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問い詰められました

◆◇◆◇◆クロス王国立第一学園中等部・職員室前廊下◆◇◆◇◆


コンコンっ


扉をノックするエミリ。隣にはもちろん俺がいる。

今ここにいるのは、例の先生に呼び出されたからだ。


そういえばさ!!この学校の名前きいた!?


【クロス王国立第一学園中等部】なんだって!!

長い!!覚えずらい!!そんな理由から第一学園中等部って呼ばれるらしい!!ちなみにエミリは一年生なんだって!!

え?それ今言うタイミングじゃない?空気読め?

............


よし!!職員室にはいるか!!


ガラガラガラ


「失礼します、一のCのエミリです。ジャック先生はいますか?」


へぇ、あの先生ジャックって言うのか......

豆の木に登ってそうな名前だな.....

見た目は若くて正義感溢れる感じだったが......


「エミリ君、待っていたよ。さっそくだが場所を移しても大丈夫かい?」


「え、あ、はい」


ジャック先生は隣の応接室と書いてある所に歩いて行く。

俺達もそれに付いていく。


◆◇◆◇◆応接室◆◇◆◇◆


応接室には高級そうなソファーが二つ向かい合わせに置いてあり、間にガラスのテーブルが置いてある。

後ろには大きな窓もあり、外で実技の授業をしている生徒がいる。


ジャック先生は奥の椅子に座り、エミリには手前のソファーに座るように言った。

俺は別にソファーに座る必要もないので床にいようかと思ったら、エミリが膝に乗っけてくれた。


やばい......メッチャ嬉しい。

このまま寝てしまおうかしら?

いや、いかん。先生がどこまで知ってるか見ないと......


「エミリ君、単刀直入に聞きます。そのスライムと契約した理由はなんですか?」


ほほぅ、探りを入れてきたか。

そのまま「念話使えるね?」なんて聞いて来ないところを見ると、どう話そうか考えたのかな?

その理由はおそらくこの人が確信がない事は言わない慎重な人間だからだ。

だとすると、まだ誰にもこの事は話してないと思う。

このまま隠し通せる可能性はまだあるな。


「スライムさん契約した理由ですか?それは......この子が初めて私の能力に応じてくれた唯一の存在だからです......私は今までどんなに努力しても実技は上手くなりませんでした......王国学、数学、理科、地理、どんなに努力しても、どんなに満点をとっても、体が生れつき弱い私は実技だけが出来ませんでした。魔力を練ろうとしても体内の魔力が少なくてすぐに気を失います。どんなに剣術鍛えようとしてもすぐに息が上がります。そんなダメな私の魔法で来てくれたんです。スライムとかなんて関係ありません」


......そうだったのか......今すぐ頑張ったねってヨシヨシしてあげたいけどこの先生の前じゃ出来ないなぁ......

いなくても手が無いからヨシヨシ出来ないけど......


「嫌な思いをさせてしまったな............じゃあ、質問を変えよう。そのスライムは念話が使えるね?」


こいつ、ついにめんどくさくなって聞きに来やがった。


「使えませんよ」


うむ、作戦通りだ!!


「そうか?じゃあ、なんでそんなにエミリ君は目が泳いでるんだい?」


え?


エミリの方を見ると確かに目が泳いでいる......

明らかに嘘ついてますって感じの表情だ。


「お、泳いでなんか......いません......」


メッチャ泳いでるーーー!!

はぁ......もういいや。これはエミリが嘘ヘタって知らなかった俺の責任だ。


えーっと、念話の範囲は半径二メートルぐらいでいいかな


『エミリ、もう隠しきれないよ、諦めよう』


「はぅ、ごめんねスライムさん......」


「やはり、念話が使えましたか......」


『それで?ジャック先生、念話が使えるスライムがそんなに珍しいかい?』


「念話は珍しいことは珍しいんですが、ありえない事ではありません、数百体の魔物の中で稀にそのようなユニーク個体がいるそうなのでね。」


へぇ、じゃあスラ爺もそのユニーク個体ってことか。


「......ですが、あなたが勝ったナイトゴーレムはDランクの魔物なのです。失礼ですがGランクのスライムが念話を持ったぐらいでは勝てる相手ではないのです」


「先生!!スライムさん馬鹿にしないで!!」


『エミリ、この先生の言ってる事は筋が通ってる。それに俺は馬鹿にされても大丈夫だ、スライムで脳みそがあるかもわからないからな』


「......スライムさん......」


俺が話終えると少し悲しい目をしていた。


これは少しエミリの気持ちを考えた方がよかったな......

エミリはスライムとか関係なしに、俺を大切に思ってくれている。

それを貶されてるのが我慢出来なかったのだろう......


『エミリ、心配してくれてありがとうな。俺は優しいお前の使い魔になれてよかった。』


俺が慰めるとエミリは明るい表情を見せてくれた。

よかった......成功みたいだ......


「こほんっ、それであなたに聞きたいのですが、あなたは念話以外のスキルを持っていますね?」


......そこまで感ずかれてたか......

あのナイトゴーレムをビビらせたのが俺って事に気付いてたとはな......


しょうがない......

スキルを教えるしかないのかな......

いや!!やっぱりやだ!!全部は教えない!!

今日使ったやつだけ教える!!


『あぁ、【威圧Lv.10】と【催眠術Lv.4】だ』


「なんだって!?」


「え!?そうなの!?スライムさん!!」


『......ん?何をそんなに驚いているんだ?』


「Lv.10のスキルなんて天災級の魔物が持ってるようなものですよ!!」


......へ?嘘でしょ?だって俺、スキルでLv.10は九個あるよ?


......どうやら俺は天災級を九回通り越しているようだ。

まぁ?天災級の俺っちに掛かれば作者なんて余裕のよっちゃんって感じだし?脅しなんて余裕で跳ね除けてやるし(笑)

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