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【1万2千PV突破!】血塗の玉座  作者: 月 七見
第1部 0章 吸血鬼のセカイ編〜序章〜
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03話 吸血鬼のセカイと人間のセカイ、その境界を越えて

「…………いいだろう」

 長の声は低く、湿った刃のようだった。

「それが、お前らの望みなら、“すぐに”でも叶えてやろう」


 ぶつぶつと呟く。呪文のような、耳障りな響き。

 言葉が途切れた瞬間、リオたちの足元がまばゆく光を放ち始めた。


「私の息子を潰してくれることに、感謝する」

「誰がそんなこと言ったよ! クソ長が!!!」

 ジニアが食ってかかるが、長は一瞥もせず、言葉を繋ぐ。


「……お前らに、使命を与える」

「使命?」リオの眉がわずかに動く。

「あぁ、使命だ。これからお前らを人間のセカイへと転移させる」

 短く、切るような声。


「グロリオサに連絡は済ませてある。学校への編入手続きもな」

 淡々とした口調が、かえって不気味に響く。

「その学校で学業と、“その世界の魔法”を学べ。そして……ブルースター率いるコウモリ一派を始末しろ」


 バッ、と長が両手を広げる。

 その動きに呼応するように、足元の光がさらに強くなり、視界が白で塗りつぶされていく。

 彼らのすぐそばには、3つのキャリーケースが置かれていた。


 次の瞬間、世界が反転する感覚。

 重力が一瞬消え、心臓が強く締め付けられる。


 ◇


 《2065年、レルファンシエルに転送しました》

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