十三.《俺、どんだけ眩しいんだ。》
まあ、兎に角、彼女たちにとって、俺は眩しい存在だということで、彼女たちが目を瞑っていることは仕方ないことだと納得しよう。
さて、
「力を流すとか、繋がるってどういうことだ?そもそも力って何だ?」
「リク」
ニコニコ笑ってるヒビキが怖い気もするが、俺の質問に応えたのはサカエさんだった。
「もう、分かってるだろ?前時代、つまり陸が居た時代で言われていた超能力のことだ。似非ではない、タネも仕掛けもない。先程、響樹がやってみせたように、身体に接していないのに物を動かせ、見えない壁を作り、大気すら浄化する。また、他者への精神に関与する。陸、私たちは前時代では化け物と呼ばれて当然の、異常な存在だ。だが、そうでないと、あの世界を乗り越えることは出来なかった。そして、まだ、救われていない。地球を人が住める大地に戻すまで、私たちは存在しなくてはならない」
化け物と言うサカエさんは卑下しているわけでもなく、また、驕っているわけでもない様子で俺の目を捉えたまま彼女の、彼女たちの決意を述べた。
しかし、俺に超能力があるなんて思えない!絶対に違う。
「それがいつになるか、見当はついてるんですか?」
「いや、全く」
「寿命が来るんじゃ?」
その問いに、クスっとセイが笑った。
「私以外の方々はその問題から解放されている」
「セイ以外?」
「私はまだ成人していないから、それまでは成長する。その後は、身体の成長を止めて、大神とともに、時を過ごすことになっている」
と、いうことは、三人も見た目とは違う年齢なのか?
「トワとサトミは初めからのメンバーで、ナルは五十年程前にメンバーになったから、過ごした時で考えれば、リクはセイの次に若いことになるよ」
「うへぇ、信じられん。トワさんは俺より年下に見えるんだけど」
百歳超えか・・・
「若く見える?嬉しい。女は常に若くないといけないもの」
瞼を閉ざしたままだが、トワさんがこちらに顔を向けて微笑んだ。
「話を折って悪いんだけど、俺が眩しいのはなんで?」
「あら、何故とは、困ったわ。どう言えば伝わるかしら」
眉を寄せ、困った顔でトワさんが方頬に手を当て首を傾げた。
「それは、リクが力を自覚してないからだよ。力のダダ漏れで、眩しく感じるんだ。所謂、無駄遣い」
ヒビキにお小遣いを無駄遣いしたみたいに軽く言われてしまった。困る。
「力なんて無い」
「あああぁ!もう、なんで自覚できないの?そんなに余りに余ってるのにさ」
「ヒビキに言われても、俺に力なんて無いよ。あったら帰ってるだろ?」
「いや、自覚出来てないだけ!自覚できたら、帰れるかもしれない。確かに、力を自覚して、自由に使いこなせる者は少ないよ。この結界の中で、力を使いこなせているのは此処にいる六人とあと数名だけだから、リク、力を自覚して、使いこなせるようになろう」
ん?此処にいる六人?
ヒビキ、トワさん、サトミさん、ナルさん、セイで五人、え、だとしたら、サカエさんも?そうか、そうだよな。百年も前から生きてるんだから、普通に人じゃないよな。
「そうだね、陸が力を使いこなせるようになれば、大方の質問の答えが分かるようになるだろうさ。ついでだから、星と一緒に勉強しようか、陸」
「ちょっ、ちょっと待って、ツカサ。ツカサが面倒を見なくても良くない?」
「ついでだと言ったろ?星と一緒だから、二人きりにはならないよ。それでも駄目か?」
「うっ、うっ・・・、僕が「駄目です。タイシン、あなたは、あなたのお仕事に集中して頂きたい。そんなにご心配なら、私たちが交代で大巫女の側におりますよ」う、トワ・・」
なんとも情けない顔をして、トワさんを見るヒビキは、もしかしなくても、心配し過ぎのサカエさんラブなのがありありと分かり、なんとも、可愛いというか、おじいさん少年のくせに初々しいというか。
そんなヒビキを無性に弄りたいと思うのは、俺が駄目な人間だからなのか。
結局、俺はセイと一緒にサカエさんの生徒になることになった。




