プロローグ:マルチサーバー
この小説を読もうと思っていただき、ありがとうございます。
この小説はマインクラフトと関係した小説となっておりますが、Minecraft及び、MOJANGとは一切関係ありません。ご了承ください。
ここでは30000人もの人間たちが、あるマインクラフトサーバーに入り、現実のような、国、戦争、協力、政治、全てがマインクラフトの世界でも起こり、歴史として刻まれてゆきます。
最後まで読んでいただけると幸いです。不定期更新にはなりますが頑張ります!
まさかとは思わなかった。目を覚ましたらブロックで構成された世界だとは。
記憶がない。自分の名前もどうやってここに来たのかも。まったく本当にわからなかった。
この体は自分のものじゃない。でも元の自分の体もわからない。自分にとっての身近な情報はわからないのに言葉や漢字、これまで生きてきた世界のことはわかる。まるで神様から見たような視点だ。いわゆる記憶喪失。
これからどうすればいい?なにをしたらいい?自分でもわからない質問だった。その時話し声が聞こえたと思い、目を上げた。その光景を見た瞬間バグっていた脳はさらにバグってしまった。要因は2つ。
1つ目はこの世界。この世界は何もかもブロックで構成されていた。土も木も丘も海もすべて。そして自分も、だ。手を見ると指が開かず四角い手が見えた。そして服も塗ったような感じで気持ちが悪い。それに2つ目。
2つ目は人の数。自分が見える範囲で100,200,300……いや、とんでもない人がいた。主に話し合ったり僕みたいに突っ立っていたり、もうすでに何かしてたり、皆いろいろなことをしていた。でもとにかく多かった。最初はこの世界で構成されているのがブロックかわからなかったくらいいた。しかもその人達も四角いピクセルで構成されているらしく、人とはいいがたい。まあ自分もピクセルだし、自分のことを人間だと思っているから、今見えている人達も人間だろう。
周りを見て訳が分からなくなっていると、後ろから肩を殴られた。「いてっ!」僕は少しうめいた。
「ごめん!わざとじゃないんだ。肩を触れようとしただけで!」
おそらく殴ってきた本人だろう。もちろん彼もピクセルだった。最初はイラっとしたが、この世界では殴ることしかできないことを知ってようやく理解できた。少なくとも殴ろうとしたわけじゃない。
「いいんだ」と言って僕は彼に顔を向けた。その時ふと疑問に思ったことを口にしてしまった。
「ここにいる人たちは全員言語が同じなのかな?」
相手は少し戸惑ったが、「そうみたい……だね。少なくとも話せたってことは。」と返してくれた。僕はもともと独り言が多かったのかな?わかんない。でもそんな気がする。
「それより肩を触れようとしたのは何か理由があるだろう?」僕は言った。
「そうなんだ。よくわかったね。まあ君もわかんないと思うけど、なんでこんな世界に飛ばされたと思う?」彼が思い出したように言った。
僕は少し考えた。まずこの世界のことをあまり知らないし、記憶もない。だから僕にもわからなかった。
「うーん。よくわからないな。いまいちここがどこかわからないし。なんかのアニメの世界みたいだけど」僕は返した。
すると彼が驚いたような顔をして尋ねた。
「ここがどこの世界かわからない?ほんとに?まあ確かになんでこの世界にいるのかとか、なぜ現実みたいに感覚があるのか、とかはわからないけどさ。こんな感じのピクセルでできた世界はみんな知っていると思うよ?」
うーん。僕は知らない。でも少し見たことがあるような?記憶はないけど知っているような?映画か?アニメだっけ?ゲームだったかな?
「ほんとに知らないの?世界で売り上げがナンバー1のマインクラフトだよ!こういうゲームがあったの知らない?一度は絶対に聞いたことがあると思うよ!?」
彼は早口で言った。よっぽど好きだったのかな?
「なんとなく知っているような?記憶がないからわかんない。」僕は返した。
「ああ。たしかにさ。記憶はないけどゲームの存在は知ってるでしょ!」彼がしつこく絶対に知ってるとばかりに言ってきた。
「だから知らないんだって」僕はまた返した。
「じゃあどうやってこの世界で生きていくの?」彼が言った。
「わからない。でもこの世界で生き延びるのが本当の目的なのかな?何らかのデスゲーム?そこがまずわからない。元の僕がどんな人間だったかもわからないし、まずこの世界に飛ばされたっていう保証はないし。そのマイクラっていうステージのセットかもしれないよ?まあ僕が生き抜かなきゃならないときは、できたら教えてほしいな。」
僕は言った。しょうがない。本当に知らないのだ。
こんな冷静に話が進むのは心のどこかで夢かもって思っていたからかもしれない。でもそんなこと考えられている時点で夢じゃないんだけどね。その時はきづいていなかった。
「いいよ全然。僕なんかマイクラのことはよく知っているんだ。好きだったのかな?君だって何か知っているだろ。違うゲームとか。よく覚えていることとかないの?」彼が言った。
そういわれてみれば確かに。マリオとかスプラツーン?違う。スプラトゥーンだ。こんなゲームはなんとなく知っている気がする。元の僕はゲームはあんまりしなかったらしい。
「たしかにマリオとかはやったような気がする。なんとなく。」
「へー。マリオってニンテンドーみたいなのが出してたやつ?あんまり知らねえなー。」
僕は知ってる。クッパとか土管とか、そのほかにもいろいろなかたちでゲームが出てた。でもそこまでしか知らない。ほかの人から聞いたぐらいしか情報がない。聞いたのかもわからないけど。
「元の僕はあんまりゲームに興味なかったらしいね」僕が言った。
「じゃあこの世界のことは何にも知らないわけだね?」彼がまた確かめるように言った。
「ああ。まったく。だからこれから教えてくれないか?」
「もちろん。じゃあもうこれで友達だ。名前は?」
「記憶がないのは同じだっただろ?」僕が言った。




