思い出の箱。
今回の話は設定の説明かな?
まぁ、主人公の男の子についてなんとなく説明しました。
ただ、年齢とかは後々。
そんなこんなで木陰でボーッとしてた僕のポケットからある歌のイントロが流れ出す。
この歌はクラシックで、音楽が好きな母に何度も聞かされた歌だ。
作曲家は有名では無いが、実家の近所では夜な夜なこの歌が聞こえてくる、と有名なんだそうだ。
もちろん、母からの着信。
「もしもしー?どうしたの?」
母は持ち前の明るさで答える。
「あのさー。今掃除してるんだけどさぁ。」
掃除機をかけながら電話をしているのかウィーンという音が時々僕の鼓膜をつつく。
「うん、それでどしたの?」
母は掃除機を止める気配もなく答える。
「あのー、あんたが前仲良かった子いるじゃん?なんて名前だったっけ、あ」ヴィィィィイン
あいにく掃除機の音が邪魔をする。
「とね、あんたの日記?みたいなのが見つかったのよ。だから取りに来ない?要らないなら要らないでいいけ」「いる。今すぐ取りに行く。」
「あんたあの子の事になると一生懸命ねぇ…」
@実家
僕の実家は比較的田舎の方にある。
よく言えば大自然。悪く言えば大自然。って感じ。
まぁ、特に昔と変わらず、道を歩く。
僕の家と実家はそう遠くなく、実家からあの木の下まではそこそこの距離がある。
そんな事を思いながら歩いているとあっという間に実家に着く。
インターフォンを押し、横に引くタイプの玄関の扉を開ける。
「お邪魔しまーす。」
母が厳しく言う、玄関の靴を揃えるということをしながら、久しぶりにきた実家の雰囲気を楽しむ。
そんなこんなでそこそこ広い家を一通り周り、その日記がある場所に。
そこには一冊の自由帳があり、
『目き』と書かれ、目の部分には横線が二本、『日』と言う文字に直されていた。
相変わらず下手な字で自分でも呆れる。
もしかしたら読めないかもしれないという不安を抱きながらページを開く、そこにはそこそこ丁寧な字が存在し少しホッとした。
母は僕にお茶でも飲んで行かないかと言ったがもう実家は満喫したし、日記も手に入ったし、断り、そそくさと帰路を急いだ。
そして、我が家に着く。
我が家と言ってもアパートである。
そこそこ年期物であるが、管理人と母が仲が良く、家賃の三分の一は無料にしてもらっている。
そんなこんなで、ベットに転がり、日記を開こうか考える。
いや、明日にしよう。
そう思い、暗くなった部屋で一人コーラで乾杯し、気分で酔いしれ、ぐっすり眠った。