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10話 呪われた竜と戦う話

 目の前には巨大な白竜が一頭。

 装備させられた呪具の呪いに苦しみ、今も暴れている。


 迎え撃つは冒険者三人。

 準備は万全。


「ダン。できるだけ奴の首が動かないようにしながら、注意を引いてくれ」


「全く…無茶な注文だよなぁ。…後で一杯奢れよ?」


 縁起が悪い。そういう発言は不吉だろ。


「仕方ないな。今夜は例の店で」


「よしきた」


 その一言を残して、ダンケルは地を蹴り疾走していった。

 理由が何であれ、腹は決まったということだ。

 なら俺も。


「準備できました。いつでも最大出力で撃てますよ」


 タイミングは最良。

 時間が経つとダンケルの体力やメロウの魔力が不安だから、一撃で決めたい。


「………頼んだ」


 俺の返答を合図に、メロウが全身に力を込めた。


「はい!!あああああ!!!」


「ぐっ!!おお…!」


 声を振り絞って起動している魔法だ。覚悟が違う。

 今までとは比べ物にならないほど、身体の底から力があふれ出てくる。

 全力だとここまで強化されるのか。底が知れない。


「うう…」


 後ろでドサッと何かが落ちる音が聞こえた。

 振り返ると、メロウが膝をついてへたり込んでいる。

 魔力切れか…無理もない。


「……レイブンさん…後は…お願いします…」


 彼女は息を切らしながら、ぎこちない笑顔を作った。


「任せろ。…ありがとうな」


 恐らく、次にメロウに向かってブレスが放たれたらもう避けられない。

 それまでに決着を着けるしかない。


 前方ではダンケルが竜の頭の真下で必死に炎や爪を回避している。

 移動距離をできるだけ短くしている甲斐もあって、ドラグリオンの首はほとんど動いていない。

 友の決死の陽動、無駄にはしない。

 俺も突進した。


「速い…!しかも小回りが利く!」


 炎の余波を避け、ブレスで崩れた地形を上手く渡って竜の眼前まで疾走する。

 急いでダンケルと合流。


「遅い!大変なんだぞこれ!」


「オオオオォォォォォ!!」


 愚痴を吐きながらも、自分の使命を全うしている。

 ダンケルが爪を避けると、空を切った爪はそのまま地面をえぐりとる。

 着地も足元が不安定で一苦労。

 平地だった地面は既に耕された後。


 呪具は———あれだな。

 目の前の竜を苦しめている元凶は、今も首元でギラギラと光っている。

 ここまで近づくと、禍々しい魔力を放っているのが感じ取れる。


 ドラグリオンが大型のせいで呪具の位置が高い。普通に跳躍しても恐らく届かない。

 だが、今の俺には想いの籠った魔法が宿っている。


「一撃で決めるぞ」


「早く楽にさせてやりな」


 膝を曲げて足に力を籠める。

 そして俺は勢いよく飛び上がった。

 さながら弾丸のような速度で俺はドラグリオンへ突っ込む。


「ギャオオオオオ」


 そうはさせまいと巨大な翼を翻し、爪で俺を弾き飛ばそうとしてきた。


 マズいな。剣で突破は難しい、一度降りてきて体勢を———


「おっと、僕をお忘れかい?」


 一瞬にして竜の翼が凍りつき、動きが止まった。


「オオオ!?」


 ダンケルの魔法か。ジオレイズで援護してくれている。

 中級魔法の高速詠唱はダンの得意分野。

 痒い所に手が届く器用さは圧倒的な長所だ。


 すぐに氷は割れたが、その一瞬の隙に俺は爪をかいくぐって首元を狙いに行く。

 もう破壊対象は目の前。邪魔するものは何もない。

 双剣を身体の前で交差して構え、呪具まで一直線。


 そして真横に一閃。

 銀色の髑髏が三つに分断された。


「ググ?グ、グギャアアアアアアアアアアアアアア…」


 ドラグリオンが混乱し、自我を失って暴れだした。

 俺たちは急いで距離を取る。


「やった…のか?」


「レイ、僕たちはやったのさ。ほら、あれ」


 器を失った呪いは妖しい紫の光を放ち、空気中に霧散して消滅していく。

 幻想的な光景が続き、全ての呪いが消え去った後、呪具の金具は全て粉々に砕け散って竜の首から外れた。


 呪具の崩壊と同時に、ドラグリオンは急に糸が切れた人形のようにその場に倒れた。

 微動だにしないが、死んではいないはずだ。


 俺は、後ろで不安定ながらもなんとか立っているメロウを迎えに行った。


「レイブンさん…!やりましたね!」


「お前のお陰だ」


「えへへ」


 はにかんだ笑顔で応えてくれる。

 俺は双剣の片方をしまって、右手をメロウに差し出した。


「歩けるか?」


 メロウは少し頬を赤くした。


「え、あ、その、大丈夫ですよ!ほら、もう元気ですし」


 本人は平気だと言っているが、足はまだ震えている。普段通り歩けるほど元気には見えない。

 見栄を張っているな。


「無理そうだな。よっと」


 もう片方の剣も腰に装着して、メロウを抱きかかえた。

 かなり軽い。正直心配になるレベルだ。


「れ、れれれレイブンさん…これは…ああ…」


 お姫様抱っこされたメロウは耳まで真っ赤にして両手で顔を覆っている。

 別に恥ずかしがることはない。メロウのお陰でスムーズに呪具の破壊ができたのだから、これくらい造作もない。


 メロウになぜか抵抗されたが、腕力の差で耐えてダンケルの元まで歩いた。


 一部始終をしっかり見ていたダンケルはビキビキと青筋を立てながら、静かな怒りの籠った笑顔で口を開いた。


「リア充アピールかい…?僕がドラゴンとにらめっこする中、二人でメルヘンな世界に行くのかい…?」


「何言ってるんだ?メロウは俺たちの支援を全力でしてくれた功労者だ。これくらい普通だろ」


 ダンケルが悲しいものを見る目で俺を見下ろし、メロウは少し落ち着いてクスクスと笑い出した。


「…メロウちゃん、こんな男でごめんよ。僕がちゃんと女心を教えなかったせいで」


「ふふ、大丈夫ですよ。レイブンさんらしいですね」


 二人の中で話が成立したらしい。俺にはよくわからない。

 もう大丈夫だと言って聞かなかったので、メロウを降ろして三人でドラグリオンの方を見た。


 俺たちの攻撃で翼からは出血し、砂を被ってボロボロの状態だが、命に別状はなさそう。

 ぜえぜえと肩で息をして、大人しくしている。


「…この後どうするんだ?狩るのか?」


 メロウの表情が曇った。気持ちは痛いほどわかる。

 だがここで放置して帰ると何が起きるかわからない。

 呪具を装着した首謀者が存在する限り、第二第三の被害が発生する可能性は否定できない。


「僕としては魔力を分けてほしいってだけだから、別に絶対殺さないといけないって訳じゃない。正直この状況でとどめを刺すのは忍びないし、仲間になってもらえたら最善ってところなんだけど」


