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十四.《生徒になることになった》

「さて、始めようか」


 あれから、三日が経った。俺はどこか現実味の無い時間を過ごしている。

 あれやこれや、聞きたいことはサカエさんの授業を受ければ、解決するだろうということで、あの食事の場では詳しいことは聞けなかった。

 分かったことは、ヒビキ同様にトワさん、サトミさん、ナルさんも跳べるということ。

 瞬間移動?転移?ワープ?まあ、A地点からB地点への瞬間的な移動ということで、瞬間移動としよう。

 彼女たちはヒビキの創った結界の東、南、西の端にある建物、今居るような建物に住んでいるらしい。そこに居て、ヒビキが結界を保つためのサポートをしているらしい。

 あの場に現れたのは、俺の確認の為で、滅多に全員が揃うことはないらしい。

 なので、俺の対応が決まると三人はさっさと帰って行った。

 その後、サカエさんが鶏を見せてくれた。

 確かに、遺伝子異常というか、全く別物の生物が居た。

 見た目は、某アニメの乗馬できる鳥。色も黒っぽくてチャボっぽいのが益々、アニメの鳥を連想させる。見た目だけなら、可愛い。ただ、そいつの動きが奇妙だった。

 立って緑の草を食べていたのに、サカエさんに気づいた途端、やつらは腰を落とし、アヒルのようにお尻をふりふり、頭をぶんぶん左右に振りながら、地面すれすれをくねくねと一斉にサカエさんへ向かって移動し始めたのだ。

 それを見た俺の気持ちが分かるか?

 やつらの動きはまるで、蛇。いや、お尻がでかい分、伝説の生き物、ツチ○コなのか?ん、ツチ○コが動いてるとこなんて見たことないから、違うのか?しかし、兎に角、蛇の動きに愛しさを覚えない俺にとって、奴らの頭とお尻を別々に右左と動かして、どうなっているのか分からないが、上下運動もなく、滑らかに移動する姿に愛おしさは勿論、可愛らしさなど微塵も感じなかった。

 見た目、可愛いのに、移動の姿が気持ち悪いなんて、残念だ。


 あとは、暇を持て余して建物周辺とかを散歩して過ごしていたんだが、なんだろ、人が居ない。

 確かに案内人として、ナーナさんが付いて来てくれたけど、他の人たちとは全く会わない。

 食事の時は、セイと二人か俺一人だけで、何故かサカエさんもヒビキも同席しなかった。


 そう、俺は寂しい。


 たった三日だけど、人が居ないってなんだか、寂しい。

 前は、通学するにも誰かしら他人でも、すれ違う人がいて、見知った守衛さんとは挨拶したり、何かしらのコンタクトがあったけど、ここは、どうだ、すれ違う人すら、だあれも居ない。

 ナーナさんは俺に話しかけて来ないし、俺が話しかけても、必要最低限の言葉しか話さない。会話のキャッチボールが全く無い。

 寂しい。


 と、感じていたけれど、ようやく、授業が開始される。


 お世話になっている建物の玄関に居ます。


 セイとサカエさん、後ろにナーナさん、四人が玄関に立っています。

 玄関?ホールかな。

 内開きの分厚い扉が開かれ、外の明かりが差し込んでいる。

 因みに、外は雪の薄化粧。若干、寒い。


「今日から陸を交えて、勉強会をする。しばらくの間、星にとっては聞いたことのある話が続くと思うけど、復習だと思って聞くように」

 サカエさんの言葉にセイが肯く。

「はい、先生」

 先生、確かに、サカエさんは先生だな。


「さて、世界は東西南北を守護する女神と大神がいることで、保たれている。ここは北の神殿。北を守護する女神、星が住う場所だ。それぞれの神殿には同じ絵が飾られている。」

 サカエさんが玄関正面の壁を後ろ向きに指差した。

 外から差し込む日の光から逸れているが、大きな額に絵が飾られているのは見えた。


 真ん中に描かれた長い黒髪の人物から光が溢れ、緑の髪の女性と赤い髪の女性、青い髪の女性と金の髪の女性が描かれている。


「初代の四季神たちと大神だ。当時は季節を思い、四季神と呼ばれていたが、今は女性だけというのもあって、希望の光の女神として希光女神と言われている。」


 ん?『今は』?絵もどう見ても女性だけのような。黒い髪がヒビキだとして、緑の髪の女性がトワさんで、水色じゃないけど、おそらく青い色の髪の女性がサトミさん、じゃあ、残りの赤か金の色の髪の人物が男性なのか?


「彼女たちは大神に力を貸し、結界の強化に関わっている。東の永遠、南の智美、西の奈留、北の星。先日会っているな。彼女たちは大抵、それぞれの神殿に居る。星はまだ未熟なため、館から離れることは出来ない。よって、私は出張教育をしている」


「はい、先生、質問してもいいですか?」


「どうぞ、陸くん」


 お茶目さんなの?サカエさんは掛けてもいない眼鏡を押し上げる仕草をしてみせた。


「あの絵は女性ばかりに見えますが、トワさんとサトミさん以外は男性ですか?」


「青色の髪が青年だな。赤色の髪の女性と仲睦まじくしてるよ。二人の後に奈留と先代の北の女神が響樹の補佐に着いた。あ、智美はコロコロ髪の色を変えるから、気にしないように。初めて会った時は綺麗な濡髪だったんだけどね、世界を知ってから綺麗な色に憧れを抱くようになったから、好きな色を身につけるようになったんだよ」

 濡髪って、いつの時代の言葉ですか。まあ、綺麗な黒髪って分かりますよ。知ってますよ。でも、今でも使われるんですか?

「はい、先生」

「はい、陸くん」

「ヒビキをサポートできる人が女性だけになった理由は?」


「力の強さ」


「力?」


「何故だか、男性よりも女性の方が力が強い。今まで、誰もそのことに疑問を抱かなかった。響樹が選ぶ、それが条件。響樹が選ぶのは強い力を持つ者。陸、何故、女性に強く力が現れるのか、知りたくないか?」


「何故、ですか?」


「・・・、知らん。それを調べるのが陸だから」


 はい?


「リク、これは予見、大巫女は時を見る。大巫女が、リクが調べると言うのだから、リクなら分かるのが見えたんだ」


 セイがよく分からないことを言う。


「予見?時を見るって?」


「私の言葉を信じろ、お前を信じろ。そうすれば、謎は解ける」


 どこかの探偵の決め台詞かのように格好良く決められてしまった。

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