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当代最強の責任  作者: 嵐山田
第一章
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第七話

 放課後、俺は星と雪乃を連れ生徒会室を訪れていた。

 星の家へ向かう予定ではあるが、腐っても副会長であるためそちらの仕事もさぼるわけにはいかない。

「会長、そういえば副会長の仕事ってどんなものなんですか?」

 俺は詳しい内容を聞く前にほぼ強制的に夏葉と雪乃によって副会長にされてしまったため改めて麗に問いかけた。

 そう言われると麗は「そうですねえ、特にこれと決まった仕事があるわけではありません。私のサポートが主な仕事と考えてください」と答えた。

「では、今日は?」

「特にありませんのでもう帰っても大丈夫ですよ」

「そうですか」

 あまりの軽さに拍子抜けしてしまったが、早く帰れるのであればそれに越したことはないため今日はさっさと用事を済ませに星の家に行くことにした。

 

 しかし、そう簡単にいかないのが俺、黒命龍仁の運命だ。

「龍仁、帰るなら今日も一緒に帰ろうよ」

 雪乃と同じく生徒会書記の夏葉にそう言われる。

 俺と会長、夏葉、星、雪乃の5人しかいない生徒会室の空気が変わった。

 夏葉、この状況でそれは爆弾だろ……。

 そんなことを考えていると星と雪乃の雰囲気が目に見えて変わる。

「……たつひと様?」

「……龍仁さん?」

「「詳しく教えていただけますよね?」」

 そう言われた俺はなんと説明しようか考えていると夏葉がさらに煽るように説明しだす。

「昨日、勝利君と終治君と龍仁が模擬試合した後二人でデートしたんだよ」

「おい、ちょっと止まってくれ夏葉」

 止めようとするも夏葉は止まらない。

「個室で二人っきり、ずーっと密着してたもんね?」

 間違っていないため否定しづらいが、言い方がやらしい。

「そんな……龍仁様」

 星が頭を抱えパニック状態だ。

「ウラヤマシイユルセナイ」

 おいおい雪乃何かが背後から出てるぞ。

「夏葉、煽るのもそのくらいにしておけ。二人とも俺は夏葉とカフェの個室にいただけで別にやましいことは……ないぞ?」

 ……。

「何か気になる間がありましたが?」

 まずい、完全に否定すると今度は夏葉が拗ねるだろうし、どうしよう。

 しかしそこに救いの手が差し伸べられた。

「龍仁くんはモテるのね。でも今日は用事があるから早く帰りたいのではなくて?」

 麗会長!あなたは神か!

 完全に手が余る状況にこの先輩の一言は天恵にも思えた。

「そうなんですよ先輩、さすが察しがいいですね」

「どんな用事なんですか?」

「星の家に行くんですよ」

「は?」

 俺の安易な発言に夏葉が怒りで反応する。

「あっ……」

 俺は危機を脱したことの安心感で静まりかけた火種に新たな火を灯してしまった。

 これには先輩も首を横に振って呆れ顔をしていた。


 何とか夏葉に説明し、納得してもらうことができたのは30分後だった。

「そういえば、夏葉は出るのか?対抗戦」

「もちろん、個人戦だから龍仁にあたった瞬間終わりだけどね」

 夏葉の実力は俺でもなかなか苦労すると思うのだが。

「それとも、手加減してくれるのかな?」

 ははは、まだ若干怒ってらっしゃる。

「龍仁様が手加減などするはずがないでしょう」

「そうですよ夏葉さん、彼女面もいい加減にしてください」

 おっとこっちもまだ沈静化してなかったか。

「まぁまぁ、三人とも落ち着いてくれ」

「龍仁が決めないから悪いんでしょ?」

「確かにそれもそうですね」

「龍仁様は結局だれを選ぶのですか?」

 まずい、ここは会長のお力を、チラッと会長を横目で見ると会長もこちら見てニコッと笑い書類仕事を始めた。

 会長ーもう一度天恵を。

 仕方ない。

「ま、まぁその話はまた、な?」

「さて星、明様のところへ行こうか」

「あまり遅くなると悪いしな」

 そう言って無理やり話を逸らすと星の手を引いて足早に生徒会室を去った。


 この時の星は天に昇りそうな表情をしていたといつの間にか控えていたまつりが言っていた。

お読みいただきありがとうございます。


次回もよろしくお願いいたします!

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