『ほう。この我を従えると言うのか』


「「「!」」」


 どこからか声が聞こえた。

 この声の主が誰かは容易に想像がつく。


 言葉が通じるタイプか。呪具に抗って周りを守ろうとしていた時点でなんとなく察していたが、やはりこの竜、かなり賢いな。


「従えるとまでは言いません。僕に少しばかり魔力をわけていただきたいのですが、いかがでしょう?」


 ダンケルが提案した。ドラゴンは高貴な存在であり、それを自覚している竜も多いのであまりぞんざいな態度を取るわけにはいかない。


『我の魔力を欲するか。普段なら人間風情がと一笑するところだが…』


 ドラグリオンの首がゆっくりと動いた。その目は俺の方をじっと見ている。


『そなたらには恩がある。まあ良いだろう』


 納得してくれた。


「レイブンさん、これは…」


 ああ、その通りだ。


「どうやら、仕留める必要はなさそうだ」


 メロウは安心して表情が緩んだ。

 そのまま詠唱を開始し、目の前の竜の傷を癒した。


 元気を取り戻したドラグリオンは尋ねた。


『さすれば、我はどうすればよい?』


「んー、じゃあ街までご同行願いたい」


『ならばこの姿では不便だな。』


 ドラゴンは何かの魔法を起動した。

 そしてその身体が白く光りだし、眩しくて何も見えなくなる。


 光が収まるとそこには、


「ふぅ。これで人間の街に出ても問題あるまい」


 人の姿として立っていた。

 夕日を反射して美しく輝く銀髪のセミロング。

 真っ白いシルクのようなシミ一つない肌。そして橙色の透き通った眼。

 スラッとしていてスタイルも良く、身長も高い。


 そして胸元には女性らしさをこれでもかと体現している二つの山。

 薄地の白い衣を纏っているが、はだけているせいで微妙に露出しており、かなり刺激的な格好になっている。


「おっ。...いいねそれ」


 ダンケルは一瞬で食いついた。

 そういえば昔からお姉さん系の女性がタイプだったな。


「では街へ参ろうか」


「チェンジでお願いします」


 ムスッとした顔でメロウが腕を組んでいる。

 なにやら納得がいかないらしい。


「どうしたんだ?これなら人にしか見えないと思うが」


「あ...いえ、はい。大丈夫そうですね」


 取り繕うように愛想笑い。

 それを見て、ドラグリオンは不敵に笑った。

 胸の下に手を置いて口を開く。


「なるほど…これが気に入らぬか。お前にはないからと」


「! …そんなことないですよー」


 目が泳いでいる。

 …確かにメロウは大きいとはいえないが、全くない訳ではないし、持ち前の容姿と優しさで十分カバーできていると思うが…。


「やむをえん。別の姿に変えるくらい造作もない」


 左手の指をパチンと鳴らしてまた変身した。

 光が収まった時、そこにいたのは──


「これでどうだ?そこの娘に劣等感を与えることはなかろう」


 先程の銀髪の女性がベースなのは変わっていないが、体が全体的に小さくなり、幼い様子になった。それに合わせてあどけなさがある声に変化している。

 そしてそびえ立っていた双丘は完全に平らになった。


「これなら私は…」


「いや、これもダメだね」


 次はダンケルがダメ出しをした。


「なぜだ?」


「僕、レイ、メロウちゃんに加えて幼女がいたら、周りの目からどう見えると思う?なんというか、社会的に終わりそう。要は3」


「やめろダン。ここにメロウがいること、忘れてないか?」


「あ。...まあ、メロウちゃん何のことかわからないだろうし」


「これを見てそう思うのなら重症だ」


 メロウは頬を赤くして俺の後ろに隠れている。

