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十一.《綺麗に何も無くなっていた。》

「さあ、話をする前に、リク、君はどうやってここに来たの?」


 空になった食器が下げられ、食後の飲み物が並べられていた。


 ヒビキの声がどうしてか、大きく聞こえた。


 未来へ来たなんて、まだ信じられないでいる俺に、ヒビキはストレートに聞いてきた。


 どうやって?そんなの、俺が知りたい。


「俺が覚えてるのは、大学の研究室で先輩の手伝いをして、機械の配線を変え終わったところまでだ。先輩がタブレットを手にして操作をしていたのは、見えていた。そこから先は、あの部屋で目が覚めるまで、全く覚えていない。むしろ、俺が知りたい。どうやって、俺は時間を超えたんだ?」


 タブレットって何?とか聞かれるかと思ったが、意外と静かだった。


「方法は分からないよ。ただ、君は身体一つで、時を超えた、ということは確かだ」


 ヒビキの言葉に疑問を投げ掛けると、ヒビキは首を傾げ、何もないところから現れた俺を回収したのが自分なのだと告げた。


「一応、結界、あ、さっき見せた赤い壁のことなんだけど、知っての通り、結界は僕が維持してるんだよね。だから、何らかの異常が有れば、直ぐに分かるんだ」


 うん、そうなんだ。俺から見れば、凄いの一言だ。やっぱり、ここ、異世界なんじゃね?


「昨日の昼間に突然、背中の届かないところが痒くなるみたいな、チリチリした嫌な感覚がして、緊張したんだよ。だって、この百年の間、こんなことって初めてだからさ、驚いて、何処が異常を発してるのか、探ってみたんだけど、それが覆ってるとこ全部なんだよ。見た目は何も起きてない、けど、おかしいし、手を拱いてる状態が一時間くらいかな、続いてさ。そしたら、そのチリチリ感が集まり始めたんだ。そこが、中央塔の真上」


「中央塔って俺が目覚めたとこか?」


「そう、慌てて来てみたら、やっぱり見た目は何ともないんだけど、不快感が半端なくて、気持ち悪いのを我慢してたら、卵が割れるみたいに、何ともなってない空間から君が現れた、パカってね」


「卵が割れるみたいにって・・・」

 人を何かの雛みたいに言うなよ。

「それで、現れたとこが空だったから、自由落下?あ、気を失ってるみたいだ、落ちたらヤバいよねって気付いて、回収したんだよ」

 回収って簡単に言ってるが、落下する物体、つまりは俺は相当重かったはずだ。

「あー、ヒビキさん、回収って言われますが、俺、相当、重いはずですよ?どうやって回収されたんですか?」

「えー、重い?重いんだ。だって、こうじゃん」

 途端、机が、俺が、サカエさんやセイがぷかぷか浮かんだ。

「わ、わ、わ、ちょっ、ちょっと!何これ!」

「落ち着け、陸。響樹の力は無限だ。メンバーの中で一番強いからな」

「いや、落ち着かないから!ヒビキ、降ろして」

「いいよ。で、こんな感じで回収したんだよ」

 ヒビキ一人で俺を運んだことは分かった。でも、あの建物には、俺とヒビキ以外、本当に居なかったのか?

「ああ、分かった。危ないところを助けてくれて、ありがとう、ヒビキ」

「なんてことないよ。そうなると、自力で過去に戻れる可能性は低いね。リクはさっきみたいな力を自覚してないでしょ?」


「ま、まあな、俺は普通の学生だったわけだし、ヒビキみたいにおかしなことは出来ない」


「おかしなことって酷いな。僕には『普通

』のことだよ。そうだね、君たち四人にも、『普通』のことだ」


 四人?


 ふと、風が流れた気がしたのも重なって、ヒビキが見る俺の後ろを振り返った。

「うわっ!」

 思わず声が出てしまった。


 動いた気配もなく、三人の女性たちがそこに居れば、誰だって驚くはずだ。

 三人とも、長い髪を編んだり結ったりしているが、黒髪はまだいい、でも、残りの二人の髪の色は、日本人でもなければ、地球に居た人たちとは全く違う、薄緑色と水色だった。


 やっぱり、異世界召喚ではないのか?

皆様、

来年もよろしくお願い致します

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