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Trillion of Labyrinth 一生懸命癒やします!  作者: 魚介貌
第2話【】
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三匹娘のデコレーションタイム④

 現実には寝ているのに仮想の世界でも寝る。VR環境の経験はあっても、体感する加速された時間環境は始めての経験である。だがモエ達3人が“別の世界で暮らし始めた”とハッキリ感じたのは、現実では体験した事の無い、異常に豪華で豪勢で柔らかい、天蓋付きの巨大ベッドに身体が沈むのを実感した時である。


 マリアの親戚という職人プレイヤー〈ジョージ〉は、同時に桁外れのゲーム富豪でもあるようで、『売り物だ』との注釈は付くが、見るもの触れるもの食べるものと、どれを取っても一級品である。


「もうもう、冒険とかどうでもイイカラここでグータラしたい……」


 早速堕落した発言をかますモエであった。

 ついでに言えば、『Trillion of Labyrinth』を始めたのは冒険のためでは無く、受験勉強のためである。

 既に初心すら忘却している有り様である。


 ただ、装備類や寝具は飛び向けた物だが、それが置かれた場所は無骨な倉庫の中である。屋根と壁の境には明かり取り用の窓が設けてあるが、あまり長期間の生活に使いたいとは思えないのが少女等全員の感想だ。


「おじ様ぁ~の伝言ですよう。『オレが帰るまでに装備一式選んどけ。もしまだ裸同然で騒いでたら素っ裸で放り出てしやる』ですって~」


 伝言内容にもだが、無駄にそっくりの口調なのが気になるモエとミュラ。たまにこのような特技を出すので、マリアの話し方はどれが本当なのだろうと悩む事がある2人だ。


 だがその疑問は、取りあえず棚上げに。なにせジョージには一度本当に剥かれたわけであり、次、また剥かれる事は無い……とは到底おもえないからだ。

 であるので、今度は真面目に。そもそも装備の仕様から考えていく3人であった。


 先ずモエが自分の状態を確認してみると。




【キャラネーム】モエ

【種族】ワラビット(小型有袋類系獣人)

【ジョブ】神術師(プリトン):Lv5

【職能】総合測量士(フリーマッパー):Lv3

    災難吸引士(トラブルメイカー):Lv1

【所属】〈東日本魔王商工会〉(866)∈〈テトラペッツ〉(01)


【アバタースキル】(一覧)

 ┣【アクティブ】

 ┃ ・尻尾無双(Lv1)

 ┣【パッシブ】

 ┃ ・複々武装装備可能

 ┃ ・エクストラハイテンション(Lv1)

 ┗【オプション】

   ・人害補填(新人キャンペーン):Lv-MAX

   ・〈テトラペッツ〉(所属):階級/代表

   ・〈東日本魔王商工会〉(準所属):階級/家畜


【ジョブスキル】(一覧)

 ┣【アクティブ】

 ┃ ・神さま助けて(必殺技):Lv2(接・遠)

 ┃ ・ヒール(魔法):Lv10(接・遠)

 ┃ ・ディ-ポイズン(魔法):Lv4(接・遠)〈毒〉〈麻痺〉

 ┃                〈視界剥奪〉〈衰弱〉

 ┃ ・ディ-モーブ(魔法):Lv4(接・遠)〈スロウ〉〈バインディ〉

 ┃               〈混乱〉〈狂乱〉

 ┃ ・晶盾(魔法):Lv7(自)〈D減+35〉

 ┣【パッシブ】

 ┃ ・信仰:Lv4

 ┃ ・献身:Lv10

 ┃ ・影走り:Lv7

 ┃ ・軽業:Lv7

 ┃ ・晶肌:Lv7

 ┃ ・頑強:Lv6(D減+60)

 ┃ ・感覚変換(痛覚→性感):Lv8

 ┗【オプション】

   ・習得経験値5倍(グレード特典):Lv-50制限(1stジョブ)


【装備】(一覧)

 ┣【武器(主)】-未装備-

 ┣【武器(副)】-未装備-

 ┃

 ┣【防具】┳【頭】-未装備-

 ┃    ┣【胴】-未装備-

 ┃    ┣【腕】-未装備-

 ┃    ┣【腰】-未装備-

 ┃    ┣【脚】-未装備-

 ┃    ┗【背】-未装備-

 ┃

 ┗【装飾】┳【首】-未装備-

      ┣【Bn-Tp】蠱惑のブラジャー(紫)

      ┣【Bn-Bt】蠱惑のTバック(紫)

      ┗【Bn-Le】蠱惑の柄網タイツ(紫)


【状態】→範囲異常状態発動中

 ・〈贖罪の首枷/東日本魔王商工会〉の効果により、

  アバター使用への制限機能が発生中。

 ・〈蠱惑シリーズ/コンプリート〉の効果により、

  範囲内の異性対象へのバーサーク誘発フィールドをLv3で発生中。




 色々と問い質したい部分がかるが、先ずは〈装飾〉というカテゴリーである。

 モエの場合、首に聖職者らしいシンボルのネックレスをしていて、その効果がジョブスキルに数値の追加をしていた記憶がある。

 というよりも、装飾装備にはそんな効果がある程度の認識であった。


 が、現状は新たな装備部位が発生し、しかも怪しい機能が発動している状況だ。


「マリアー、難しい。解説うぅ」


 モエの隣では、同じように自分のステータスを見ていたミュラが早々に思考放棄。確実に答えが得られるだろうマリアへと丸投げしていた。


「え~とぉ?」


 【Bn-○○】は“ボーナス”の略であり、続く“○○”は部位の略である。〈Tp〉はトップス、〈Bt〉はボトム、〈Le〉はレッグスを示す物と、マリアがヘルプから内容を引っ張ってきた。

