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【一攫千金?】 宮古島移住生活 -南の島のネットショップ屋さん-  作者: 神道タケル
第1章:旅立ちと出会い
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4.衝撃的な出会い

 美しい海に囲まれた島に船は到着した。宮古島上陸の瞬間だ。


「ほなっ、ここでお別れや。宮古島はええとこやで。楽しみや若者よ」


 ぐっさんは、なんかあったら電話しいと、電話番号を書いた紙をくれた。


「ぐっさん、ありがとう!あっ、ぐっさんはどこにとまって……」


「ここはせっまい島やからどっかで会うかもなぁ。2週間くらいはおる予定やさかい。ほななっ」


 宮古島の事をいろいろ聞こうと思ったが、港に停まっていたタクシーに早々に乗り込みあっさりとした別れとなった。

 迷惑もかけてしまったし、これ以上時間をとらせちゃ悪いと思い、笑顔で手を振った。

 ありがとうぐっさん、また会えるといいな。


 さて…、まずは宿を探すか。


 港には、様々な看板がでている。


-ホテルアイランド 1泊5000円 

-ダイビングのことならおまかせ!サザンダイブ

-レンタカーは宮古レンタカーで!


 など、宿からレンタカー、アクティビティーからあらゆるものがあった。

 中には「求む若い力」といったような求人の看板もあった。


 ゲストハウスの看板も沢山あり、その中で一番安いとこを探した。


【 ハッピーゲストハウス 1泊素泊まり 1500円 】


 ほう…、またこの感じか。1泊1500円。

 また、強制労働施設のタコ部屋のようなとこかもしれないな。

 いいじゃないか、どんとこい。


 那覇の1泊980円のゲストハウスでたくましくなっていた。


 港に併設されていた定食屋で、宮古そばなる、白いちゃんぽんのようなソバで腹ごしらえし、早速タクシーでそのハッピーゲストハウスに向かった。


 タクシーで向かう途中、どこからでも常にエメラルドグリーン色した美しい海が見える。


「あぁ、キレイだな…、やっと辿りついたぜこんちくしょう」


 広大なサトウキビ畑を抜け、赤瓦屋根の古民家が立ち並ぶ集落の中に入って行った。

 しばらくすると、サトウキビ畑とサトウキビ畑の間に「ハッピーゲストハウス」と書いてある古民家に到着した。


 看板がある以外は、その辺にあるお家とまったく同じ作りの古民家だ。

 那覇にあったゲストハウスとはうってかわって、THE沖縄という雰囲気をかもしだしている。


 玄関であるであろう、外から中が丸見えの、横にガラガラガラーと開けるタイプの扉を開けた。


「こんにちはー すいません、今日空いてますか?」


「ああ、いらっしゃい! 1泊素泊まり1500円。お金は帰るときでええでー」


 これまた関西人である。扇風機の風に吹かれながらしゃべったので、ええでーが宇宙人のように聞こえた。

 ゲストハウスのオーナーは関西人のおねえさんでハキハキとした人だった。

 和子やから、カズって呼んでなーっと、ニッコリ笑顔が素敵な人だ。


「ええか、この部屋の右側が女で、左側が男やからな」


 衝撃的なシステムだった。

 玄関を開けると、大き目の部屋が2つ横並びに繋がっており、真ん中をフスマで閉めることで2部屋に分けていた。

 その分けた部屋の右側が女部屋で、左側が男部屋ということだ。

 広さは各10畳くらいあり、四隅にふとんが畳んで置いてあるだけで、畳以外他にはなにもなかった。


 幸いにも今日は男の客は、俺1人だけで、男部屋は貸し切りだ。

 女部屋には女の子が1人泊まっているようで、男部屋に荷物を降ろしたとき、隣の部屋にかわいい女の子がいたので自己紹介をした。


 ちなみに隣の部屋といっても夜以外は仕切りのフスマを開けており、同じ部屋といっても過言ではない。


「初めまして、神谷タケルです。タケルって呼んでください、よろしくです!」


「どうもっ!柊ナギサだよ。ここにはねー、3カ月くらいお世話になってるからなんでも聞いて。よろしくね!」


 ナギサちゃんは、俺より少し年下の24歳。

 小麦色に焼けた肌が、健康的でとてもキラキラ輝いて見えた。

 ノースリーブのミニのワンピースが良く似合っている。


 ここがお風呂で、ここがトイレ、ここがキッチンだよという調子で、教えてくれた。

 すべて、男女共用だ。

 一通り説明を受け、カズさんにお茶を出して貰い3人でおしゃべりをした。


「いや~、実はキレイな海が見たくて那覇に行ったんだけど、これが池みたいな海で……それで、宿にいた人にいろいろ聞いたら宮古島がいいよって言われて今日着いたんですよー」


「ああ~、那覇の海はあかんでー。ナギサ、タケル君に宮古の海見せてやり」


「ヘイ、わっかりましたぁ~!タケル、今から宮古でいっちばーんキレイな海みせてあげるから」


 あぁ、なんて話が早いんだ。

 着いて早々、宮古の海を案内してもらえることになったのだ。


 カズさんに「大物獲ってきいや~」っと、シュノーケルセットや魚を獲る為のモリを貸してもらった。


 ハッピーゲストには無料のレンタサイクルがあり、その自転車で行けるとのことだ。

 早速荷物を自転車のカゴに入れ、モリを片手に出発となった。


 宮古島について、まだほんの数時間。

 子供の時に感じた、懐かしい夏休みの冒険のようにワクワクしていた…


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