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親愛なる君へ  作者: 夢香
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卓也との出会い

~あれは高校一年の夏~

「ねぇねぇ夢香、あの先輩超イケメンじゃない?狙っちゃおうかな♥」

あの先輩とは笑顔がまぶしい程素敵でサッカー部キャプテンの卓也先輩だ。みんなから人気があり誰もが憧れるような先輩。

「卓也先輩同じクラスの美鈴先輩と付き合ってるって噂聞いたことあるよ。それに卓也先輩と仲良くしてると美鈴先輩からひどい目に遭うって聞いたことある。やめときなよ瞳。」

美鈴先輩とは色白で透き通った切れ長の瞳でまつげがものすごく長い。女の私でも目が合うとドキドキしてしまう程だった。美鈴先輩の微笑みはどこか物悲しいような冷たい印象すらあった。校内でたまにすれ違うことがあるけど1人でいることがあまりなくいつも周りに友人がいた。なんだか違和感のあるような下品な化粧をした人達と一緒にいた。というか美鈴先輩についてきているという表現の方があっていると思う。美鈴先輩はほぼノーメイクといったナチュラルメイクだったのでその仲間の中で美しさが際立っているように感じた。

「でも噂でしょ?嘘かもしれないじゃん!あっそうだ!卓也先輩に直接聞いてみよ。夢香も一緒に来て。」

と言って私の制服の袖を引っ張りながら物凄い勢いで卓也先輩に近付いていった。

「ちょっと瞳やめてよ。行くなら1人で行って。私まで巻き込まないで…涙」

「友達でしょう!!」

「……」


「たーくーや先輩♥初めまして。私瞳って言います。卓也先輩、美鈴先輩と付き合ってるって噂聞いたんですけど本当ですか?」

(初対面でこんなこと聞くなんてさすが瞳だ。)

「ははは。瞳ちゃん?面白い子だね。美鈴とは幼なじみだよ。付き合ってるように見える?」

「いや…卓也先輩イケメンだし美鈴先輩美人だから超お似合いだなって思ってました。でも彼女じゃないなら私卓也先輩狙っちゃおうかな♥笑」

「本当に面白い子だね。俺なんか全然イケメンじゃないよ。」

「じゃ瞳とメルアド交換して下さい!!」

「いいよ。今度どっか行こうか。」

「はい。是非♥♥」

「ところで君の名前は?」

と完全に外野の私の方に目線を向けた。

「あー。この子は夢香です。私の幼なじみで超仲良いんです。宜しくお願いします」

(………)

「君も一緒においでよ。俺男友達連れて行くから。」

「………」

「大丈夫。変な奴連れて行かないから。笑」

「いいですね♥合コン的な感じで。ねっ!夢香楽しみだね。」

「……」

「私達友達だよね?!」

「はいはいわかりました。瞳には勝てない。」

「ヤッター☆ありがとう夢香。大好き♡」

「こういうときだけ調子が良いんだから…」

「(笑)」

「(笑)」

「(笑)」


「んじゃ連絡する。練習戻らないと。」

「あっ!すいませんでした。連絡待ってます。練習頑張って下さい卓也先輩♥」

「ありがとう瞳ちゃん。と…夢香ちゃん。じゃまた。」

瞳が卓也先輩に向けて一生懸命手を振っている。少し泣き出しそうな顔にも見える。


「ヤバいヤバいヤバい~…卓也先輩だよ卓也先輩。連絡先交換しちゃったよ。超ドキドキしちゃった。マジで惚れちゃうかも。ねー夢香はどう思う?」

「うーん…まだそんなに話してないからよくわからないけど。瞳の太ももばっかりいやらしい目で見てた。(笑)」

「まぢで?ウケる。あー。夢みたい。もちろん夢香は卓也先輩とのこと応援してくれるよね?」

「はいはいもちろん協力させていただきますよ。」

「ありがとう♥」

と、この日は瞳の口から卓也先輩の話題が止まらなかった。


これが私達と卓也先輩との出会い。私達は無邪気に笑いあっていた。これから起こることなど想像すらできなかった。

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