 その内容によれば、未成年プレイヤーやハラスメント設定で裸体解禁をしていない者は、無装備状態になった場合は〈下着〉(インナー)を着用した状態で表示される。そのインナーは、基本的には下着というより“トレーニングウェア”に近い。種族によっては“ブーメラン”や“マイクロビキニ”な際どさがあるが、『見せてもOK』扱いの解釈な物だ。設定上は無装備なので、ステータスに関係する事は全く無い。


 だが〈Bn-〉が付く装飾を装備状態にすると、前述と同じ状況で武具装備を外してもインナーの代わりに“着ている状態”として表示される。同時に何か付加機能があれば、その効果も発現する事となる。

 モエ達が着たランジェリーの効果は中々アレな内容だが、一般で普通に買える物は戦闘に役立つ物機能付きが……一応の常識である。


 因みに、〈蠱惑シリーズ〉の具体的な効果とは、半径5m以内の異性、つまりモエ達の場合は男性に対して、理性的思考を阻害するバーサーク誘発効果の状態異常魔法攻撃を0.5秒毎に自動実行している。攻撃なので、効果のレジスト率に関係無くモエ達へのヘイトが発生し、それはプレイヤーやNPC、魔物の区別無く累積させる。

 つまり、常時誰かに“襲われ待ち”という状態となる機能が付加されたジョーク装備なのだといえる。過激なランジェリーというデザインからして、どのようなシチュエーションで使う装備なのかは、分からない者はいないであろう。


「「「取りあえず“脱ごう”!」」」


 見た目の好みで選んだ物がトンデモナイ代物と分かり焦る3人。

 余談だが、現在のモエ達はジョージが勝手に施した再設定で、未成年プレイヤーの基本設定は全て外されている。なのでランジェリーの装備を解除して捨てた後は当然のすっぽんぽんとなる。

 それを設定変更で済ませて着衣状態にする事に気づく余裕が無く、取りあえず、危険が無さそう物を代わりに選び着直していたのは御愛嬌であろう。

 見た目がベビードールと変化したのも、再選択にほんの少しデザインの好みが反映したかもしれないが、まあ、そこもまた御愛嬌である。


 以降、やっと防具関係の選択となるのだが。

 最初はテキパキと、自分達のジョブに関連した性能やイメージ的な物が選ばれる。ジョージの店の商品は条件検索が可能なので、希望内容を入力すれば、ほぼそのとおりの装備が用意されるからだ。装備の着用にレベル制限がかかり、純粋な希望にはそぐわないものの、昨日の騒ぎは何だったのかというテンポで、あっさりと揃ってしまったのである。


 ただ、それがある意味、少女等の新たな不幸の始まりとも……言えた。


「……オレは選び終わってなかったら、素っ裸で放り出すと言っといた筈だかな?」


「「「ちゃんと選んだもん!!」」」


 外出したジョージが帰還してみれば、着てるランジェリーが変わった以外は相変わらず裸同然の格好……という状況である。


 実のところ、希望の装備を選び終わってからジョージが帰るまで、体感では二時間程経過した。その間、十代の子供に何もせず待て、というのも無理な話だ。

 眼前にはカタログチェックだけで数日は使うような衣装の数々。着ることに制限の無い物を選んでも、まだ膨大と言っていい量とのる。

 更に、前日は下着選びだけで終わってしまった残念感。


 再び、俄かファッションショーとなるのも、しょうがないわけである。


 更に更に。つい気に入った衣装を自分のストレージにキープなどして、最初に選んだ装備が何だったかを忘れた……なんて事も、十代の小娘的にしょうがない事……とも言えるだろう。


 中年オヤジの癇癪が落ちるかどうかは、別にして。



さて、1ヶ月以上間が空いてました。スミマセン。

ですがですが、微妙に理由は有りますのですます。


それはケヘケヘと空咳が抜けないまんまで二週間程経った日。いい加減チマチマとでも続きを……、と思って手に取ったスマホの異変です。


『おや、イオン臭?』


最初は気のせいかと思いつつ、今やメインの執筆ツールと化してるズルトラさんで打ち込んでたら──


『何か、キー打ちがブレる?』


熱暴走かしらん? それともキャッシュ溢れ? もしくは保護フィルムの劣化?

そんな疑問が色々と過ぎったので、軽く拭き洗いをと保護カバーを外したら。


発売当時、世界一薄いと謳っていたエクスペリアのズルトラさんが妙に“厚い”!


それはまるで茹でられた貝の如く。

中央が盛り上がって膨らみ、ボディに接着してあるカバーが弾けて四方のスミから分解寸前という有り様。

なんとまあ、バッテリーが膨らんで機体全体を歪ませていたのでした。

バッテリーの膨張は裏面カバーが外れただけに止まらず、液晶の面も膨張の煽りを受けてて、凸レンズのようになってる始末。

これじゃタッチ面で異常が出るのも当然です。


「ぎゃあっ、こりゃ一刻の猶予もねぇ!」


と叫んで台換え機交換の連絡をつけましたともさ。交換代は3000円+税。まあ、妥当でしょう。

機種交換も考えましたが、まだ2年契約まで半年残ってるしい。しかも新機種出そうな寸前ですし。で自重しました。


後はお分かりでしょう。


現在、色んなデータのサルベージ中でございます。


トホホぅ。



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