もう一つの始まり。
今日も木の下でのんびりとしている。
いや、今日はのんびりして居るだけではない。
先日、実家から持ってきたあの子との出来事が書かれているであろう日記を手に持って居る。
それを、自分なりにまとめようと思っているのだ。
比較的涼しい今日は、外で遊ぶのは絶好のタイミングであり、公園も賑わう。
ただ、数ある木うちの一つであるこの木の下には僕しか居らず、この木が公園の全てだと思っている僕にとっては貸し切り状態で嬉しい限りである。
リラックスしたのか、自然に眠気が襲う。
ウトウトし始める、しかし日記をまとめなければいけないと思い、日記を開く。
その時だった。
日記から自分が書いたであろう文字が飛び出て来て僕を包み込んだのは。
咄嗟に気を失う。
いや、気はあるのだけれど闇に包み込まれる感触。
闇は奥深く僕を何処かへと誘う。
それなのに眠気は吹き飛ばずここぞとばかりに僕を襲う。
その眠気にあっけなく心を許し、何処かで誘われる途中であるのは分かっていてもそれに足掻くこと無く大人しく従う。
全てにおいて無防備となった僕を闇は留まること無く動く。
そして、いつしか僕の思考回路は完全にストップした。
子供の騒ぐ声で目覚める。
ここは……
思わず上を見上げる。
そこには、まだ若干若いが今と変わらぬ威厳を保ったあの木があった。