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恋を……してもいいですか?  作者: 遥 かずら
付き合い初め
5/60

もどかしすぎて

              隣にいるだけなのに…



 告白されたあの日以来、わたしとカレ、拓斗たくとは偶然にも近所のコンビニで出会う。

 わたしは何となくの立ち寄り、カレは仕事での弁当の買い出し。


美月みづきか。どうした、珍しい所で出会うな」


「別に、何も意味、ないけど。拓斗は仕事?」


「あぁ、そんなとこ。現場だしな」


「お昼はいつも?」


「まぁな。でも、コンビニ弁当は飽きる。手作りがあれば最高だな。そう思わね?」


「そうなんだ。手作りって大変そう……」


 拓斗の言葉はそういう”意味”が入っているの? わたし、そういうの疎いから。

 ホント、他人事のように返事をしたけど、特に気にも留めてなかった?


「ほら、レジ進んだ。美月、先でいいよ」


「あ、うん」


 前と後ろに並んでいただけだから、その部分を優しくされても……ね。

 僅かだけど、そういう気持ちは受け取っているから。そういう気持ちだけ。


「少しだけ時間あるし、外で話をするか」


 レジを済ませて、拓斗はそんなことを言い出した。仕事中なのに、なんか、ごめん。

 コンビニの入口。壁に寄りかかって、わたしとカレは話をする。


「専門、楽しいか?」


「別にそんな気持ちで行ってないけど。拓斗は、楽しい?」


「あぁ、そう来たか。いや、仕事ってそういうもんじゃないし。でも、俺は楽しいぜ?」


「そ。いいね、そういうの」


 取り留めの無い話。わたしの隣にはカレが壁に寄りかかっている。隣に立ってるだけなのに……


「おっと、悪い! 休憩やばい。俺、戻る。じゃ、またな美月」


「あ、うん」


 行ってしまったな……長い時間でもないし、何てことの無い話なのに。わたし一人だけになった。


 ほんの少しの時間だったけど、わたしの隣に、カレがいた。隣にいただけなのに――

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