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赤い星のリンカーネーション  作者: 鳥皿鳥助
二章 その名は星を越える戦士たち
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第9話 レベリングミッション2






 自身のプライベートルームを飛び出したジン。

 彼はそのままメビウス内を適当に探索し、しばらく時間を潰してからアルゴンとネイトの元へと戻った。


「いやー、ごめんごめん。技術的な話だったから、ついつい熱くなっちゃったよ」

「まぁ半分位は自分で聞いた事だし……こっちこそ、途中で逃げて悪かったな」

「良いって事よ! 整備は終わってるから、いつでも出撃して大丈夫だよ」

「サンキュー。……んじゃあ早速行きますか」


 ネイトによる整備は完璧だ。ここを出た時に山程伸びていたケーブルも、その全てが綺麗に片付けられている。

 見える範囲のどこにもその姿は無く、一体どこへ消えたのか。そんな事を考えながら、ジンは小一時間ぶりのコックピットへ座った。


「おかえりなさい、マスター」

「ただいま。……さて、次はどこに行こうかね」

「行き先が決まっていないのであれば、レベリングミッション2を受けてみてはいかがでしょうか? |先程の戦闘《レベリングミッション1》で受注可能になっているはずです」

「ほう?」


 レベリングミッション1は、ただチュートリアルを受けたか確認するだけの物だ。

 故にすぐレベリングミッション2が受けられる……と言うよりは、他に選択肢が用意されていない。


 ミッション内容は旧市街地防衛戦らしく、そこそこ多めのグルム出現が想定されるそうだ。

 もっとも、レベリングミッション1をクリア出来たのであれば容易くクリア出来るミッションのようだが。


「場所はどこだ?」

「エアストの近くにあるパルウム、小さな街です」

「よーし。んじゃ、いっちょ行くか!」






 ――――――――――――――――――――






 ジンは早速ルブルムへ降下した。

 逆噴射のタイミングは以前より遅くなっており、ジンは機体の成長を感じる。


「降下完了、作戦を開始する! ……なんてな」

「一人でそんな事してて寂しくないんですか?」

「お前……それ複数人の時にやったら『恥ずかしくないんですか?』とか言うやつだろ! 雰囲気だから良いんだよ、雰囲気だから!!」


 アルとの付き合いも慣れ始め、互いに軽口を叩ける程になった。

 そうした行動をしながらも周囲をしっかり警戒していると、アルは敵機を発見し報告を上げる。


「敵機確認、Typeクルスのキャタピラ型とローラー型がそれぞれ五機です」

「ほう……何が違うんだ?」

「ローラー型は高機動で前衛へ、キャタピラ型は高耐久で後衛へ向かう性質があります」

「なるほどね、んで他は名前通りと」


 そうして話している間にもローラー型がアルゴンを取り囲み、様々な方向からミサイルや銃弾を飛ばしていた。

 だが幸いにもアルゴンの装甲はかなり厚く、ある程度は無視しての戦闘が可能となっている。


 ジンはそこから始まった戦闘をしばらく続け、アルゴンは近くに居るローラー型から倒そうとしていた。

 だが乱戦で小型かつ高速の相手を倒すのは少々骨が折れる。


「――チッ、流石に面倒だな……キャタピラ型の方を先に始末するか」

「キャタピラ型のマーカーをハイライトします」

「サンキュー!」


 ジンはレーザーライフルでは火力不足と考え、背負っていたバスターソードに持ち変える。


 近接武器を持って突撃するアルゴンだが、勿論クルス達はその接近を許さない。

 足元への爆撃という妨害を受けるが、ジンはアルゴンの装甲を信じてそれを無視。無理やり戦線を突破した。


 アルゴンは一気にキャタピラ足のクルスへと近づき、バスターソードを大振りに斬りつける。

 遠距離武器(レーザーライフル)で火力不足なら、バスターソードで強引に叩き斬れば良いだけである。


「そーらよぉ!!」

「ターゲット、残り七」


 後衛の崩されたクルス達は、一時的にその陣形を崩した。

 だが即座に立て直し陣形を組み、再びアルゴンを取り囲む。


「動きが機械的だな……」

「グルムは全て自動制御されているので、機械的な動きで当たり前です」

「なるほどね」


 一体ずつがお互いをカバーし、誰かが攻撃を受ければ誰かが援護に回る。

 その連携は熟練したパーティーのそれ連携を越えている。


 意思伝達に間違いは無く、個々が流れを乱す行動は起こさない。


「――完璧過ぎて面白くねぇ……なっ!!」


 それはともすれば、“偶然の幸運”を掴めないという事であった。

 一度大きく崩れた陣形はそうした幸運を掴まなければ修復出来ない。


ジンはその不完全となった陣形を容易(たや)く食い破る事ができ、すぐにクルス達を殲滅した。






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