ!」


 ティーナが横からイノシシに斬りかかり、注意を脇に逸らそうと試みる。


「ブギーィイイ!」


 ダメージは40そこそこでイノシシにとってはかすり傷程度だろうが、それでも腹が立ったか、足を滑らせながらも方向転換してティーナに襲いかかろうとする。


「次はこっちニャ!」


 そこをリムが横から追撃。だが、今度は反応せず、ティーナを追いかけ回す。


「ティーナ、こっちへ」


 いつの間にか木の上に昇っていたリサが、はしご状のロープを垂らしている。


「分かった!」


 飛び上がってそれを掴むティーナ。

 上に昇ってしまえば、短足のイノシシは木を昇ることも出来ず、攻撃できない。

 お? 魔法チームは木の上から攻撃しまくりではないですか!

 無敵!


 だが、俺がそう勝利を確信したのも束の間。


「あっ!」


「きゃっ! うぐっ!」


 イノシシが上に跳躍してティーナを鼻で突き飛ばした。  


「ティーナッ!」


 牙で刺されたんじゃないかと気が気でなかったが、足から綺麗に着地したティーナ。ダメージは有るものの、まずい怪我はしていないようだ。


「大丈夫よ。でも、あんなに跳ぶなんて」


「ごめん、ティーナ、私が甘かった」


 リサが渋い顔で謝る。視線はモンスターから離していない。


「んーん、いいよ」


「さ、治療しますから、こっちへ。細いウエストで助かりましたね。うふふ」


 クレアがティーナに駆け寄ってヒールを掛ける。


「そうね」


 肩をすくめるティーナ。


 ビッグボアの方と言えば、今はレーネを追いかけ回している。


「ほれほれ、こっちだ、遅いぞイノシシ!」


 いや、そんな無駄に挑発しなくても。


「ん、行け、ゴーレム」


 ミオが連れてきた内の二体のゴーレムに命じてブロックさせるが。

 ぼこぉっと、土壁を破るかのようにゴーレムを半壊させて突っ切るイノシシ。


「ミオ、あいつらのレベルは?」


「ん、20。30でも多分、止められる気がしない」


 だろうなあ。

 ミオが過去に作った最強のエンシェント・クレイ・ゴーレムなら余裕で止められると思うが、もう無いし。


 ゴーレムで止められないとなると、薄い一枚アースウォールではとても無理だ。

 幅を相当に分厚くして土手のようにしないと。だが、あいつ、飛び越えてきそうだよなあ。

 アイスウォールにしても同じ。

 うえ、今まで頼りにしてきたウォール系が使えないとなると、厳しい。


 だがその間も、前衛チームはヒット&アウェイを繰り返し、危なげなく安定している。

 ダメージは行っていないが、そこはアタッカー、俺たち魔術チームの仕事だろう。

 ミネアとリサの斥候チームは飛び道具で注意を逸らし、陽動をやっている。


 クロはひたすら電撃呪文。いいね、クロ。そうやって地道に与えていれば、確実だ。

 最大MPは200以上あるので、50回は中級の電撃呪文(ライトニング)を当てられる。

 ダメージが50くらい出ているので、合計すれば2500。俺とクロとミオで、7500…げげ、エリカを入れてフル稼働でも4000近くダメージが足りないや。


 どうしろと…。

 前衛もリムがクリーンヒットを出せれば70くらい行くが、全体的にちょっと相手の防御力が高いようで、あんまりダメージが行かない。

 平均が50とすると、80回ヒットか。無理という数字では無いが、回避優先だと長引きそうだ。


「ニャ! おっと!」


 ビッグボアが急旋回してヒヤリとしたが、リムが持ち前の反射神経で躱した。

 とは言え、アレを食らったら、即死もあり得るぞ。

 長期戦は避けた方が良い。


 ふむ、ならば、ここは知恵でカバーするしか無いな。


 俺達の攻撃ダメージが足りないなら、他からダメージを持ってくればいいじゃない。

 もちろん、兵士達や村人は使わない。

 兵士はともかく、村人は非戦闘員だからな。割とレベルやHPが高めだけど、そこはきっちりしておく。


「マナよ、ぬめりとなりて敵の手足を滑らせよ! スリップ!」


 俺を鍛えようとする魔の剣士共から逃れようと、必死に開発したこの呪文だ。機敏な奴ほど効果が出るぜ?


「ブギーィイイ!」


 方向転換して馬力に物を言わせてドリフト気味だったイノシシが、完全に足を滑らせ、思い切り地面を滑っていく。

 その先には、巨木。


「よし、ヒットぉ!」


 別に当たらなくても良かったのだが、木に腹から激突するイノシシ。

 おう、623のダメージが出たね。イカす!


 すぐさまスリップを解除し、また加速させる。

 そして、方向転換の瞬間を狙ってスリップ。


 ドシーン!


 大樹を揺らすほどの衝撃があったが、755のダメージ。

 フッ、勝ったな。


 まーたスリップを解除。


 しかし―――異変が起きた。


「むっ? なっ!」


 イノシシがまた加速し始めたと思った瞬間、急に動きが止まって崩れ落ちた。

 茶色い煙が出るとあっという間に姿が消え、ゴルフボール大の魔石だけが残る。


「フッ、勝ったわね」


 ぬお…エリカが六度目のデスの呪文を成功させやがった!

 何だよ、普通に効いちゃうのね。

 まあ、弱点属性なのにその回数を要したからには、準ボスクラスの大物に間違いないだろう。

 それとも、このリアル世界、ボスでもデスは有りなのか?


 気になる…。


「ニャ? 凄いダメージが行ったけど、何ニャ?」


「やるわね、エリカ!」


「ん、珍しくラストキル」


「やるじゃないか!」


「やるなあ」


「凄いです」


 みんなが驚いたり称賛する。


「ふっ、当然。そこでモンスターを滑らせていただけの人族とは出来が違うもの」


 エリカが自慢げに俺を見る。

 チッ、俺の格好良い見せ場を横取りしやがって。

 あのままでも倒せたのに。


 まあ、みんな無事ならそれでいいや。

 吹っ飛んでいた兵士もクレアが回復してくれたようだし。

 なので俺も素直に褒めておく。


「良くやった、エリカ」


「む、むう、アンタに褒められても、嬉しくない…」


 そう言ってるが、俺の反応に戸惑ったのか、いつものキレが無いぞ、エリカ。


「ご無事で何より。しかし、こんなに実力差があるとは…むう、何のための護衛なのか」


 ケインが自分たちの役割に自信を失ってしまったようだが。


「ケイン、俺達だって寝込みや油断しているところを襲われたらひとたまりも無い。後ろに目があるわけでも無いからな」


「あっ、そうですね! 分かりました。次からは自分がユーイチ様の後ろの目となりましょう」


 おいおい、カッコイイこと言ってくれるじゃん。ちょっと俺の方がなんか照れるし。


「ああ、頼んだ」


「む。次は寝込みを襲ってやるんだから」


 ボソッと聞き捨てならないことを言うエリカ。軽ーいブラックジョークだよね?

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