 俺の服を掴む手にそこそこ力がこもっているし、意味を理解した上でダンケルを恐れているのは間違いない。


 自分の過ちに気づいたダンケルは即座に土下座した。


「申し訳ありませんでした」


「ちぇ、チェンジです」


「人の世というのは面倒なのだな。我は他者の考えなど全く意に介さなかったというのに」


 意見が両極端だな。

 まあでも、俺には知り合い以外には絶対に明かせない秘密がある。警戒するに越したことはない。


「ならこれでどうだ」


 また変身した。

 短めの銀髪をなびかせて、屈強な肉体を持った見た目三十代くらいの男の姿になった。

 腰の巨大な大剣で斬りつければ、大型の魔物だろうと一撃でノックアウトできそうな肉体だ。


「私は構いませんが…」


「どうせなら花がある方がいいよね…」


 頼む立場の癖に注文が細かいな、ダン。

 正直なところ、俺は戦うことに支障がなければパーティーの男女は大して気にしない。男だらけで戦闘しようと女の子がいようと、目的を達成して生還すれば関係ない。


 だがダンケルはそうはいかないらしい。選択肢があるのなら女の子入りのパーティーがいいようだ。


「ならば趣向を変えてこれはどうだ?」


 両腕で抱えることができるほどの、小さな子竜の姿になった。

 生まれたばかりのような幼い見た目だが、それでも誇り高き竜族。崇めたくなりそうな気品がある。


「それにしよう」


「あれ?」


 ダンケルがずっこけそうになった。

 いや、この姿いいだろ?

 可愛くて花があるし、ドラゴンの誇りも感じるし。


「ふん。二重人格が賛成するのはわかっていた。愛玩動物が欲しいという潜在意識が見えたからな」


「ああ。どうして僕らの好みがわかるのかと思えば、心を読む魔法も使えるのか。

 …というかレイ、そんな趣味が?」


「ペットがいる生活っていいなとは思ってる」


 子竜は当然といった様子でふんぞり返った。可愛い。


「お前らの心の声は筒抜けだった。メガネが我の誘惑に悩殺されておったり、娘が肉体を見て羨望する姿は実に滑稽であった」


「うぐ」


「~~!!」


 二人がダメージを受けた。

 今はこんなに可愛らしい姿のくせに、容赦なく心を抉ってくるな、コイツ。


「二重人格はそういった煩悩が見えなくてつまらん。娘とメガネと戦闘のことしか考えておらん」


「はぁ。…というか、俺は二重人格じゃなくてレイブン・グルジオだ…ですよ」


「僕はダンケル・ノクサー」


「私はメロウ・アブリオです」


 順番に自己紹介をしたが、子竜はさもつまらなさそうに嘆息した。


「知らん。我にとって、お前らは二重人格、メガネ、娘だ。それ以上でもそれ以下でもない」


 めんどくさいな。なんというか、スイランと似た何かを感じる。

 何だ二重人格って。名前の付け方雑すぎるだろ。


「支障がないならこれで構わんな?早く街まで案内するがいい」


「…はぁ。じゃあ行こうか」


 後のことを想像して足取りが重いまま、ダンケルはすごすごと歩き出す。

 小竜は俺の肩に乗った。


「早くいかんか」


 首を前にいるダンケルの方に振って移動を促してくる。

 人使いの荒いドラゴンだ。

 まあ、これくらいなら軽いし別になんてことないが。

 紋章をなぞってブレインに切り替えてから、軽く子竜の頭をなでた。


「仕方ないですねドラグリオンさん。俺が連れて行きましょう」


「うふふ、口ではそんなこと言っても、顔は正直ですよ」


「わかりやすい男だの」


 ☆


 もう日は落ちていて、暗い道を三人(と一匹)で進む。

 特に注意すべき魔物もいないので気を張ることもなく、色々談笑しながら歩いていた。


「ところでレイ、あの約束、忘れてないよね?」


 あの約束?


