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事象の再現

 すたすたすた。「あなたが被害者の方が落下するところを目撃した人ですか」

「あ~いえ、私は後ろを向いていて、振り向いた時にはもう床に」


「では目撃した人はいない」

「いえ、彼女が私に教えてくれて、向かい合っていたので」来た、どうしよう。

「あ~大丈夫、私、隣にいるから。覚えてる事を話すだけでいいから」


「あなたは」「わた、わたし」

「あ~彼女、少し気が動転(どうてん)してて、ゆっくりお願いします」

「そうですか。それであなたは学生さん」「はい」「大学生」「高校です」

「今日はここに何しに」「あ~えっと旧鬼天竺鼠(おにてんじくねずみ)邸を観覧に、ね」


「そうです。この図書館には、奇妙なうわさがあって」「あー、なるほど」

九城(くじょう)、カオスの欠片(かけら)を集めて再構成し」全部言っちゃだめっ。


「それで、被害者が落ちる前、誰か見なかった」

「えと」「目を閉じ、我に問え」

「何とかレコード更新できる」「Yes(イエス)Your(ユア)  Majesty(マジェスティ)


 とじ。うわぁ~~~、浮き上がって2階に戻って、あっ、誰、後ろ、ナイフ。

 空いてる扉に入った。

「我が半身、時系列を戻す」


 扉が開いて、ナイフを持った男の人が、前にいた被害者の人に突進した。

 ナイフが背中に少し入ったけど、勢いで深く刺さる前に落ちた。


「頭が変」「あ~ちょっと」「ふらふらする」「おいっ、大丈夫か」どさ。

「だ、大丈夫」「あ~無理しない方が」「立てるかね」

「我が半身、階段の所を見ろ」


 ぇ~~~、ふらふらするよぉ~。何、…あの男の人。

「お巡りさん」「一応警部補なんだが」

「階段の前、ツチノコのTシャツを着た男の人」お巡りさんを呼んでひそひお話。

「それで、彼が何かしたのかな」


「突然扉が開いて、あの男の人が被害者の人にどぉーーーんって、その勢いで落ちたんです」

「有難う。念のため後でいいから、名前と住所、教えてもらえるかな」「はい」

「もう(しばら)く、和室で休んで」すたすた。「有難う御座います」



 結局(けっきょく)、あっちこっちから事件の事を聴かれ、騒ぎがようやく収まる頃には17時を過ぎた。

 事務員さんもへとへとなのに、私をおばさんの家まで送ってくれた。


 事務員さんは今、デリバリーしてもらったピッザにチキン、おばさんの冷蔵庫のビールをがばがば飲みながら、おばさんのやらかしエピソードを話してけらけらしている。


 タクシーの中で、事務員さんが事の次第をおばさんに電話をしたら、高校大学と同じの大親友である事が判明した。

 で、私を一人にできないとか理由を付けて、泊ってくれる事になった。


 ニュースでは、さっそく話題になっていて、ツチノコのTシャツを着ていた男の人は、水と食べ物を持って昨日から潜んでいたとか。

 被害にあった人とは全く面識がないらしい。

所謂(いわゆる)通り魔だ。


 事務員さんはシャワーを浴び、おばさんの勝負下着を(あさ )り、布と言うより(ひも)、隠す気ないよねと思える上下を着て出勤していった。

 週末にちゃんと洗って返すからと。


 事象(じしょう)悪魔は、あれから一言も喋らない。

 私の幻覚幻聴だったのかなぁ~。

「何を言う。我が半身の脳みその燃費が悪過ぎて動けなかったのだ」

「うっさい」ぺしっ。

「…痛い~~~」「何故(なぜ)に学ばんのだこの脳わ」


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