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人生は、小説よりも  作者: 聖沢 雅
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2023年、初夢

 インターネット上の知人、というのは現代であればもはや普通の存在である。私も仕事の都合でFacebook等に登録しているものだから、実際会ったことはないけれども知り合いだという人が結構いる。

 その一人、Tさんは有名な俳優とのツーショットや洒落たカフェの画像といった、いわゆる「映え」をよくアップロードしている年齢も職業も不詳の男性だ。そんな清潔感ある外見の彼が、どういうわけか、私に料理を振舞ってくれるというのだ。電話口から確かにそう聞いた。


 カーテン越しに窓から射し込む光が柔らかな、木目調のやはりお洒落な部屋に、私は弟と妹も連れてお呼ばれになっていた。大食いの聖沢三きょうだいでお邪魔しているんだから本当に邪魔である。

 しかしテーブルに並べられていく料理は多彩で、ひとつひとつの量も多い。スパゲッティやピザなどイタリア料理がメインだ。むしろ我々でも食べきれなさそう。いや、聖沢家は法事の際なども高齢化が進む親族一同のテーブルから回ってくる全ての料理を片付けていく強者である。負けるものか。

「それでは、いただきます」

 早速、私は大皿からスパゲッティを取り分けようとして、ふと横を見る。


 弟と妹が麺を両手に掴んで食っていた。


「は?」

 私は慌てた。人前、しかも実質初対面の相手を前にしてスパゲッティを素手で食う奴が日本国内のどこに存在するというのか。おい、やめろ。いい加減にしろおまえら。私は言葉にこそ出さないが、見た目が完全にヤクザとの呼び声高い表情で弟妹を睨んだ。

 すると二人は私のほうを一瞥、抗議の意を示すかのように、掴み取った麺を両手で押し潰し、オニギリのように固め始めた。

「は?」

 マジで意味わからん。こいつらどこの文化圏で生きとるんや。そして自ら拵えたイタリアンオニギリを大口開けて齧る二人。弟と妹。二親等。


 そこで目が覚めた。たぶん年末に実家で食べたペヤングペタマックス(4184kcal)と、母が大量に茹でてしまった年越し蕎麦を二杯食べた麺づくしの記憶が、スパゲッティの悪夢に繋がったのだと思う。これ縁起としてはどうなんだろう。何かいいことないかな。何かいいことないかな。

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