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男装竜騎士  作者: 根尾 彼方
16/45

16(幻術勝負)


 試験開始までメリガンと楽しく話した。メリガンは魔術の腕がすごく良い。魔力量は多くなくとも、魔術の式がとても効率化されている。私はいつも魔力でゴリ押ししてしまっていたから、魔力量を制限される状態になってから正直困る事の連続だった。


 特に、今の魔力量だと創作魔法が使えなくて困っている。

 ほぼ全てを「男」に見せるための幻術へ使ってしまって、いつも使えていた魔術が使えない。

 必要な時は自分で制限をかけている魔力量を解放してなんとかしていたが、そんなことするよりは魔力量が少なくてもできるように効率化した方が良いに決まっている。


 メリガンの話をヒントに色々試したい魔術式を頭の中で構築していった。




 第一次試験会場へは受付順に10名ごとに部屋へ分けられ、部屋は10ある。

 すなわち、一回に100人同時に試験を受ける事になるようだ。私は700番台なので7回目の試験だとわかる。



 開始されて10分経ったが誰も出てこない。

 20分後も出てこず、30分後に次の試験を5分後に開始する事がアナウンスされた。


 終わったら別の部屋にいく仕様になっているようだ。

 不安な面持ちで受験生たちがアナウンスに従って部屋に入っていく。



 私はおとなしくメリガンと待つことにした。


 そして、数時間後、私達の番がやってきた。


 番号が連番であったが、運悪く間で切れることもなく、同じ部屋になった。



 扉から部屋に入ると、そこには何もなかった。

 試験誘導員という腕章をしている人が一人立っているだけだ。

 10人揃うと、入ってきた扉が閉まった。



 「これより、試験会場にご案内します。私についてきてください。」


 くるっと誘導員の人は私たちが入ってきた扉に向かう。



 試験終了後、誰も出てきた人はいなかったはずだが?

 と怪しみながらも、ついていく。


 誘導員の人すごい魔力量だ。本当に「誘導員」なのか?「試験官」の間違えでは?


 誘導員が扉を開くと、さっきいた空間は真っ暗な場所になっていた。

 その時点で何人かの足が止まった。


 誘導員は後ろを振り返らず足を踏み入れていく。

 私は迷わず誘導員のあとをついていった。それにメリガンが続く。私が闇に消えたところで他の人も気持ちを決めたのか、闇に向かって足を踏み出す。


 全員が闇に入ったところで、扉が閉まり後ろからさしていたわずかな光が消えた。



 完全に何も見えない。


 カツンカツン


 靴の音が響く。


 それでも私は歩みを止めない。

 誘導員の魔力はまだ前に進んでいる。

 他の人の魔力をサーチすると入口付近に7つ、私と入口との間に1つ、私のすぐ近くに1つだ。


 バタッ

 バタバタ・・・


 人が倒れる音が後ろからする。

 入口付近の7人が倒れたようだ。

 いや、倒れたがすぐ起き上がって横に向かっていく。


 魔術をかけられたか。


 夢の中で何かを見せているようだ。

 体は、邪魔だから誰かが動かしたか。


 ふむふむ、真ん中にいた人とも間が空いていく。

 それでも、誘導員の人が止まらず奥へ進んでいくから私はついていく。


 真ん中にいた人も誘導員から一定の距離があくと先ほどの入り口付近の人と同じようになった。



 さて、何が正解なのかわからないが、次の指示がないから、そのままついていく。

 足音が少し変わった。

 床の質が変わったようだ。


 突然近くにいたメリガンが倒れて、置いていかれる。


 床の質が変わったところで、この部屋の魔術の質が変わったのはわかった。

 多分、メリガンは急な変化に適応できず、倒れて夢でも見ているだろう。


 そろそろわかってきた。

 これは、幻術にはめてその中で試験を行っている。


 だが、私に幻術をかけようとは……この程度では無理だ。

 申し訳ないが、魔力量は確かに絞っているが、こんな粗雑な幻術には、かかってやれない。



 まだ道は続く。


実はチート努力系メリガンさん。今後の活躍にご期待くださいバタッ

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お読みいただき有難うございます!
こちらも覗いていただけたら幸いです。完結済みSF風小説です。タイトルをタップすると作品ページへ飛びます。
『不老不死の薬を作った少女』
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