勇者
はいはい、【高城ハルト】ですよー。
何かね、勇者召喚祭を見てたんだけどね。
召喚されたのがさ、俺のクラスメイトな訳よ。
再開を喜ぶ?ノンノン
俺のクラスメイトは確かに再開をしたい奴はいる。
だけどね、俺、いじめられてたんよ。
三分の一ぐらいの生徒にね。
だから再開したい気もするけど出来るだけ会いたくないんだよね。
「━━━と、言うわけなのです勇者様、我が国にお力を貸していただけないでしょうか?」
今、王様的な人が出てきて魔族と戦ってくれと頼んでいる。
「そ、そんなの出来るわけないじゃないですか!!僕達は戦った事なんて無いんです!!」
その言葉を言ったのはクラス委員長の【丸山信吾】、皆に優しいところから【ヤサオ】の愛称で呼ばれている。
「そなたたちは、女神様から何かしらの恩恵を貰ってるはずじゃ。ステータスオープンと念じればそれが分かるはずじゃ」
その言葉を聞くと生徒は次々と自分のステータスを見ている。
「あ、あれ?そういえば【ハルト】は?」
ヤサオが俺の名前を呼ぶ。
あれ?俺ってここに来るの数日前だよな?
もしかして時間の流れが違うのか?
それとも俺が少し前に個別に転生したとか......
【そだよー】
うぉ!!神ちゃん!!
ビックリさせないでよ!!
......ん?今そだよーって言った?
【うん、実はね、私のミスでね、君だけを個別で召喚しなくちゃいけなくなったんだ】
女神って神ちゃん事なのか......ちなみにそのミスとは?
【......えっと、魂と肉体の接続が切れた......とか】
それはつまり?
【......死にました!!ごめんなさい!!ちなみに言うと肉体が消滅しました!!】
............まぁ、そうだろうと思ったよ......
肉体が消滅した理由はあえて聞かないよ......
でも、今の生活の方が満足してるし、怒ってないよ
【おぉ!!さすが!!】
あの日常なんかよりは......な
そんな事を神ちゃんと話していると、どうやらステータスの確認が終わったらしい。
俺を探しているヤサオ以外は自分の現状を知るので頭がいっぱいらしい。
なにせ、突然異世界に召喚されて、これから自分の実力である最初のステータス確認なんだからな
「では!!ステータスを確認した所で民を安心させるためにここで発言していただきたい!!」
そう言うと、一人の男が前に出た。
あいつは前世で俺に相当嫌がらせをしてくれた【岡本祐介】君じゃないか~
「俺のステータス教えてやるよ......へへ。俺のスキルはな【言語理解】と【闇魔法Lv.6】ってやつだ!!」
周りの人が「おぉ!!」と声をあげている。
そんなに凄いのだろうか?
言語理解はおそらく言葉がわからないと意味が無いと思って付けさせてあげたんだろう......神ちゃんが......
『エミリ、【闇魔法Lv.6】ってどんくらいの力なんだ?』
「えっとね、闇魔法ってスキル自体が珍しくて、レベルが六はランクC冒険者並で、闇魔法の強さを計算にいれるとランクB冒険者ぐらい、ランクB冒険者は全然いなくて、王宮の騎士団長がそうらしいよ」
なるほど......騎士団長くらいってことはかなり強いな......
その後も他のクラスメイトのスキルを聞いたが、岡本ほど強いスキルは発現していなかったものの、全員がこの世界の新人兵士五人分ぐらいの力のスキルだった。
ちなみにヤサオは俺を一生懸命探していたが、他の俺をいじめてたグループに「あいつなんかいなくてもいいだろ?」と言って黙らされている。
委員長と言ってもいじめは怖いのだ。
「それでは!!皆さんには我がクロス王国立第一学園中等部に力の使い方を学んで貰いたいと思います!!」
「おいおい、俺たちゃ高校生だぜ?なんで中学生やり直すんだよ」
「高等部は専門科目でクラスが分かれておりますので、まずは力の使い方を学べる中等部に入った方が得策かと......」
ふぅ~ん、あいつらクロス王国立第一学園中等部ってとこに行くのかー
......あれ?そこうちの学校じゃね?
俺も勇者がいい~
聖剣とか使いたかったよ~
やだやだ~スライムやだ~
作者「じゃあ、消える?(作品ごと)」
スライムの生をいただき作者様には頭が上がりません、どうかこれからもよろしくお願いします。