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4.旅立ちの時…そして迷子

お、オープニングの始まりか…


『神々がもたらした叡智…機械技術が世界に浸透して100年。この世界ファンタズマリア各地で科学と共に発展を繰り広げていた。』



翔介とカフェで話していた時に事細かく世界感については語られてしまったからこのオープニングの内容も大体知っている。

しかし世界観をここでおさらいしておくのは没入感やモチベーションアップにも繋がる!かもしれない…

さてさて…ここはスキップせずに見ていこう。



『神々を信仰するファンタズマ教徒は、叡智を人々へと広め…よりよく発展させるため行動していた。』



『人々の住まう街では科学と自然が共存し、王都グラナドンを中心に各地へと広がっていった。』



『一方…街の外。人がいない外界では自然が自由に育まれ…ありとあらゆる生き物が生まれた。その中で…モンスターと呼ばれる生き物たちは時に人や街を襲うのだ…』



『人々の中から武器を手に取り、戦う者たちが現れた。彼らを冒険者と呼ぶようになった。』


なるほど…モンスター達と戦ったり探索したりするのが冒険者…戦闘職業ってことか。

でもどの職業もひとつ以上は装備可能な武器種があったから絶対戦闘非参加ということは無いんだな。

銃とかの武器もあったから生産系の職業も楽しそうだな…。


『世界にはモンスターの頂点に立つ怪物達がいる…世界の均衡を変えかねない幻想種である。』


幻想種…かめっったに会えなさそうだけど面白そうな響きだな…。

てかカフェで、幻想種なんて奴らの情報は全く聞かなかったな…発売まで発表されなかったのかな?


『街で暮らすのも、冒険の旅を続けるのも一つの生き方です。』


『貴方達がこの世界に降り立ち…どのように生きていくのか…私は静かに見守ることにしましょう…』


見守る…?あぁ…神様だったのか。

これからあまり死なないように、今のうちにお祈りしておこう。


『さぁ…旅立ちの時です…!!』



『"ビヨンド・ファンタズマ"』



目の前が真っ白になった!!!

と思ったら大自然の中にいた。現在地をマップを表示すると…

『旅立ちの祠』

と表示された場所にいるようだった。

周りを見渡すと木々が茂り(しげ  )、青空が広がる美しい世界だ。

そして、視界に揺れ映る(つや)のある少し長めの髪の毛…。

現実では肩近く髪が長くなったことがないため少し新鮮だ。



「…ってか本当に少女のアバターだなぁ…昔一回だけ使ったことあるけど、やっぱ慣れない」


少しため息混じりの息をした。ちょっとの間話を聞いていたから仮想の体も鈍っている。

んんーっと伸びをして


「周りにプレイヤーもいないし…初めは合わないようになってるのかね?」


もう一度マップを開いて現在地の『旅立ちの祠』から一番近い最初の街…『ワンティア』までは…ざっとみて1キロくらいかな。これならピンを刺さなくてもいいかな。

ワンティアまでにチュートリアル的なモンスターが出てきてくれるだろう!

さてさて…自分のステータスを確認しよう。


―――――――――――――――

PN(プレイヤーネーム):ナイトリーパ

性別:女 種族:人間

LV:1 職業:暗殺者 

HP【体力】:20

MP【魔力】:20

SP【スタミナ】:30

STR【筋力】:20

VIT【耐久値】:10

DEX【器用値】:35

AGI【俊敏値】:40

LUC【幸運値】:20

スキル

気配遮断

ラピッドラッシュ


防具装備

頭:黒のスカーフ

胴:暗殺者の装束 胴 (VIT+5)

手:暗殺者のグローブ (DEX+5)

腰:暗殺者の装束 腰 (VIT+5)

足:暗殺者の靴

武器装備

右手:暗殺者の短剣

サブ:血塗りの毒牙


アクセサリー

スロット1:なし

スロット2:なし


―――――――――――――――


ふむふむ…驚くほどの低耐久…これペラペラの紙だよ…。そうしたのは自分自身なんだけど…。

防具があるだけまだ補強されててマシかぁ…

よし!スキルの試し撃ちもしてみたいしそろそろ『ワンティア』まで行くとしよう!




少し走ったり道端のモンスターを倒したりしているうちに気づいたことがある。

揺れる草木、どこまでも美しい空、空気、透き通る水。グラフィックが以前のVRより神がかって綺麗だ。


このゲームでは描写設定ができるらしく、かなりリアルな血しぶきが出て、たちまち塵となる描写設定にしたり、ポリゴン状に感じで消えていく描写にしたりもできる。


モンスターが倒されるとアイテムがドロップするシステムなのが唯一の救いだ。剥ぎ取る系だったら…考えただけで背筋がビクッとする…。

さっき試しに一度リアル設定にしてみたが…なんというか、その、うん…断面とかグロすぎて見なかったことにした。今までにやったゲームの中でダントツのグロさだ。

こんなことできるFET社の技術力は世界でも群を抜いているんだろうなぁ。

技術力に感服していたら…茂みからガサっと音がした。


「おっと…変なこと考えてるうちに早速お出ましかな?」


「キキシャーッ!」


飛び出してきたのはヘビのモンスター…『レッサースネーク』。コイツの厄介なところは毒を吐いてくるところだ。HPが低い分、毒の継続ダメージは厄介だ…。


「でも対処法はわかってるぞ!」


ここでレッサースネークが毒を吐く予備動作をした瞬間、スキル「気配遮断」を発動させた。このスキルは発動から10秒間プレイヤーの気配、姿を最低限消すことができるスキル。めちゃ良いスキル。

しかし音は消さないため、足音など注意しなければならない。


レッサスネークが毒を出した、と同時に宙に飛ぶ。ヘビにしてはでかい体(自分の体が小さいのも余計)を飛び越え、無防備な後ろを取った。


「オマエの獲物はこっちだよッっ!っと」


短剣のスキル「ラピッドラッシュ」を使った。素早い2連撃を続けて行うスキルだ。一度の切り込みではダメでも二度なら致命傷になりうる。こちらも良いスキル…!

レッサースネークの頭付近を狙って2連撃をくらわせた。いきなり切られてびっくりしていると思うがこれも戦いなのでね…。

大人しく僕の経験値になりやがれッ!!



旅立ちの祠から飛び出して早数十分…意気揚々とモンスターを狩っていたナイトリーパは絶賛迷子中でした…。


そして…旅立ちの祠から少し離れたところ…森の奥にポツンと建つ教会がモンスター達に囲まれていた…。


「どなたか…どうかお助けください…」

このゲームでのスキルの発動は使いたいスキルを思い浮かべば使えるようになっています。テレパシーみたいな感じですね。

魔法を扱うスキンの中には詠唱が必要なスキルもあるので。暗記必死です。

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