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人生は、小説よりも  作者: 聖沢 雅
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覚え違い

 私が本当に小さかった頃だけ、日曜になると父がいて、家族みんなで夕食を共にした。


 だいたい19時には食べ終えて、だらりとテレビを観ながら、誰が風呂に入るか譲り合うのが常だった。


 父は、私が買ってもらえる愛読書『週刊少年ジャンプ』の時代劇作品だけ読む。一方の私は読んでもよくわからないので、それらは曖昧に読み流していた。


 そんな時、『るろうに剣心』の連載を見つけた父は、あんな時代劇っぽくない絵柄の作品なのに何故か熱心に読んでいた……のだけども。


 何度も読んでいるはずなのに、父は「るろうに()剣心」と発音するのだ。


 たしかに「流浪人」だし、まあ間違ってはいないのかも知れない。ただ、そもそも作品タイトルは平仮名(ひらがな)で「るろうに」。


 それをどうして(かたくな)に認めないのか? 謎のままだった。


 いや、それはいい。


 私たちはもうひとつ、重大な問題を残している。


 日曜のテレビ番組「特命リサーチ200X(にせんエックス)」を、

「特命リサーチ200X-MEN(にせんエックスメン)」だと言うのだ。


 私が何度か訂正しても、「にせんエックスメン」と言い張って聞かなかった。


 父はとっくに故人であるが、今からでもマーベル・コミックに謝れ。

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