表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男装竜騎士  作者: 根尾 彼方
18/45

18(腰抜け)


 まだまだ道は続く。

 いくらたっても止まらない誘導員。

 誘導員?の人数が増えて、数名後ろから歩いてくる。

 先ほどよりも高度な幻術をかけようとしてくるが……

 私に効くわけもなく。



 そろそろ歩くの疲れてきたんだけどな。


 明るくしたらここには魔法陣がたくさん書かれているのだろう。誘導員の人は途中から同じ場所を何周も回って魔力を高めていると思われる。


 すごい魔力量まで増加させてきたな。私が抑えている魔力を少し解放させようか迷っていると、突然男が飛び出してきて切りかかってきた。


 キンッ


 金属と金属がぶつかり合う高い音がする。

 相手から見たら突然襲いかかることによって精神的な隙を作ろうとしたのだろう、が、私が逆に持っているはずもない金属類で跳ね返したことに動揺しているようだ。


 ゴクリ


 周辺から複数のつばを飲む音が聞こえて来る。



「何をすれば合格ですか。」


 ここで私は試験が始まってから初めて口を開いた。


 周りから答える声は聞こえない。

 何やら念話しているようだ。



 「皆さんに幻術でもかければ、合格ですか?少ない魔力量でかけるの結構つらいところがあるのですが。それをやってしまうと魔術院送りになってしまったりします?僕、竜騎士以外なりたくないです。」



 最初に誘導してくれていた人がやっと口を開いた。


 「正直申し上げますと、第1級魔術士である自分の幻術を解術し続けている時点で、魔術院推薦案件です。しかも、次第に効率化されていく。今作ってでもいうかのような式のくせに……正確。そんなお方が竜騎士になられるのは、正直もったいないと思います。」


 竜騎士に対する国の中での評価は様々だが、特に魔術師の人々は竜に一生を捧げる竜騎士をなぜか見下しているところがある。自分達の方が直接的に人の役に立っており、竜騎士は魔物の相手しかしていないという認識らしい。


 ほとんどの魔術師は自分達も魔物を相手にできると思っているが、実際相手にすると逃げ出す者が多い。

 「そんな腰抜けなりたくないですね。」とは、先ほどメリガンと魔術の話で盛り上がっていた時に、「それほど魔術を知っていて魔力もありながらなぜ魔術師を目指さないのか?」と近くにいるキノコ頭のメガネが聞いてきた事へのメリガンの返事だった。

 キノコは悔しそうにキッとメリガンを睨んでどこかへ行った。


 キノコに魔力を感じられなかったから、本当は魔術師になりたかったのかもしれないな。なんて、少し思った。




 それにしても、「そんなお方が竜騎士になられるのは、正直もったいないと思います。」だと……?


 「もったいない?何を基準で言っていますか?暗闇で切りかかってきて精神の揺らぎのきっかけにしようとした卑怯者どもが。僕は竜騎士になりにきた。この試験は、あなたたちをどうしたら合格なのかくらい教えてくださいませんか」


 少し感情が高ぶって、魔力が抑えていても漏れ出てきてしまう。


 「早く答えて?制御してるのわかるでしょ?僕がどれだけ魔力を抑えてるか、君ら第1級魔術師のくせにわからないわけない、よね?」



 ヒッ


 私の威圧に何人かが震えたり、息が詰まって苦しそうな表情をしているであろうことが伝わって来る。



 誰も何も言わないから、私は残念そうに眉をひそめる。

 すると、何かを感じたのか、誘導員が口をパクパクさせた後答えた。


 「い、いえ、あ、あ、の。合格で、す。」


 「試験ありがとうございました。ところで、次はどこへ行けばよろしいですか?目印だけでもお教え願えませんでしょうか?」


 目印とは、空間と空間での転送時に指標になるものだ。


 またもや答えがないので相手を安心させるように、にっこり笑ってみせる。

 ……逆効果だったみたいだが……


 目印になるものを教えてくれたので、少し魔力を解放させて

 パチン

 と指を鳴らしてそこまでの道を自分で作る。


 「ありがとう。腰抜けども」


 あれ、私こんなに口悪かったけな。でも、竜騎士バカにされるのは気に食わないのですよ。

 小さい頃からの憧れをバカにされて気持ちいい人なんていないわけです。

 


 顔面蒼白すぎて多少申し訳なくはなりましたが。言いすぎたし、ちゃんとした役目もやっていらっしゃるのに、腰抜け扱いは……少々気が高ぶりすぎていたと反省……

ブックマーク、閲覧ありがとうございます。


男装?とは、とおもわれる方も多いと思います。私もそう思います。

キャラが自由に動いてたらそんな感じになってしまいました。主人公は言わずもがなですが、メリガンもかなり自由に動いてます。

多分、寮とかは四人部屋(※現状の設定では)だしシャワーとか共同だから、なんかあるのかな。

でも見た目では解術されない限りバレないしな。解術できるの魔力量的に考えたらいないし。

うーん?何かアクシデントでも起こるんですかね(このまま書いてたらきっと何か起こる)

・・・1つそれ関連の裏設定としては月の物はごまかせないんです。その間は局部の立体的幻術化が困難です。視覚的には大丈夫。ここら辺の設定忘れてなければひやっとするのこれで、でしょうね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お読みいただき有難うございます!
こちらも覗いていただけたら幸いです。完結済みSF風小説です。タイトルをタップすると作品ページへ飛びます。
『不老不死の薬を作った少女』
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