模擬戦
◆◇◆◇◆校庭◆◇◆◇◆
はい、どぉ~もぉ~
【高城ハルト】でーす。え?この自己紹介あきた?
......分かったよ!!次までに面白いの考えてくるよ!!
「スライムさん、そろそろ始めるよ......」
おぉっと、もうそんな時か。
敵は......あいつか......
ウロヤクは一匹の魔物を連れてきた。
おそらくあれが奴の使い魔なのだろう。
とりあえず【鑑定】
【個体・ナイトゴーレム】
【Lv.3】
【ランクDの魔物、騎士の甲冑を着て素早さは低いが一撃で放つ攻撃はランクEにしては高く、ランクGのスライムなんかは余裕で倒せる】
毎度思うけどこの説明は誰がかいてんの?
これはイジメか?
ってか俺はランクGだったのかよ......
「それじゃあ、両者準備はいいな?それでは......はじめ!!」
先生が開始と叫んだ瞬間、ウロヤクとナイトゴーレムが動き出した。
「ナイトゴーレム!!あのチンケなスライムを叩き潰せ!!」
「わがっだ」
ナイトゴーレムは甲冑をガシャガシャ音を立てながら近付いてくる。
ウロヤクはそれを後ろから押している。
「スライムさん、私たちもいくよ!!」
『あ、ちょっと待ってその前に試したいことがあるんだ』
「......へ?」
【威圧Lv.10】を【個体・ナイトゴーレム】に発動
「が、がががが」
俺が威圧を発動するとナイトゴーレムは動きを止めてその場で小さくなり頭を丸め込んだ。
「ど、どうした!!ナイトゴーレム!!起きろっ!!くそ!!」
「ね、ねぇスライムさん、あれ何したの?」
『俺のスキルでビビらせた、それと次に......』
【催眠術Lv.4】を【個体・ナイトゴーレム】に発動
俺は念話をナイトゴーレムの方に飛ばす。
『おいお前、模擬戦を放棄して今すぐ逃げた命だけは許してやる』
「ぐぎ、あ、あなだば?」
ナイトゴーレムは俺の念話に気付いたようだ。
「む?今のは念話か?ウロヤク君か?」
「くそっ!!くそっ!!動け!!」
おぉっと、ナイトゴーレムの方角に念話を送ったから様子を見に来た先生とウロヤクって奴にも届いたか。まぁ、幸いウロヤクはナイトゴーレムを蹴るので気付いてないようだ。
先生は悪い人じゃ無さそうだし、このままバレてもいいかな?
まぁバレないのがベストだが、バレたくない理由は簡単だ。
さっき部屋でのエミリの反応を見てわかった。
念話とかスキルの使える魔物って希少価値が高いらしい。
だから俺はバレたくないのだ。
『ナイトゴーレム、俺はお前と戦ってるスライムだよ。俺の主をもし襲うようなことがあれば......命はないと思え、以上だ』
その言葉を言った後あとナイトゴーレムは俺の指示通り試合を放棄して、逃げていった。
その様子を見たウロヤクは怒りを露わにして地面を数回ドンドン足踏みしてナイトゴーレムを追いかけていった。
◆◇◆◇◆模擬戦終了後◆◇◆◇◆
「エミリ君、後でそのスライムを連れて私のところに来てくれ」
それは先生の言葉だった。
まぁ、だいたい予想はついてたがな。
念話を範囲に入れてしまったから多分ナイトゴーレム君との会話がきかれてたんだろうな。
「?はい、わかりました」
俺はエミリ個人だけに聞こえるように念話を話す。
『エミリ、出来れば俺の事は隠し通したい。バレそうな時はしょうがないけど......
』
ちなみに念話を個人で送れるのは近くにいる時だけだ。
近くいれば念話で狙いを定めることが出来るが、遠いほど念話がハズレる可能性が高い。
あの時は結構遠かったので、効果範囲を広げて送ったのだ。
さてと...どこまで感ずかれてるのかな....
ヒロイン登場しましたね~