表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男装竜騎士  作者: 根尾 彼方
9/45

9

 「ふむふむ」

 人の魔力量を市街地まで含めてデータを取った。


 わかったことは、市外で働く人は、ほとんど魔力がない。

 紙とペンを創造魔法で作ると、サラサラと紙に脳内をまとめ出す。



______________________________


データ収集場所王都


魔力量 = 割合(%)

ほぼ0 = 51%

0~10 = 14%

10~20 = 12%

20~30 = 8%

30~40 = 3%

40~50 = 2%

50~60 = 1%

60~70 = 3%

70~80 = 5%

80~90 = 約1%


メモ

測定不能1人

自己評価魔力量 推定200


場内竜騎士魔力量20~40

40~50は竜騎士と魔術院混在?

魔術院魔力量  50~80

国王魔力量   推定160

王太子魔力量  推定100


_________________________________



 一通り書いた後考える。

 測定不能は私の魔力と相性の悪い聖女の魔力だとあたりをつける。

 

 それはかなり興味深いが、多分会いに行くこともできないし魔法で探れないので深追いするのはやめることにした。

 魔王の封印のプロであろうけど、私は魔王封印は目に封印式を施していたのを知っている。あれは聖女の魔力でやるからこそ強力な封印式としてなりたつだろうし、自分の魔術と相性が極めて悪い。だから、幻術が効きにくて目を閉じて生活することになってしまう。


 最終手段だから使わないでおこうと考えた。




 自分が努力して制限魔法を自分にかけて落とせるとしたら、100くらいだろう。

 それでは、私は20までには落とせない。


 ここにいる竜騎士が最低20くらいだから、竜騎士の学校に入るために必要なのは10くらいなのかもしれないとあたりをつける。

 100を10まで聖女の封印なしで落とす。どうするか。





 ウンウンと考えていたら、封印具にすることを思いついた。






 創造魔法を使い、封印具を思考錯誤して作ろうとする。知らぬ間に昼は過ぎ夜になっていた。

 部屋全てに幻術をかけ、自分の分身を見せて行動させていたから、難なく昼も夜も出されたものは食している。



 グラさんは忙しいのか、一度多量の本を残して出て行った以来来てはいなかった。



 あらかたはできた。師がいない中作る封印具はもはや一般的な封印具とは違った。


 指輪に多段階術式を織り交ぜて作り上げた一品はつけた瞬間自分の魔力を吸い取っていく。

 すごい。


 力をせき止めるのが普通の封印だが、この指輪は違う。常に装着者の魔力を吸収し続ける。

 そして必要とあれば貯めていた魔力を放出することができる仕様だ。



 魔法を使えない市民が使っている魔石のシステムの改良版だ。

 意識を市民に向けた時魔力がほぼ0の人はどのように生活しているのか気になって観察した。

 すると、どうやら魔石を使って私が自身の魔力で行っていることを補っている、とわかった。


 魔石は、魔法を発動するときにエネルギー源として用いられる。自然の中で蓄えられる魔力が石に宿っており、使い捨てが多いが最近は使い終わった魔石が問題視され始め、何度も使える充電式の魔石の開発も進んでいるらしい。

それが今日分かったこと。


 子供の頃からおもちゃとして慣れしみ、村にいた頃のそこらへんの石レベルの魔石をすごく大切そうに持ってる人たちに驚きはしたが……



 そして、やっととりあえずは使えそうな試作品ができたので、全身に浄化の魔法をかけ、服を着替えて寝ることにした。











***



 その日、元魔王は娘が心配になり、遠見と隠蔽の魔術で延々と創造魔法で試行錯誤する我が子の成長を見ていた。

 部屋に来るのはグラさんくらいで、バレるとまずいのはグラさん以外の人たちだから、目くらまし程度にしか幻術を使っていなかったから、元魔王としては簡単に見破れた。


 (楽しそうで何よりだわ。)


 親離れした我が子の幸せを願って、祝福の呪文をつぶやいた。



***


グラさんは幻術はあまりきいてなくとも空気を読める紳士神官です。

他に部屋を訪れる人は食事の世話をしてくれる侍女さんくらいで、ノックして許可もらってからしか入りません。

王が私用で招いた客と伝えられているので突然の客室への襲来はちょい暇でヒステリックな王妃くらいでした。


ママ(元)魔王、ちょっと不安になってしまったようですが、離れてからまだ1日しか立っていません(笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お読みいただき有難うございます!
こちらも覗いていただけたら幸いです。完結済みSF風小説です。タイトルをタップすると作品ページへ飛びます。
『不老不死の薬を作った少女』
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