表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋を……してもいいですか?  作者: 遥 かずら
付き合い初め
9/60

なんでなの?

                  夜月よづきの涙。



 わたしと彼の休みが合った日、初めて出かけることになった。これをデートと言っていいか分からないけど、駅で待ち合わせしてそこで会う……と言う流れ。


 前日――


 ----------------------------------------------

「美月、明日休み?」

「う、うん一応…」

「じゃあ、昼前の11時に水道橋な。西口の改札外で待っててくれ」

「え、あ……はい」

「じゃ、明日な!」

---------------------------------------------------


 急に言われて、急にやり取り。そのまま、明日のことが決まった感じ……。断る理由なんてないけど、唐突に言われた方が迷うことなく、決まるのかもしれない。


 遊園地……と言うか、あそこはアトラクションがメインのはず。もちろん、1人でなんて行かないけど……そう考えたら、これはデートと言ってもいいのかもしれない。


 西口改札外――


「美月、悪い! 遅れた」


「別にいいけど……」


「じゃ、ここから歩き。5分で着くから」


 彼とわたしは目的の場所へ向かって歩き出す。たった数分の距離を一緒に歩くことが、何だか楽しい。


「で、だ……美月みづき、何する?」


「決めてないの?」


「俺は現地派。来てから決める。美月、どうする?」


「……拓斗に付いて行くけど」


「そうか。うーん……じゃ、とりあえず地下行くか」


 って感じで……行き当たりばったりなデート。そんなものかな。仕事してる彼はそんなにネットとか見なさそうだし。かと言ってスマホ見ながら色々決めたりするかと言えば……らしくない気がする。


 それなりに楽しめた。わたしは付いて行ってるだけだから、不満も何もない。一緒にいるだけでいい。


 夜――


 さすがに夜向けに、乗るのを決めて来たらしく……わたしと彼は定番の観覧車に乗り込んだ。観覧車の中にカラオケとか初めてだったけど、それなり。


 気付いたら、月が目の前に見えてて……そして――


「なぁ……」


「……ん……やっ」


キスくらいでなんで逃げたんだろう……わたし、どうされたかったの? 自然にしてくれて嬉しいはずなのに――


「……嫌だったか?」


「わたし、まだ……こういうの……」


 そんなつもりも無かったし、もちろん、予想はしていたけど……こういう空間でしかも月が見えてる時に、何だか悲しくなった。嫌いでもないし、好き……かなんて、まだだけど……あー涙が出ちゃったな。


「ご、ごめん……」


「わたしこそ、なんか……ごめん」


 キスだけなら――なんて、甘いのかな。んー……恋ってこうじゃない。なんて、どこかのわたしが言ってる。いくら何でも早すぎる……これも遅れてるの? よく、分からないな。なんか、ホント、嫌だ。


わたしはわたしが嫌になる――

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