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人生は、小説よりも  作者: 聖沢 雅
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いちご大福

 城陽(じょうよう)の旧実家にて暮らした頃、地元には松屋(まつや)という、三百年の歴史をもつ和菓子屋があった。母は甘い物が好きなので、しばしば何やかやと買ってきてくれた。


 私は幼少を通して肥満児であったし、和菓子より洋菓子のほうを好んでいたと思うのだけれども、松屋のいちご大福に関しては特別だった。毎年、季節が来るのを楽しみに待っていた。


「あんた、なんでひと口で食べんねや。有り難みがないねん。もう買って来おへん」


 小学生のある日、いちご大福を高速で食べる太った長男の醜態を見た母は激怒。以来、本当に買って来てくれなくなった。それからもう二十年は経ち、住まいを独り立ちした今でも、帰省した実家でいちご大福が出てくることは一度もない。


「もう買って来おへん」


 その言葉は、子供の私には想像も出来ないほど、重かった。


 ……というのを笑い話として、職場でお客さんに話していると、皆様いちご大福をめっちゃ差し入れてくれるのだけど、その度に色々と申し訳ない気持ちでいっぱいになるのだ。




 ちなみに今でもひと口で食べてる。

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