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人生は、小説よりも  作者: 聖沢 雅
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世界に色が生まれる瞬間

「おじいちゃんが若かった頃、世界は『白黒』だった」という壮大な歴史。


 私の妹が、それを勘違いであると知ったのは、ある程度大きくなってからだったらしい。




 どういうことか説明すると、妹は「自分が生まれる数十年前に撮られた昔の写真や映像は、みんな白黒に写っている」という事実を鑑みた上で「大昔、世界に『色が生まれる前の時代』があった」と考えるに至ったのだとか。


 色のない世界。


 写真の技術云々(うんぬん)ではなくて、ある時、世界のほうが劇的に変化した……という発想。


 それが、私は好きだった。


 私にはできなかったし、今後そういう世界を想像できることもないだろう。


 真実を知った今、妹自身の意識からも、その「白黒だった世界」は消えてしまったのかもしれない。


 幼い妹が描いた大昔の世に、突然「色」をつけたのは、何ものだったんだろう。

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