19.どげんかせんといかん
PPC広告のおかげか、ネットショップでの注文も少しずつ入るようになり、売上も順調に伸びて行ったが、当初の計画、数千万円には到底届きそうになかった。
(ま、1年目だしこんなもんだろう、順調順調~)
今日も朝から、ひたすらお客さんとのメールのやりとりをしていた。
「ちょっとタケル!きてきて、テレビテレビ!」
リビングで休憩していた、ナギサちゃんがテレビを見ながら慌てた様子で呼びに来た。、
テレビには、見なれたマンゴーが映っていた。
「どげんかせんといかん!」
おでこがキラリと光る、禿げかかった県知事が、マンゴーのおいしさをひたすらアピールしており、それを食べた芸能人達が「こんな旨いの初めて食べた!」と絶賛している。
「あぁ~、この人お笑いから県知事になって、最近がんばってるよね!」
「このマンゴー、太陽の果実ってブランド名付けて、高値で取引されてるってよ。いい宣伝じゃない?」
「ああ、なるほど!産地違うけどコレみたらマンゴー食べたくなっちゃうよね」
テレビに映ってるマンゴーは、2玉化粧箱に入っており、真っ赤でキズもなくキレイだったが、うちで出してる訳有マンゴーとそんなに差があるとは思えなかった。
そもそも皮を剥けば中身や味にはそんなに大差ないだろう。
そんな中、事務所の電話が鳴った。
「はい、こちらハッピー通販です。…、はい…、はい…、マンゴー売ってますよ。…え?なんでこんなに安いのかですって?」
さっきのテレビを見てマンゴーを食べたくなったお客さんが、ネットで調べてうちに電話してきたようだった。
その値段の差から、あんまりにも安いので産地など不安になったと言う。
「ご安心ください。産地は宮古島で、宮崎と同じ品種のマンゴーです。キズがあったり訳有ですので安く販売しております」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
テレビでマンゴーが紹介されてから、事態は急変した。
ネットショップでの注文が爆発的に増えたのだ。
新規のお客さんだけでなく、一度頼んでくれたお客さんからも、お中元用にと何件もリピート注文が入った。
上地さんのマンゴーだけじゃ足りなくなり、上地さんに紹介してもらったマンゴー農家の平良さんからも訳有マンゴーを仕入れるようになっていた。
平良さんのハウスは、上地さんのハウスに比べ、小さいビニールハウスだったが樹の数は同じくらいあり、やはりこの訳有マンゴーの売り先を探してるようで話はすぐにまとまった。
注文が増えて、2人だけでは作業が間に合わなくなりカズさんにも夜遅くまで手伝ってもらった。
「なぁ、タケル。毎日めちゃめちゃ発送しとるけどどんくらい儲かっとるんや?」
「あぁ、そうですね…、単純に売上だけみたら500万円超えてますね」
「……… ウハウハやな」
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オープンから10日目までの売上
ネットショップ 820キロ
オークション 230キロ
売上 計 5,250,000円
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