表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/16

9.ある一定の層には需要の塊

セリナさんと出会った場所は『光あふれる教会』というところで、マップには表示されなかった。

しかし今セリナさんとそこから抜けるとき、マップのNo dataという文字が消えて通常の表示に戻った。

表示されたマップの場所は…ワンティアと旅立ちの祠からそう遠くない場所だった。今日は発売初日ということもあるが…プレイヤー数はかなりの人数いるだろう…1人はあの『光あふれる教会』を発見されていてもおかしくないと思うのだが…セリナさんあそこにいてクエストがあったということはまだ発見されていなかったということだろう。


うんうんと考え込んでいた姿を見られたようで、セリナさんが首を傾げて見つめてきた。


「どうかされましたか?ナイトさん」


「い、いえ…そういえば、セリナさんってワンティアに住んでいるんでしたっけ?」


「はい!ワンティアの教会に住んでいますよ!」


「シスター…ではないのですが…似たような職です!」


シスターと似たような職?会った時からシスターだと思っていたけれど…セリナさんは少し恥ずかしがっているようだし気にしなくていいか!どっちかって言うと、種族が天使族で…職業が暗殺者という異色の組み合わせである自分がおかしいような…。気にしたらずっと考え込んでしまいそうなのでやめにしよう!


セリナさんと話を弾ませなが歩くこと数分、幸い道中でモンスターが出現することがなかった。

ワンティアの街が見えてきた。


「ナイトさん!ここがワンティアですよ!」


「おぉ…ここが!」


旅立ちの祠から飛び出してはや数時間…右往左往(うおうさおう)あったけれど、ようやく初めての街に辿り着くことができた。

セリナさんが先導してくれワンティアに入ると、そこは人で溢れる活気盛んな街という印象が持てる。ファンタジー感溢れる街にサイバーチックな要素を合わせた感じだ。街の探索も楽しくなりそうだな!

しかし…先ほどから感じる視線たち…多分プレイヤーのからかな…?横にはセリナさんもいるし頑張らないとな!


街を見渡していると、遠くからこちらに向かって走ってくる影が…?

ガチャガチャ音を鳴らして全力疾走で走り、その人たちは僕とセリナさんの前で止まった。


「聖女さまァァ!!!探しましたよォ!?」


銀色に輝く鎧を装備した兵士と思われる人が2…3人…セリナさんのそばに寄った。その目からは水の粒が溢れている。中でも少し司祭っぽい人、渾身の男泣きである。

それにしてもセリナさんが聖女だったとは!確かにさっきの緊急クエストのタイトルが「聖女との邂逅」だったからもしかしたらとなったけれど…


「また無断で外出なされて…我々がどれだけ心配したことか!!!」


「ご、ごめんなさいウィンダ…でも今日はお休みですし…」


「我々に言っていただいてからでもよかったでしょう…?」


「ッ…それは〜」


てへぺろっとばかりにニカっと笑うセリナさん。

頭を抱える司祭のウィンダさん…セリナさんに振り回されてそうだなぁ〜気苦労が多そうな人だ…。

すると、兵士さんはセリナさんに向けていた目線を僕の方へ移した。


「ところで…こちらの可愛らしいお嬢さんはどなたですかな?」


「よくぞ聞いてくれましたウィンダ!この方こそ私の危機を救ってくださったお方なんです!」


「このお嬢さんが!?っというより!危ないことがあったのですカッ!?」


「ちょっとモンスターに囲まれまして…で、でも!この天使さまが助けてくださったんですよ!!」


「天使さま!?本当だ…翼がある…?」


ウィンダと呼ばれた司祭さんにジロジロと見つめられる…あのぅ、そんなに見つめられると恥ずかしいっていうか〜。


「ナイトさん!ワンティアス聖堂に私はおりますので…後ほどお会いしましょう!」


それでは〜と手をブンブン振って連れて行かれる聖女セリアさん。元気いっぱいな人だったな…。

それはそうとここの街中に1人ポツンと取り残された僕…。とりあえず街を探索してみるとしよう。


街中を歩いていると色々な店があって見回るだけでも満足できるものだ。

回復ポーションやその他道具を販売している雑貨屋。武器防具の販売、持ち込んだ素材から特注品を作ってくれる鍛冶屋。スキルを扱う店や…食材も売っている!!

中にはプレイヤーが営む店もあるようだ。雑貨屋で回復ポーションその他諸々を買ってホクホク状態だ。


しかし、この天使の種族という見た目から…街中でプレイヤーから声をかけられることが頻発している。


ある時は初心者女の子パーティーに…


「わ、私たちのパーティに入りませんか!?」


「ご、ごめん今のところソロでやってるんだ…」


ある時は…女性に囲まれたチャラそうな男に…


「君みたいな可愛い子はボクのクランがふさわしい!ぜひ入らないかい?」


「結構ですッ!!!」


ある時は……何かに精通してそうな男に…


「せ拙者と一緒に行きませぬかぁ!?」


「遠慮しておきます…」



「勧誘多すぎるッッ!!!」


あまりにも多い勧誘!みんなこの見た目に惹かれすぎだろッ!!確かに僕も惹かれるかもしれないけどさッ!

人目につかないようなところにポツンと建つ宿屋を見つけたので入っていった。

このゲームではリスポーンポイントを宿屋に設定することができる。とりあえずここを拠点にしていこう…勧誘プレイヤー見つからないように…ね。翼の存在感とこの容姿だ…目立たない方がおかしいかもしれない…。


「とりあえず、今日は疲れたし休むぅ〜」


宿屋のベットに寝転がりながらログアウトしたのだった。

お読みいただきありがとうございます!

今回も設定情報をお休みさせていただきたいと…思います…

次回もお楽しみに…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