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【一攫千金?】 宮古島移住生活 -南の島のネットショップ屋さん-  作者: 神道タケル
第1章:旅立ちと出会い
11/26

11.ティダマンゴー農園へ行く

 翌日、宮古島は久々の雨で、ナギサと2人、宿でトランプをしていた。


「今日はダメね、海には行けないわね。なんかおもしろいことコトないの?」


「おもしろいこと?うーんどうだろう。UNOでも買いに行く?」


 はたして宮古島にUNOは売ってるのだろうかと考えていたとき、ふっと名案が閃いた


「そうだ、ナギサちゃん!マンゴー農園見に行って見ようよ!」


「いいわねー、億プレイヤーの顔を見に行こうじゃない」


 即決だった。地図で場所を確かめ、近い事を確認して、歩いて向かった。

 雨はスコールのような激しい雨だった。

 傘を差し、歩くこと20分。大きなビニールハウスと立派な施設があった。


【ティダマンゴー農園】


 ティダとは、太陽を意味する、方言だ。


 大きな施設の中に、おじさんがが1人居た。


「こんにちはー、突然すいません。あの、マンゴーの見学させてもらえませんか?」


 真っ黒に焼けた肌、作業着がサマになっている。

 とてもやさしそうな顔をしたおじさんだ。この人が上地さんだった。


「ああ、どうぞどうぞ、入ってー、雨宿りしていったらいいさー」


 上地さんは親切にもお茶を出してくれた。


「昨日カズさんのとこで、上地さんマンゴーいただきました!

もうほんとおいしかったです。ありがとうございました」


「あぁ~、カズのとこのお客さんね。規格外でよかったらいっぱいあるからもっともってったらいいさー」


「ええ?いいんですか?でも昨日ちょっと調べたら、マンゴーってすごく高いんですよね。びっくりしちゃいました」


「そうさねー、昔に比べて今は高いさ。でも農協の規格は厳しくて、売りもんにならんマンゴーもいっぱいでるさよ。なかなか難しいさ。

でも今年は豊作だから、楽しみにしてるさーね。

あっちのハウスにマンゴーいっぱいあるから自由に見てきたらいいさぁ」


 外に出ると、大きな体育館のようなビニールハウスが、何棟も並んでいた。

 中に入ると、マンゴーの樹がズラーっと並んでおり、マンゴーの実、ひとつひとつに白い袋が被せてあった。

 1本の樹に何十玉もついており、端から端まで袋だらけで、一面真っ白だった。


「す、すごい。数えきれない程あるね」


「すごいわね。マンゴーの樹って大きいのねー」


 そんな時、携帯がなった。お母さんからだった。あっ、届いたんだな。

 

「もしもしー、マンゴー届いたわよー。ありがとうね。

さっきお父さんと食べたんだけど、おいしいわねー、ビックリしたわよ。

コレもっとないかしら?おとうさんが親せきとか知り合いに送りたいって」


「え?ああ、丁度今、そのマンゴー農園に来てて、マンゴーいっぱいあるけど…… 知ってる?マンゴーって高いんだよ」


「タケルが送ってくれたやつ5玉入ってたけどこれでいくらくらいなの?」


「ああ、それねー、規格外ってやつでタダで貰ったの」


「コレと同じやつでいいわ。その規格外ってやつ安く買えないの?できたらこの5玉入りのやつ20箱くらい贈りたいわ。

お父さんが予算20万円くらいでなんとかしろって」


「20箱?そんな送るの?う~ん分かった。無理かもしれないけど聞いてみるね。じゃ」


 5玉で20箱っていったら100玉かぁ…。どうなんだろうか。

 管理棟に戻り、お茶をすすってる上地さんに、早速聞いてみた。


「あのーすいません、昨日貰った規格外のマンゴーってやつ、みんなに配りたいんですけど100玉くらい売ってもらえませんか?」


「規格外でいいの?いっぱいあるから好きなだけ持って行ったらいいさー」


「あ、あの、できたら貰うの悪いんで売ってもらえませんか?」


 こんな調子で、5玉入りを20箱送りたい旨伝え、相談した。

 最初はもうタダでいいさーと言っていたが、それは申し訳ないといろいろ交渉してみた結果、こうなった……


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