「何のことだ?」


「忘れたとは言わせないよ?今夜は例の店でって言ったの、レイじゃん」


 …思い出した。呪具を壊すためにダンに先陣を切ってもらう時そんなことを言ったような。


「本当に行くのか?」


「当然。レイのお金で食べて飲めるからね」


 結構図太いことを言っているが、俺の方から奢ると言った手前反論できない。

 手持ち金は結構あるから支払いは問題ないが、いきなりの出費は痛いな…。いや特に買いたいものもないが。


「酒か!?我も飲むぞ!!」


 ドラグリオンが『飲む』という言葉に食いついた。

 羽ばたいて俺の肩を離れ、空中に移動。


 また変身魔法を唱えた。

 最初に変身した銀髪大人の女だ。ダンケルがあっさり落ちたやつ。


「魔力云々など後回しでよかろう?久々に酒が飲みたい気分だ」


 さらに出費がかさむのか…。ドラグリオンが食事にお金を払う文化に従うとは到底思えないし。


「ドラグリオン含めて四人分の代金か…。あの店まあまあ高いってのに」


「私の分は自分の所持金からでも…」


 メロウが名乗り出た。

 気遣ってくれたのだろうが、ここでその提案に甘えると俺は男として終わりかねない。

 左手を前に突き出して制止した。


「いや、メロウの分は俺が出す。これはなんというか、男として譲れん」


「おっ、レイも最低限の紳士の心持ちは残っていたのか」


「あはは…。」


 メロウが苦笑いする中、ドラグリオンは何か不満げそうに話しかけた。


「なあ二重人格よ、いちいち正式名称で呼ぶのは面白くない。我のように素晴らしい愛称をつけるがよい」


「は?」


 いきなり何を言い出すんだ?

 どう考えても即答できるような内容じゃないし、『二重人格』を素晴らしいと思えるセンスどうなってるんだお前。


「む。我の愛称に文句があるのか?」


 あーそうだった。心を読める能力めんどくさい。


「顔に出ておったわ。読心魔法が使えんでも想像くらいつく」


 わかりやすくて悪かったな。

 というか俺の心の声と会話するのやめろ。なんか以前にも似たような状況があった気がする。


「ならさっさと考えんか。」


「はいはい」


 えーと、ドラグリオン…ホワイトドラゴン…ドラ…


「リオンでどうだ?ドラグリオンだし」


「めっちゃ安直だね。その人形をブレインって名付けたレイらしいや」


 なんか外野にディスられたが、当の本人は———


「リオンか…!良いではないか!よし、これから我はリオンと名乗るぞ!」


 うんうんとうなずいて満足気だ。


「どうだダン?一発で満足させる俺のセンスは」


「センス0同士、気が合うんじゃない?」


「「なんだと!?」」


「ごめんごめん」


 愛想笑いをしながら手を振ってごまかすダンケル。こういうところも相変わらずだ。


「…と、そろそろ出口だね。出たら左に曲がって、少し歩けば僕らの目的地、『ダンテズブロウ』だ。竜の討伐…いや懐柔?まあ何でもいいや。の祝杯をあげよう」


「なあダン、それなんだが、この一件を世間に公表するのはやめないか?」


 ダンケルはきょとんとして聞き返す。


「ん?なんで?」


「呪具ぶち壊す時、俺はレイブンの姿に戻った。もしあの光景の目撃者がいたとしたら、俺の情報が広まって最終的にお前やメロウにまで被害が及ぶかもしれん。だから、わざわざこちらから情報を広めるのは怖い」


 ダンケルは少し悩んでいたが、うなずいて納得してくれた。


「ほうほう、僕は竜狩りの名声とか大して興味ないから別にいいかな。二人はどうだい?」


「私も大丈夫ですよ。レイブンさんやダンケルさんとの日々の方が大事です」


「ふん。我は今ここにおるだろうに、竜狩りの称号など七千年早いわ」


 全員納得してくれた。


「助かる。…じゃあ、今夜は飲むか」


「「「おー!」」」


 心なしか皆テンションが上がっているようだ。

 俺も、堂々と店で食事ができることが何年ぶりかわからない。楽しみだ。


「ところでレイ、ちょっとはお酒、強くなった?」


「わからん。三年くらい前にお前と飲んだのが最後だ」


 その一言を最後に、俺たちは森を抜けた。

 店や家屋の明かりが灯る、夜の街がそこにあった。


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